表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Tomorrow Hunt (Re:make)  作者: hiro
13/14

急展開

『!!』


レイジが見つめるその先には、恐らく今の一瞬でガーゴイルを全て倒したであろう人物が立っていた。


レイジがガーゴイルに放つはずだった右手の光の力は1度は行き場をなくしたが、しかし次の標的を定めて構えは下ろさない。


『あの数の魔物を一瞬で倒すとは、C級以上の使い手とお見受けします。こちらに戦闘の意思はありませんのでどうか殺気を収めてください。』


慎重に相手の力量を測り刺激しないように言葉を紡ぐレイジに対して、薄い金髪の男は背を向けたまま余裕を隠さない。


『そういう君だってその右手を僕にどうするつもりだい?、、、はは、冗談さ、気を悪くしないでくれ。僕は・・・・・・・・・・・



・・・・・・


『いつまで寝ているんだい君は』


『あれ、俺はなんでここにいるんだ』


『早く戻って仲間を助けてあげるんだ。』


『仲間?レイジさんがいるから大丈夫だとは思うけど、そうだよな。』


『君はもっと強くなるんだ。』


・・・・・・



久しぶりに見た夢だ。なにか以前より「灰の男」がフレンドリーな感じもするが。


『ライ!?起きたんだねん!早くここから逃げるんだよん!』


『以前もこんなことがあったような、それにしても何をそんなに焦っているんだ?』


『レイジさんが、レイジさんが重症なんだよん!』


全長5Mの巨大鷲になったモコモの背中には傷だらけで身を焦がしたレイジが意識をなくして倒れている。


『レイジさん!?まさか、、何があったんだ』


『周りを見てん。ガーゴイルが全て倒されてるん。』


倒れた魔物や周りの木々は焦げたように焼かれており、不幸中の幸いか周りの木々に火が移る大惨事にはなっていなかった。


『これは、、、雷でも落ちたのか。レイジさんの能力(光)ではないよな、ん?なぜこの2箇所だけ草が綺麗に残っているんだ?』


『ライ!早くレイジさんを病院に連れてかないとん!』


『そうだな、すぐ向かおう』


ライはモコモに跨り、振り落とされないようレイジを抑えながら1度病院へと帰還した。



イシュジュ王国には入口が3箇所あり、ライ一行は拠点でもあり唯一審査が必要のない裏町入口から入国を果たした。


すると入口正面には見覚えのある黒いローブが待ち構えている。


『ひひっ。貴方様方を待っておりました。約束の品はお持ち頂けたので?』


『あぁ、、いやすまない。すっかり忘れていた。討伐はした(厳密に言えば俺達じゃないが)んだが証拠品はないんだ。今回の話はなかったことにしてくれ。俺たちは先を急ぐんだ。この金貨も返す、じゃあな』


『貴方様は嘘をついているようには思えませんので構いませんよ。ただネックレスがないとなると少々困りました。しかし討伐していただけたのであれば金貨は半額の25枚支払わせていただきます。』


『そんなに貰っていいのか?』


『貴方様方は裏の者、日の下で活動するのもいささか危険でしょう。私どもはそんな貴方様のようなハンターに対して仕事を持ちかける商売を営んでおります。』


ども?ということは他にも存在しているのか


早くして、というモコモの目配せをもう少しだからと制し話を続ける。


『こんな依頼で儲かるのか?』


『私どもの依頼はハンターに送る報酬など気にならないほどの真意があるのです。今回の私は大赤字ですけどね。なので今後も私、アッカルドムスをごひいきください。私は貴方様方を信じておりますので。』


『ライ、もう時間が無いよん!』


『あぁ、分かってる。


俺はライだ。これからもよろしく頼む、アッカルドムスさん。』


『はい』


最後まで正体は不明だったが、ノイズのかかった声質からおそらく彼女は最後にうっすら口角を上げて2人の視界から姿を消していった。


変身を解いたモコモはレイジを背負ってはやくはやく!とライを急かしている。


『待つんだモコモ。』


『もうこれ以上はん!』


『アッカルドムスさんは俺達が裏の者と言っていた。1度こちらの世界に足を踏み入れて表側である病院に行くのは危険なんじゃないか?もしかしたらこれまでの計画が全てパーになる可能性だってある。』


『じゃあどうやって治すのさん!?』


『フォーランドと契約している組織は形式上薬屋を謳っている。かなり高額だがレイジさんを治してくれる薬だって取り扱っているはずだろう。』


『でもそんなお金ん、、あ、、。』


『そうだ、俺たちにはちょうど金がある。この傷を治す薬は表でも高額だからここだと金貨15枚くらいは必要になるだろう。しかしオリフィア達のことも考えるとここで引く訳には行かないしな。』


『そうだねん。じゃあ早速適当な人に化けてフードとかで変装して買いに行けばいいよねん。』


『頼んでもいいか?俺はレイジさんを連れて先に宿に戻っているよ。』


モコモに念の為金貨を20枚渡して2人はそれぞれ歩き出した。


『レイジさんには悪いけど、これも仕方ないことだ。』


『うーん、ルーさん、、、』


レイジさんがこんなふうに魘されている様子を見るのは新鮮で、天才も完璧では無いのだろうかと少し安心を覚えた。


それにしても前回と今日でレイジさんは災難続きだな。今回は完璧に俺たちのせいだが、、。


モコモは騙されたなんて言ってはいたがアッカルドムスに対して怒る気分にもなれなかったのか黙っていた。


それに彼女が本当に俺たちをはめていたようにも感じられなかったからな。モコモは野生の鼻が聞く分俺より冷静になれるから本当に彼女が危険な存在であった場合は手を出していた可能性もある。


報酬も半額ではあるが貰えたし、彼女のことは一旦いいだろう。


『問題は』


レイジの息は荒くなり、薬無しでの延命は難しいことを流れる血の量が示している。


2人が気を失っている間に何が起こったのかを聞き出すためにも残りの金貨を強く握りしめ、ライは真っ直ぐに宿に帰還したのだった。


まだライ一行の戦闘シーンがほとんど無いですが、これからなので楽しみにしていただけると助かります。


ブクマ、感想、評価よろしくお願い致します

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ