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航空祈動聯隊、敵ヲ討テ。 〜並行世界の日本は戦争を回避した。でも代わりに、超能力と銃と刀で怪物と戦っている!?〜  作者: 神田川 秋人
第2章 空を仰ぐ雛鳥たち

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第19話 初日の講義室




 神崎かんざきとは、それから結局ひと言も会話をせずに、翌朝を迎えた。


「………………」


 俺は、一晩中あいつの言葉が頭を離れなかった。


 ――そんなに、気分を害するようなことをしてしまっただろうか。


 ――たまたま、あいつの機嫌が悪かっただけかも。


 色々な考えが頭を過ぎった。

 だが、今日から講義と訓練が始まる。

 心のモヤモヤは晴れないけれど、そちらに集中しなければ。




 俺は、祈動きどう学校の1日のスケジュールを頭の中で思い出す。




 午前6時00分 起床

 午前6時05分 朝点呼

 午前6時10分 部屋清掃

 午前6時30分 朝食

 午前8時00分 国旗掲揚

 午前8時15分 午前講義、訓練

 午後0時30分 昼食

 午後1時30分 午後講義、訓練

 午後5時45分 国旗降下

 午後6時00分 入浴

 午後7時00分 夕食

 午後8時00分 自由時間

 午後9時55分 夕点呼

 午後10時00分 就寝




 以上である。


 めっちゃ細かく決まってるぅぅー!?


 最初、このスケジュールが記載された行動表を教官から配られた時、思わず目が点になった。

 朝6時に起きて、夜10時に寝るとか、俺が元いた世界だと、今どき小学生でもやっていないのでは……?


 さらに休日である。


 我らが海軍航空祈動学校の休日は、なんと聞いて驚け!




 毎週日曜日の午後




 以上である。


 ここは軍隊か?(錯乱)


 俺は改めて、自分が軍隊――いや軍学校に入学したという事実を噛み締めていた。






 慣れない朝の課業を終えた後、一言も話さない神崎を部屋に置いて、早めに午前の講義室に向かう。


 祈動学校の講義は、高校のように教室や座席が固定で決まっている訳ではなく、訓練生が講義室に移動し、教官から講義を受けるスタイルらしい。当然、席も自由席だ。


 指定された講義室に向かうと、すでに半分ほどの訓練生が着席していた。


 見渡すと、後ろの方にターシャが座っているが、見事に周囲の席が空いている。

 本人も、どこか居心地悪そうにしていた。


「………………」


 これは、別にイジメを受けているとかそういう訳ではなく、ターシャの見た目が少し目立つので、周囲が勝手に近寄り難いと感じているだけだろう。

 事実、イジメ特有の嫌な空気は感じない。


 元の世界の俺がいた時代は、日本にも大勢の外国人が訪れたり、住んでいたりして、街中で外国人を見かけるのは普通だった。


 だが、この世界は俺がいた時代より50年近く前な上に、“黒キ影”の存在により海外との移動や交流が制限されているため、街中では外国人をほとんど見かけない。

 “黒キ影”による難民の多くも、言葉や文化の壁から最終的に母国に帰ったり、土地も広く、積極的な難民受け入れ政策を行なっているアメリカに移住するケースが多いと聞く。


 見慣れないものに対して、様子を見てしまうのは人間の本能だ。


 だが、この祈動学校への入学を許されている時点で、ターシャが日本国籍なのは間違いないし、何より本人が言っていたように二世である。

 そもそも外国人ではなく、俺たちと同じ日本人なのだ。




 ターシャの隣の席に座って話しかける。


「――おはよう、ターシャ!」

「―――!志道しどうくん!おはようございます!」


 ターシャはそう言って、安心したように笑って返事を返してくれた。


「いよいよ、今日から講義と訓練だな。」

「そうですね!ちょっと緊張します。」


 俺も俺も。


「そう言えば、寮の相方は誰なんだ?」

「あ――実は、その、ひとり部屋だったんです……」

「????」


 どういうことだ?


 そう思った瞬間に思い出す。

 俺たちの同期は2()1()()で、部屋は2人部屋だ。誰か1人余ることになる。


 だから1人で座っていたのか。

 俺と神崎みたいな特殊なケースは別として、普通は初日くらい同じ部屋のやつと来るよな。


 おそらく偶然だろうが、よりによってターシャがひとり部屋か……


「なるほど、それは部屋を広く使えるが――生活に慣れるまでは、相談できるやつがいなくてツライな。」

「そうなんです……」


 そう言って、しょんぼりとするターシャ。


 うーん、自分でもよく分からないけど、なぜかターシャって放っておけないんだよな。


「俺で良ければ力になるよ。何でも言ってくれ。」

「――!ありがとうございます!」


 嬉しそうにするターシャ。

 とは言え、俺は男だし、女で気軽に相談できる人が欲しいよな……


 そう考えた時、神崎が講義室に入ってきて、チラッと俺の方を――いや、ターシャの方か?を見てから、そのまま空いている席に座った。


 俺は俺で、こいつとの関係を何とかしなくては……


 まだ講義が始まってすらいないのに、俺は頭を悩ますのだった。




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