ただの実況
その日も私は起きるのが遅かった。
日曜日だから仕方ない。
ほとんど昼の時間に起きて顔を洗い、歯を磨き、昨日のおかずをレンジで温める。
「レンジで温めたご飯ってどうしてこんなにまずいんだろ」
呟きに返す人はいない。
私はムッとするが、何も返ってはこない。
「……好きにしてよ」
ご飯を食べたあとはしばらくテーブルについたままスマホを弄る。
別に何か気になるものがあったわけでもない。
ただ目につくものを見ていただけだ。
「こうして日曜日が減っていく。本当に嫌になる」
私の呟きが本当に虚しく響く。
ちらりと様子を窺うが未だに何も変わらない。
意地の張り合いはまだ続いているのか。
「別にいいけど……」
一人、ゲームを始める。
だけど、私は下手だ。
だから何回も失敗する。
何回も、何回も、なんか……。
「いい加減にして!」
「いたっ!」
「そのモノローグごっこ? ってやつ。ぜんっぜん面白くない!」
「ごめんって……」
「つか、私の内心を勝手に語るな。合っているかも分かんないのに」
「間違ってた?」
「いや、概ね当たっていたけど……」
「よく観察しているだろ? 俺」
「はいはい、そうですね……」
わたしは呆れてため息をつくばかりだった。