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没落した英雄

〜王城・騎士長自室〜

「さて、どうするか・・・。」

フォンは翌日のデートのプログラムを作るため地図を広げた。

王城から進むルートに印をつけながら、歩いている風景を思い浮かべる。

どこでどんな会話をするかもメモしていく。


しばらく地図と格闘していると、部屋の外で誰かの気配がした。

廊下を行ったり来たりしている。

しばらくは無視していたのだが、何時間も同じ気配がしてくる。

フォンは廊下に顔を出した。

しかし、誰もいない。

扉を閉めると再び同じ気配がする。

(確か魔道隊は今日召集があったな・・・。)

そんなとこだろうと、フォンは再び地図と格闘を始めた。



〜王城・魔具倉庫〜

「あれ〜?」

リーデニスは召集命令により魔具倉庫に来ていた。

しかし、石で作られた倉庫には誰も居なかった。

「ん?あれ?こんあものあったっけ?」

それは記憶保存装置であった。

これは人の記憶を青白い光にコピーする装置である。

物がよければ感覚もコピーされる。

(こんな高いの誰が買ったの?

あ!そうか!今日はこれの処分でも決めるんだ。)

そんなことを考えていると、突然、装置が動き出した。

「!!」

それに驚くと同時に後ろから誰かに押さえられた。

「くっ・・・だれ!!?」

必死に抵抗するが、腕を後ろに取られているので身動きができない。

「はなせ!はーなーせー!!!」

一瞬腕が解かれた。

しかし、すぐに四肢をつかまれ、石柱にたたきつけられる。

衝撃で息がつまり、目を閉じた。

「ぅ・・・く・・・。」

痛みが和らいできた。

「!!!」

リーデニスは目を開けて最初に写った人物を見て絶句した。




=明朝・7時=〜王城・騎士長室〜

(どこにしまったかな・・・。)

フォンは朝早くから仕事部屋に来ていた。

今日は仕事ではないので鎧ではなく茶色いコートを着ている。

この部屋は基本的に事務の仕事をするときに使う。

フォンは昨日作った地図を探しにきてた。

一応、ルートは覚えているが、会話の話題は覚えていなかった。

昨晩、部下の騎士が用があるとかでこの部屋に地図と一緒に来た。

そして紛失したのだ。

(くそ・・・自分に嫌気がさしてくる。)

そのとき、騎士長室の扉が勢い良く開いた。

「フォン騎士長!!

リーデニス魔道隊長殺害の容疑で逮捕します!!」

数人の兵士がなだれ込んできて、先頭の騎士がそう叫んだ。

「なに?どういうことだ?」

「本日明朝5時!王城の水路にて、リーデニス魔道隊長の無残な遺体が発見された!

その傷後から、凶器は巨大な剣であることがわかった!

さらに!昨日、場内でフォン騎士長!あなたのアリバイがありません!」

「それは誰が発見し、誰がそう推理した?」

「騎士長・・・私は、あなたがこんな形で人を殺すなど思いたくありません・・・。」

「誰がそう推測した!!?」

フォンは叫んだ。

その勢いに、その場にいた誰もが硬直した。

重々しい空気が数コンマ秒流れた後、騎士は口を開いた。

「リーエー外交大臣・・・です。」

「今どこにいる?」

静かに、しかし、激怒を我慢していると言った声で問う。

「え・・・・謁見の間に・・。」

それを聞いたフォンは王室へと向かった。

騎士長室に乗り込んできた兵士は、誰一人としてそれを止めることはできなかった。



〜王城・謁見の間〜

フォンは荒荒しく扉を開けた。

中へ入ると同時に8本の槍が向けられた。

「!!!」

「逮捕しろ!!」

リーエーが叫ぶ。

そこには12人のすべての大臣と皇帝がいた。

「フォン・・・まさか、おまえが・・・。」

皇帝は信じられないといった感じで云った。

11人の大臣も、重々しい表情でフォンをみる。

ただ一人、リーエーは笑っている。

「俺じゃない・・・俺は殺っていない・・・いや、そもそもリーデニスは本当に殺されたのか!?」

「ん?自殺だというのか?」

「違う!本当に死んだのかと聞いている!!」

すると眼鏡をかけた別の大臣が一歩前に出た。

「えぇ、そして、死体解剖の結果、あなたが背中に持っている剣が凶器であるとわかりました。

もっとも、同じ種類の剣だとわかっただけで、その剣が使用されたかどうかはわかりかねますが。」

「・・・。」

リーデニスの死が確定して、フォンはヒザをついた。

そこへ、リーエーが歩み寄る。

「取り押さえます。」

そういって、手から青白い光を出した。

それをフォンの頭に当てた。

光はそのままフォンの頭に吸収される。

「!!!」

いきなり目の前が真っ暗になる。

そして、別の人間の視点が脳裏に描かれた。

「くっ・・・だれ!!?」

必死に抵抗するが、腕を後ろに取られているので身動きができない。

「はなせ!はーなーせー!!!」

一瞬腕が解かれた。

しかし、すぐに四肢をつかまれ、石柱にたたきつけられる。

衝撃で息がつまり、目を閉じた。

「ぅ・・・く・・・。」

痛みが和らいできた。

「!!!」

リーデニスは目を開けて最初に写った人物を見て絶句した。

「リーエー!!?」

「ふふふ。」

リーエーは不適な笑みを浮かべて近づいてくる。

その両手には大剣が握られている。

「ぃや!はなせ!!」

抵抗するが、手足は完全に拘束されている。

リーエーは大剣を振りかざした。

「あぁぁぁぁ!!!!」

身体にナナメの赤い筋ができる。

傷は肋骨の上を切っていた。

「苦しめ・・・苦しめ・・・。」

リーエーは再び剣を振りかざした。

今度は腕に、そして次は足に、右肩、左脚。

次々に身体の部位を浅く切っていく。

斬られるたびにリーデニスは悲鳴を上げる。

「さぁ・・・これで最期だ!!」

リーエーは数歩近づき、大きく振りかぶった。

「ぃや・・・いやぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあぁぁぁぁぁ!!!!!!」

フォンは、頭を抱えながら地面に額をぶつけた。

体中に痛みが走る。

「ハァ・・・はぁ・・・。」

荒い呼吸が静かな部屋に響く。

リーエーは声に出すことなく笑っている。

「連衡しろ。」

リーエーは後ろに下がり、8人の兵士が槍を向けたまま近づく。

「リーーーーーエーーーーー!!!!!!!!」

フォンは背中の剣を抜き、一振りで向けられていたすべての槍を切った。

槍の刃は音を立てて大理石の床に落ちる。

兵士達は恐れをなして後退する。

フォンは目の前の兵士を突き飛ばし、リーエーに斬りかかろうとした。

しかし、それは叶わなかった。

足元に魔法陣が出現し、障壁が出現した。

「ふ。」

リーエーは勝ち誇ったかのように鼻で笑った。

フォンはリーエーを睨みつけると、その視線を皇帝へ向けた。

「陛下、この国を治めるのはあなただ、誰が何と言おうと、あなたが選んだ道を進んでください。」

そういうと、フォンは下元を剣で叩くように斬った。

足元が崩れ、下層に落ちる。

右手には、窓の開いたベランダが見えた。

フォンは迷わずそこへ走り、飛んだ。

「門を閉じろーーーー!!!」

門番に命令が下されるより早く、フォンは門を抜け、城下町へ出た。

真昼の城下町を、外門へ向けて一直線に走る。

すぐ隣を早馬が駆け抜けて行った。

外門へ着くと、そこには剣をこちらに構える兵が居た。

門は閉じている。

「くそっ。」

フォンは鞘ごと剣を構えた。

「覚悟ーーーー!!!」

兵士が切りかかってくる。

フォンはそれを受け止めずになぎ払った。

兵士の剣は見事に折れた。

自分へ向かってくる兵士の剣を叩き折る。

2・3人の兵士は目前に身体をさらしてきたので、横っ腹を叩いて吹き飛ばした。

木製の外門まで来ると、鞘から剣を抜いた。

「真空鎖斬!!!」

剣に空気がまとわり、強力な斬波が巻き起こる。

瞬間的に3回、門を斬った。

門は音を立てて崩れ落ちた。


なぎ倒された兵士達を背にフォンは平原を走った。

これは自信あり!

個人的に良かったと思います

これは今後の物語の展開として非常に大事な部分です

そういう意味でよくできたと思います

今後に期待してください!

もしよければ感想や評価の方、よろしくおねがいします



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