罰
部屋を抜けると薄暗いトンネルのような通路が長く続いた。
この建物ってこんなに大きかったか?
疑念を抱きながらもしばらく歩くと、前方から光が差し込んでいるのが見える。
『ここは。』
トンネルを抜けるとそこは大きな筒状の空間で、空から眩いばかりの光がライを照らした。
そういえば体がいつの間にか軽い。ここに辿り着くまでに、疲労困憊状態だった体は回復したようだ。
『ん?』
部屋を照らす光の中で、僅かなひずみがライの瞳に影を落とした。
手で日除けを作り、指の間から上を見上げると何やら人が浮かんでいる。
『合格おめでとうございます。良くぞガイダーの試練を突破しましたね。』
光と同化しているような長い金髪と純白のワンピースを身にまとい、天使がいるならまさにこの人だろうと思わせるその女性は賛美の言葉と共に目の前に降り立った。
『あなたで2人目だね!』
突然柔らかくなった口調と共に目の前にいた天使の髪は黒へと変化した。
パッ
そしてそれと同時に部屋に降り注いでいた強い光がおさまった。おそらく目の前にいる女性の能力なのだろう。
『ありがとうございます。あなたは?』
『私はゾフィー!合格者説明を行うのが私の仕事よ!さっきまでみたいにずっと浮いてられたらいいんだけど、あれって疲れるのよね。』
浮いてる意味も、別にないと思うのだが。金髪状態の時、光を発して浮くことが出来るみたいな能力なんだろうか。まぁそんなに単純なものでもないとは思うが。
『2人目と言いましたけど?』
辺りを見渡し首を傾げてみせると、ゾフィーは部屋の奥のスペースを指さした。
キラッ
何も無いように見えたその空間から電球の光を反射し何かが光った。
何かあるのか?と目を凝らすと、
『ふぁあぁぁあ。』
大きなあくびとともに空間が崩さり、見慣れた大男が姿を現した。
岩石系の能力者にして竜位:双竜の兄、ボダラ=ポール。
寝ていないのか、その後も続けてあくびをかいている。
『んー?あ、お前も受かったのか?やるじゃんか。』
『あ、ありがとうございます』
『お前は、、、セルネと組んでたやつだっけか』
学園では悪目立ちしたせいか、知名度も低くない上に学年2位としての認知もないのか。
この人が覚えているのは'セルネ'だけ。
今更誰がどう思おうが、気にすることは無いと思っていたが、この時ばかりは悔しさを握り砕いた。
『はい。そうです。』
これまでの情報からここにいるものは必然、ガイダーの面接を突破したことになる。ならば目の前にいる彼もあの重圧を乗りきったということだ。しかしあの'死線'を乗り越えてなお、平然と寝られるメンタルを有しているこの男に、自分が認知されていないことが悔しかった。
こんな些細なことを気にする自分にも腹が立つ。
しかし、ここで表に出してはダメだ。おれはここからなんだ。
『2人とも!まだ面接を突破する子が来るかもしれないから、それまでは待っていてね!』
『うす。』 『はい。』
、、、
結局、後には誰も入ってこなかった。
やはりあの面接を突破するのは容易ではなかったようだ。
『じゃあ、全ての面接が終わったようだし、2人には先に合格者説明を行うわね!と、その前に。』
2人に向けていた視線をライに移すと、ゾフィーは急に下を向きライの胸ぐらを掴んで静かに叫んだ。
『あなたはルールを冒した。』
『え、る、ルールって何の話ですか?』
戸惑うライは当然自覚などなく、女は腕を下ろすと今度はにこやかに答えた。
『1ヶ月、武器の所持兼使用禁止!』
『あ、、、』
ライが事前にバステとの契約を交わしていたことは、いとも容易く看破されたのだった。
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