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航空祈動聯隊、敵ヲ討テ。 〜並行世界の日本は戦争を回避した。でも代わりに、超能力と銃と刀で怪物と戦っている!?〜  作者: 神田川 秋人
第2章 空を仰ぐ雛鳥たち

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第20話 友達作戦




 最初の講義の前に、21名全員で出席確認を兼ねた自己紹介を行った。

 と言っても、氏名と出身地を答えるだけのシンプルなものだ。


 この世界は、俺が元いた世界と異なり、あまり首都圏への一極集中が進んでいないみたいで、大多数が地方出身者だった。


 その後、講義に入る。


 ただ、講義と言っても午前中は初回なので、現在世界が置かれている状況を軽く確認するだけだった。

 俺がこの世界に来てから、入校までに学んだ内容とも合致している。




 この世界において、“黒キ影”の支配領域は大きく分けて4つある。


 ハワイ諸島

 アフリカ大陸全域

 南アメリカ大陸全域

 ユーラシア大陸中央部


 この4つである。


 そして人類は、これ以上の“黒キ影”の侵攻を防ぐために、各国で協力しながら共同戦線を張っている。


 代表的なものが、以下の5つである。


 ハワイ諸島に対する環太平洋戦線(主に日米豪で構成される環太平洋同盟)


 アフリカ大陸に対する地中海戦線(ヨーロッパ諸国連合)


 南アメリカ大陸に対するパナマ戦線(アメリカがカナダとメキシコの諸州を併合して作った、北アメリカ合衆国)


 ユーラシア大陸中央部に対する東ヨーロッパ戦線(ヨーロッパ諸国連合)


 同じくユーラシア大陸中央部に対する中国戦線(日中韓大陸同盟)




 このうち、日本が当事者となるのが、我らが帝国海軍が主に担当する環太平洋戦線と、帝国陸軍が主に担当する中国戦線である。


 このあたりを確認したところで初回の午前の講義は終わり、詳細は個別の講義で本格的に取り上げていくとの教官の話で締め括られた。


 午前の講義が終わり、昼食の時間となる。

 祈動学校では食堂が用意されているため、基本的に自分たちで食事を用意する必要はない。


 俺はターシャを昼食に誘うが、そこで1つ試したいと考えていたことを実行する。


 名付けて、“友達作戦”だ!!


「ターシャ、ちょっと待っていてくれ。」

「――?もちろん大丈夫ですけど……?」


 不思議そうにするターシャを待たせて、まだ講義室に残っている同期生の中から、お目当ての2名に声をかける。


「なあ、日高ひだか白井しらい。いま少しいいか?」

「君は――広瀬ひろせくん、だったよね。どうしたの?」


 俺が声をかけた2人は女子であり、おそらく同部屋である。

 講義中も隣に座っていたし、今も2人で食堂に行こうとしている。


 そして、ある提案を持ちかけた。


「さっきの自己紹介で話していたけど、2人とも地方出身だよな?」

「そうだけど……?」


 やはりそうだ。確か、宮崎県と香川県である。


「実は、後ろにいるターシャ――千堂せんどうが東京出身なんだが、ちょっと東京のことについて色々教えてもらおうと思っていてな。2人も地方出身だから興味あるかもと思って。もしよかったら、昼食を食べながら一緒にどうだ?」


 そのように提案してみた。


「え!本当!?東京は行ったことないから、ぜひ色々と聞きたいな!」


 かなり前のめりに食いついてきた。


 やはりそうだ。


 この世界は“黒キ影”の影響もあって、一般人の移動や交流が元の世界より少ない傾向にある。

 そのため、必然的に地方出身者で東京を訪れたことがない者も多く、かなりの確率で興味を持ってくれるだろうと考えた。


「ありがとう。では、続きは食堂で話そう――行こうぜ!ターシャ!」


 そう言って、ターシャを呼んだ。

 ターシャは思わぬ展開に驚いていたが、俺の意図を察したのか――


「――志道しどうくん。ありがとうございます。」


 俺に御礼を言って、4人で仲良く食堂に向かった。






 その後は食堂に移動して、帝都ていと東京の流行や名所などの話で場が暖まった所を見計らい、ターシャがひとり部屋なこと、寮生活で相談できる女子がいなくて困っていることをそれとなく伝え、無事に2人の協力を取り付けることができた。


 後はもう、俺にできることはない。

 ターシャに頑張ってもらうとしよう。




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