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詩集:きみの話をきかせてよ

そんなんじゃつまんないよ

作者: 歌川 詩季

 こんなふうに。声をかけてくれるひとがいるのは、幸せなことなんでしょう。

「いいやつ」のハッシュタグをつけられて

 窮屈な(えり)のシャツに着替えたら

 首をかしげることもできなくなった

 ただもう うなずくばかり

 誰のための第1ボタンかわからなくなる

 

 他人からのコメントこそが

 その人の人物像を(えが)くんだなんて

 さみしい主張だね 正論みたいなくちぶりに


 そんなんじゃつまんないよ 声に出してこう

 歌い出しアカペラでも

 タンバリンを振ってリズムとるから

 そんなんじゃたまんないよ 自分出してこう

 枷をはずしたら

 別のサイトで叩かれてもいいでしょ

 ジャンル分けこだわらない 勇敢なフリースタイルで



「いいひと」のお墨つきが欲しくって

 清潔な白いシャツを選んでた

 プリントが派手なのも似合ってたから

 こんなの しっくりこない

 またふたりで古着屋さんをめぐりたいけど


 周囲からの評価がなくちゃ

 その人の輪郭までがあやふやだなんて

 ばかげた学説ね ほんの目の前にいるんだし


 そんなんじゃつまんないよ 内に攻めてこう

 判定はピリ辛でも

 ストライクゾーンで勝負してみて

 そんなんじゃたまんないよ 広く使ってこう

 枠をはずしたり

 ゴールポストに嫌われてもいいでしょ

 システムにとらわれない 奔放なプレイスタイルで

 いいから、ほっといてくれよ。ってときもあるかもしれませんがね(笑)

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