プロローグ 後編+
次は終編と言ったな。あれは嘘だ。
はい。あにまです。
今回は午後中5時頃の夕方に投稿してみました。いつもは深夜帯なのですが...深夜帯に見てくれてた人には申し訳ないです。
では本編どぞ。
ブレイズ・システィーナは20代という若さで、国王に任命された。これは今までの歴史の中でも類を見ない程の事だ。
その若さに加え、国を代表するリーダーに値するリーダーシップも持ち、ルックスまで良い彼だが、一つ重大な欠点があった。
非常に遊び好きであった。女遊びなどではなく、単純にゲーム好きであった。
ブレイズは国の運営にとても重要な事をゲームで決めたりするなど、これまでの時代で最高も国王と呼ばれる程の手腕を持つ彼だが、最高の問題児とも呼ばれていた。
だがその問題児ぷりも人気の一つかもしれない。
ブレイズは日々町を出歩き(王宮の書類仕事から脱走し)国民とふれあっていた。
国民に近所のオジサンみたいな感じで思われている事にブレイズは気づいていない。
そんな国王は演説台に立ち、少しの静寂が訪れた後、ブレイズが喋り始めた。
「皆!火星移住300周年セレモニーに参加してくれてありがとう。そこの小うるさい司会者や警備員に静かにしろと言われて、ストレス溜まってるかもしれないけど静かに聞いてくれ。」
国王の言葉に耳を傾けている民衆は一斉にうなずく。
「地球が核戦争で再帰不能まで追い込まれ、火星移住してから300年。先代達の多大な功績により、人類は争いのない時代を過ごしている。だが、過去の歴史を振り返ってみると、そのような平和はいつか崩れるものだ。そう思うだろ?」
そうだ、そうだー!と民衆がいう。
「まぁ俺も正直国王を長くやって来た訳だし、書類仕事には疲れたし、皆ともっと楽しく過ごしたい!」
今も十分過ごしてると思うぞー!と言って笑う民衆。
「で、新国王をゲームで決めたいと思うんだけど!」
は?みたいな顔をする民衆と蒼華たち、その周りでは貴族達が深くため息をついた。
「まぁこの話は結構前にもう実行に移されていて、もう遊戯の準備は終わってるというか進行している!」
「で、それはどんなゲームなんだ?」
と民衆の中の誰かが言う。
「では!ゲームのタイトルと内容を発表する。」
セレモニーに参加している全員がブレイズに注目する。
実は貴族達も資金提供しろと言われ、資金は提供したが、その内容は知らない。
普通なら、内容の説明無しで資金を提供するわけないが、ならありとあらゆる弱みで脅迫され協力しているからだ。
「その名は【クローンゲーム】だ!」
国民は皆、よく分からなそうな顔をしている。
その様子をみた国王はこう続ける。
「まぁよく分からないよな。簡単に言うと、テラフォーミングした地球に皆のDNAから造ったクローンを地球に住まわせて、【スキル】ていう魔法みたいな力を授けて、この火星までたどり着いたやつが国王になるっていうそんなゲームです!まぁ流石に殺人鬼みたいなやつは国王にしないけどな。」
「じゃあこのゲームはギャンブルみたいなものなんですか?」
とまた民衆の誰かが言う。
「おう、そういうことだ。まずたどり着くかも分からない。完全なギャンブルだ。
あと、どうやってそんな数用意したんだ!とか、昨日まで火星の天文台で観察できた地球は、死の星のようだったとか、まぁそれは隠してたんだけど...その他諸々の事情は、科学力ってスゲーて思ってくれ。」
もうこの国王は何を言っても止まらないと、国民誰もが理解していたので誰も何も反対しなかった。
「まぁ皆俺の事分かってるから、誰も反対しないな...まぁスキルについてとかは次の日のポストに、説明書とクローンに付属されたスキルが書いてあるスキルカードをポストに入れておくから、詳しくはそれを見てくれ。」
そんな投槍な説明にも、まぁ仕方ないな!国王だし。と国民は開き直った。
「よし。もうスピーチ終わったしいいかな?」
ブレイズはパチンッと指を鳴らす。
指を鳴らすと音楽がなり始め、ブレイズは演説台から民衆の列へと飛び込んでいった。
その様子と一連の流れを見て、蒼華は
「凄いな。お前のお父さん...」
「本当に行動力だけは凄いんだから...」
フレイアはまた問題を起こした父に、頭を抱えた。
「じゃあ、そうちゃん。私はパパのお手伝いしてくるわね。」
「うん。分かったよ。」
と蒼華は凛華に伝えられ、返事をした。
蒼華のお父さんはブレイズと昔から仲良く、今ではブレイズの側近をしている。だから、蒼華は関係者席にも座れていた。
「そうちゃん。一緒に来てくれないかしら?」
「ん?どうしたんだ?」
「一緒に行きたい所があるの。」
蒼華はその誘いにドキドキしながら、フレイアの後についていった...
「なんで図書館なんだ?」
「いいからついてきなさい。」
蒼華達は図書館にまた来ていた。
(いったい何処へ行きたいんだ?図書館なんて子供のころ散々冒険しただろうに。)
電球で明るく照らされた図書館を進んでいく。
「ここだったかしら?」
フレイアは何も変哲のない本棚の前で立ち止まり、本棚の奥まで手をいれ始めた。
「フレイア?何をしてるんだ?」
「いいから黙ってて...あ、あった!」
カチッと何かボタンを押した様な音がしてから、蒼華の後ろの壁が地響きをたてながら、開いた。
蒼華は突然の事で唖然とした。そんな蒼華をみてフレイアが
「なにぼーっと突っ立てるのよ。早くついてきなさい。」
「わ、分かった。」
蒼華はフレイアと共に薄暗い通路を歩いていった。
読んでいただきありがとうございました!
あと一つでプロローグ終わりそうです。
次も是非読んでみてください!