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帝国の裏

〜ヴァリクラ帝国・王都シューデン〜

王都に英雄の部隊が到着する。

後ろには捕虜となったアーデラスの兵が連れられている。

その捕虜達にかかえられた棺には、優秀な騎士長の遺体が収められている。

町の誰もが歓声をあげる。

しかし、捕虜達にとってそれは気持ちの良いものではない。

フォンも、この歓声はあまり心地よいものではなかった。



〜王城・王室〜

「陛下、フォンの部隊が帰還いたしました。」

「そうか。

して、その結果は?」

「はい、完勝でございます。

後ろに大勢の捕虜を引き連れております。」

それを聞いてヴァリクラ帝国帝王ギュリゼ12世は声を上げて笑った。

「はっはっはっ!!

フォンらしい。

いいだろう、捕虜達に暖かい寝床と食事と酒を用意してやれ。」

「よろしいのですか?

毎度のことながら、わが国の食料などは・・・。」

「よいよい。

今のこの豊かさはフォンの活躍によるものだ。

その英雄の連れてきた客人とあらば、手厚くもてなさなければな。」



ヴァリクラは元々北の雪原地帯に位置する小国であった。

フォンが小隊体長に任命されたのを期に、この国は栄え始めた。

それは国民にとっても、騎士にとっても良い結果を生み出した。

しかし、当然これを良く思わない者が居ない訳ではない。



〜王城・廊下〜

「ふぅ・・・。」

「どうしたの?」

フォンは長い廊下を歩きながらため息をつく。

隣を歩いていたリーデリスは不自然なため息に疑問をいだく。

「少し、疲れた。」

「王都に入ってからもずっとその大きい剣を持ち歩いているからでしょ?」

「そうかもな。」

「どこかに置いとけばいいのに。」

「いや、俺は物をなくしやすいからな・・・この剣も5代目だ。」

2人が歩いていると、待っていたかのように男が近寄ってきた。

「いやぁ、さすが英雄様だ。

この度の戦も無事に勝利なさったそうな。」

「生まれつき運は強くてね。」

「私の忠告を聞かなかったのか?」

「聞かなかったからこそ、この戦争に勝ったんだ。」

「貴様・・・。」

「あんたが自分の得になるように戦争を終わらせたいのはわかる。

しかし、そんなことしているうちに国民が死ぬ、兵が死ぬ、物資が尽きる。

あんたが3年もかけて戦争を終わらせられなかったから、陛下は俺にこの戦の指揮を委ねられた・・・違うか?」

「おまえはわかってはいない。

あと少し、あと少しでこの国が最も得をする勝ち方ができたものを・・・。」

「それまでの間にいったい何人の人間を殺すつもりだ?

云っておくが、先日俺が討ち取った女騎士長は確かに武力はなかったが、むこうでは才女と謳われる策士だ。

あと何日この国が持ちこたえられていたか・・・。」

「・・・。

後悔しない、利口な生き方をしろよ?フォン。」

「あいにく、俺はすでに後悔しているんでね。」

言い捨ててフォンは歩き始めた。

少し遅れてリーデニスが着いて行く。

「・・・。」


ヴァリクラ帝国外交大臣リーエー。

この男はアーデラスとの戦争において指揮を任されていたが、2年半かかっても状況は変わらなかった。

さらに、弱ってきた2国を制圧しようと隣国まで攻めてきたのだ。

それゆえ、皇帝は指揮の半分をフォンに委ねた。

結果、隣国の侵攻は防がれ、さらにアーデラス戦の指揮も任され、見事打ち勝った。

当然、この男からすれば、面白くない話だ。



リーエーに男が駆け寄っていく。

「準備が整いました。」

「ふっ。」

リーエーは不適な笑みを浮かべた。



「明日は暇か?」

「何?デートのお誘い?」

フォンの問いをリーデニスは軽く受け流す。

「1ヶ月ぶりですか?

騎士長様がお声をかけてくださるのは・・・?」

「戦争中だったんでな。

怒っているのか?」

「1ヶ月ほったらかしにされて怒らない女はいなくてよ?

ん〜明日は無理、召集かかってるから。

明後日でいい?」

「あぁ、かまわない。」

「んじゃあ明後日ね!」

「あぁ。」

リーデニスは笑顔で手を振りながら自分の部屋へ戻っていった。

騎士長及び各隊長には王城に専用の部屋が設けられるのだ。

フォンはそれから無言で部屋へ戻っていった。

まぁ普通でしたよね。

なんかフクセンっぽいのありましたけどスルーで^^;

フクセンなので・・・。



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