表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千載一遇  作者: ヘリオス
5/6

しつけ

バイトでファミレスで

働いていた事を書きましたが


その店に来るお客様の中には

親のしつけが行き届いていないと

思われる方もいらしていました。


店名を出すのはマズいのですが

ドリンクバー目当てで


貧乏くさい大学生が

よく店に来ておりました。


そいつらのタチが悪い事、悪い事


少しの料理も頼むのですが

ホットコーヒーで

何時間も粘りやがります。


幹線道路沿いのソコの店は

常に満席状態だったので


『いらっしゃいませ○○へ、ようこそ』

『お客様、2名様ですね?』と


女の子が二人がけの席に

案内しようとしると


『いいから、いいから』と言って

勝手に4人がけのファミリー席に

2人で座ってしまうのです。


こちらも効率を考えたり

ホットコーヒーで粘る事を想定して

誘導しようとしてるのに


粘るからこそ、

4人がけのユッタリ感を求めるようで

毎回、勝手に着座をしておりました。


そして今日も勝手に座ったのです。


『ヘリオス君、アイツら来たよ』

案内役の女の子が私に報告してきます。


『やるか?』

『う…ん』


あらかじめ打ち合わせを

していた通りに


私が水とおしぼりを持って

2人組みの席に向かいます。


メニューを覗き込んでいる2人組みに

『ご注文が決まりましたら、

お呼びください?』


そう言って、3つのグラスと

3つのおしぼりを置いて下がったのです。


届いた水を飲もうとして、

グラスが3つ有る事に気付いた彼らは


『ゲラゲラ』と笑い

我々がいる厨房を

指差して何か言ってます。


おそらく、あのバイトってバカじゃん

そんなところでしょう?


そして、しばらく経ってから

注文の為に我々を呼びつけます。


そして、さっきの女の子が

注文を取りに行き


偉そうに注文をする彼らの

注文を素直に受けました。


全てを言い終わった彼らの前から

なかなか立ち去らない

ウェイトレスの彼女に

ふてくされた顔の大学生が

『な~に?』と聞きます。


すると困ったように彼女が

『さっきまで、そちらに座っていた』

『髪の毛の長い女性の方は

よろしいんですか?』と聞いたのです。


『なに言ってるの?俺ら2人だよ』と

笑いながら言う大学生に


『申し訳ありません』そう言って謝り

彼女が厨房に戻り、


中から大学生2人組みを観察すると

最初は笑っていましたが


テーブルにのっている

3つのグラスとおしぼりに、

やがて気づき


笑いが完全に消えた後に自分の横を

キョロキョロとし始めました。


それを中から見て、

ゲラゲラ笑っている私と彼女


その後、二度と

彼らが来る事はなかったです。


そんな難敵を片付けた私の前に

新たなる敵が現れました。


“クソガキ”です。


ファミレスの

レジ前のおもちゃコーナー


そこは奴らの絶好の

遊び場になっていたのです。


食べ終わった後に、子供を

野放しにしてるバカ親も親ですが


小学一年生位になってるのに

レジ前のおもちゃを

床に沢山並べるクソガキ


来店する客が迷惑そうに

歩いているのを見て店長が


『ヘリオス、何とかしてこい』と

私に指示を出します。


俺かよ~?


そう思いながら、

しぶしぶとレジ前に行き


楽しそうに遊んでいる男の子に

『もう片付けようか~?』と

優しく声をかけると


チラッと私を見て

『うるさい、バカ』と

言ってきたのです。


プチっと、軽くキレましたが我慢して


『買わない人は遊ばないで下さい』と

私がおもちゃを片付けようとしたら


『さわるな、ジジィ』と

おもちゃを奪い返したのでした。


その瞬間に、子供を力づくで立たせ


レジ横の親から死角に追い込み

『泣かすぞ、クソガキ』と

凄んだのです。


すると

『ママに言ってやる』と

まだ私にクチ答えを

してきやがったのです。


さすがの私も

『ママに言ったら、

ボコボコだからな?』と言うと

涙目になり


私と一緒におもちゃを

片付け始めました。


片付け終わった時くらいに

ちょうど親が来て

『○○君エラいわね~?』と

頭を撫でると、

クルッと母親の背中に入り込み

背中越しに私を睨みつけてきます。


ドアを出ていくまで

鬼の形相をしていた僕も

今や、大人なんでしょうね?


今でも、私を恨んでいるんでしょうか。


なんなら、今でも来て下さい。

また泣かして、あげますから。


※この物語はフィクションです。

実在する店舗とは関係ありません。

でも、クソがきは何処にでもいます。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ