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少し早い君の生年月日  作者: ぱーぷるさんど
3/3

3話

 

 



2年生になって浮かれていたのも束の間、

クラスの雰囲気が出来上がって楽しくなってきた頃、

生徒の気を引き締めるように、春休み明けの学力テストが待っていた。



「今日さ、テスト前で部活もないし、図書館で勉強会はどう?」と昼休みに拓真が言い出した。

「いいよ。どのみち1人でも行こうとしてたし。芽生(めお)は?」

 スマホをいじりながら、純がこちらに問いかけてきたので、

「いいよ。家に姉さんがいるから、外の方が集中できるし。」

 

「じゃあさ、そのまま夜ご飯一緒に食おっ!!」拓真が嬉しそうに提案してきた。

「OK。」純が即答する。

「んー…わかった。(母さんに連絡しないと…)」

 そういいながら、すぐさま母に連絡した。



放課後ーー



駅前の図書館に着いた。



図書館内の受付で学習スペースの番号札をもらい、

札と同じ番号の席を利用するというのが、この図書館のシステムだ。


もらえる番号はランダムなので、友達同士で行っても席は確実にバラバラになるが、

そのおかげで学習スペースは静かで、集中するのには最適な空間になっている。


学習テーブルには集中できるよう、両隣と前方に低めの衝立(ついたて)があり、

全体的に目線が気にならない仕様なのも、ここを選ぶ理由の一つだ。



「6番!!」と拓真

「17番。」と純

「俺だけ遠いな。45番。」



各自、席の番号を伝えあった後すぐに、


「君たち、勉強もいいが…」

 と拓真が偉そうな口調で言い出し

「可愛い女の子を見つけたら、即座にLINEすること。」

 可愛いの部分を主張した言い方で、2人に伝えた。



この学習スペースは、とにかくいろんな人が利用する。


その中でも学生が8割を占めていて、さらに高校生が多い。

正直、勉強目的以外の気持ちをもっている人もいる。


「ちゃんと勉強しろよ。」そう言って

 純が先行して学習スペースに入っていく。


「…とか言って、実は純が一番楽しみにしてんのに。」

 にやにやしながら拓真が入っていった。


(かわいい子がいたところで、声かける度胸ないけど…。)

 そんなことを思いながら自分もはいった。



37番の席は一番窓側だった。



窓側の席は一番隅で居心地がよく、景色も最高なので、

"当たり席"と呼ばれている席だ。


初めて当たったので、嬉しくて声が出そうになったが、

静かに勉強している人しかいない空間で声を出す訳もなく、

平然とした顔でそーっと荷物を下ろし、勉強の準備をした。





勉強を始めて1時間半が経過した。


そろそろ休憩したい気持ちが出てきたので、

2人に連絡をしようと思い、携帯を見ると、

1時間前からLINEの通知が来ていた。


(通知すご笑 あいつら全然勉強してないな。笑)

などと思いながらLINEを見ると、



純   【 隣の席の子がレベル高すぎ。 】

拓真 【 こっからだと背中しか見えねぇ汗 東高校の制服の子?? 】

純   【 そう。教科書一緒だし、同じ年っぽい雰囲気 】

拓真 【 おっ??凸するか??笑 】

純   【 煽んな笑 でもまぁかなり可愛いし、彼氏いるだろ。 】

拓真 【 とりあえずでいいから、Twitterでも教えとけって!!! 】

純   【 あー。考えとく。 】

拓真 【 じゃあ、お前がいけたら、俺も気になってる子に動くわ。 】

純   【 可愛い子いたの?? 】

拓真 【 違う笑 好きな子。同じ学校。 】

純   【 え。誰? 】

拓真 【 知りたいなら、お前が頑張れ

     あ、芽生もやんないと教えない。 】

純   【 そのうちLINEみるだろ?芽生もファイト 】

拓真 【 まじめに勉強しすぎな芽生は 隣の子とLINE交換 が条件で笑 】

純   【 草。芽生まじで頼んだ。 】



と知らない間に驚くような会話が繰り広げられていた。



(え!!拓真、好きな子いんの!?誰だ!?

 てゆーか純は本当に隣の子に話かけるのか??

 待て待て、俺は条件付きだし、可愛くない子だったらどうすんだよ!!!)


混乱しながらあれこれ考えていると、

ずっと勉強道具のみを置いたまま離籍中だった隣の席の子が戻ってきた。



ジ――っと見たいが、変な奴だと思われたくはないので、

小さく伸びをするふりをして、ちらっと横目で見て確認した結果

更に頭を悩ませる結果となった。


隣の席の()というより、隣の席の()と言う方が正解だ。


なぜなら、そこに座ったのは大人の女性だったから。



ここからどんどん展開してきますよーっ☆*。

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