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Tomorrow Hunt (Re:make)  作者: hiro
12/14

包囲網

更新遅れてしまい申し訳ありません。少しリアルが忙しくなってきたのでまた更新安定しない日が続いてしまうかもしれませんが、完結は絶対にさせるのでそこは安心して呼んでいただければなと思います。

『モコモ!次は右だ!』


鋭い石槍があらゆる方向からモコモとライに襲いかかる。


『どんどん当たりそうになってきてるよん、やばいよん!』


『こんなにレベルが高いなんて聞いてないぞ!』


『まさか僕達騙されたのん?!』



小遣い稼ぎのために運良く個人依頼を受けたライ達はマルクF地区に向かう途中で思わぬ攻撃を受けていた。


マルクのレベルが上がっていたのは知っていたが、ここまでとは聞いていない。それに依頼主から前払金として10枚で民家1件に相当する金貨を2枚貰っていたために断れなかった。なぜなら、、


、、貧乏だったからである。


『マルクゴブリンを10体討伐していただければ、残りの金貨48枚も差し上げます。』


裏路地を歩いている途中で出くわした怪しげなローブの男だか女だか、子供だか年寄りかも分からない小柄な者は金品をジャラジャラと身につけていた。


マルクの岩石地帯で爆発により発生する天然の石槍を投げるゴブリン、通称マルクゴブリンはFクラスのライ達でも10体なら上手くやれば倒せるレベルだ。


レベルの低いハンターが受けるレベルの低い依頼に金貨50枚はどう考えても多すぎる。


しかし、これまでのように何度もギルドに忍び込んで依頼書を盗み続けるのは無理がある。


1日数百件もの依頼書が貼り付けられているとはいえ、盗み続けていてはいづれ騒ぎになってしまうだろう。


それに裏ギルド討伐依頼書の存在は公でないため騒がれていないが、密かに犯人探しがされているとマキア先生も言っていた。


このタイミングでの高額かつ達成な可能な個人依頼は願ってもない。


疑りながらも、渋々と承諾したように心は高まっていた。


金貨50枚もあれば裏ギルドに所属しているハンターのはけ口だってどうにか用意できるだろう。




『今のところ順調すぎて怖いな。』


『いい事だよん!』


なんて言ってたのもつかの間、マルクF地区に向かう途中の森でマルクゴブリンからの強襲を受けた。


『まずなんでこのビーギーフォレストにマルクゴブリンがいるんだよ。』


本来、マルクゴブリンはマルクの岩石地帯にしか生息せず森での目撃情報は知る限りない。


音のフィールドを展開することによって数えた相手の数は


『50匹以上いるぞ!』


『1度引き返そうん!』


『そうしたいところだが、、、』


マルクゴブリンは統率が取れているようにライ達を囲み、逃げ道を塞ぐ動きをしている。


『なんでこんなに統率が取れているんだ。』


知能が低いはずのマルゴブは、珍しく集団で狩りをする魔物ではあるが多くて5匹で行うものだと学園では教わっていた。


それ以上は仲間割れを起こすからだと。


なのに目の前、正確には視認出来ていないがライの音フィールドと巨大犬モコモの嗅覚によって確認できる敵の数はさらに増え続けてそろそろ100体に到達しようとしている。


『モコモ、飛べるか?』


『今巨大犬に変身したばかりだからクールタイムがもう少し必要だよん。』


『クールタイムなんてあったか、すっかり忘れていたすまない。』


『ううん。大丈夫だよん、、、、大丈夫じゃないけどん、、、。』


石槍は容赦なく2人を襲いモコモの速度でもこれ以上は避けきれない数になってきている。


こうなったら、、


ドラムクラッシュ。


『!!!!!!!』


マッキンを一時的に気絶させた、大声を相手の鼓膜に届けて気絶させる技により10匹位を倒すことには成功した。


『これで依頼は達成なのに、、』


一度に大声を届けられる相手の数はこの程度が限界だ。


声を分散させすぎても鼓膜を破く程度の音量にならないし、鼓膜に届けた音を次から次の魔物へと移動させてもそのうち小さな音量になってしまうからである。


『変身先間違えたよん、、』


『いや、大丈夫だ、、』


大丈夫とは言ったがどうすれば、、


『おーい!』


『ん?モコモ何か言ったか?』


『おーーい!!!』


『誰の声ん!?』


すると日光を反射した爽やかな金色が土煙を起こして空から降り立った。


『!!』


その男は金髪に光を浴びて辺りに撒き散らすように派手で、しかし安心感のあるそんな憧れのハンターだった。


『レイジさん!!』


『なんでこんな所にいるんだい?』


そんな余裕は、、と当たりを見回すといつの間にかマルクゴブリンが全て倒れている。



『、、、、はっ、僕達はプライベートの依頼を受けまして、、


『君たちは装いからすると今年の卒業生だろう?先日の事件を知らないはずのない君たちが、なぜここにいるんだいと聞いているのさ。』


Fランクを示す薄緑のバッジの横にある1年目の初心者マークを見てレイジが素直な疑問を投げた。


『先日の事件、、、?』


俺たちの、セルネのことを知っているのか?しかし、それとマルクF地区になんの関係が、、と考え込むライ達を見てレイジが驚いたように声を上げた。


『まさか知らないのか!?あの場にいた君たちがかい?』


一拍おいて目を合わせるライとモコモをみてレイジは呆れ笑いをしている。


『僕はあの日、マルクF地区に遠征に行っていてね。その討伐に失敗して卒業式の会場まで魔物に飛ばされたんだ。』


『あ、』


あの時、空から落ちてきたのはレイジさんだったのか、と、ライとモコモはようやく忘れていた謎を知ることができた。


『もしかして忘れていたのかい?おかしいね。』


と笑みを浮かべると深刻な顔つきで周囲を見回した。


『僕と共にマルクに赴いた他のハンターたちは皆やられてしまったよ。だからマルクにはCランク以上のハンターしか現在立ち入れないんだ。ここもマルクの入口のようなものだからね。』


『あの屈強なベテランハンター達が??!』


はっ、ハンター試験の朝なり続けていた鐘の音はあのハンター達を弔うものだったのか、、。


『なぜ君たちがここにいるかはとりあえず分かった。依頼達成条件は?』


『マルゴブが身につけている石のネックレスを10個です。』


『それを持って君たちと共に帰りたいところだが、、』


ゴルルルルル


いつの間に低い唸り声を上げ、三本角と低空飛行が特徴的なガーゴイルが目を尖らせてゴブリンの肉に群がっている。


それも丁寧にライ達の逃げ道を塞いで。


お次はお前たちだ、とでも言うように肉に群がるガーゴイルの背後からライ達をじっと見つめる大きなガーゴイルの姿が4体みえている。普通のガーゴイルがマルゴブの2倍なのを考えると、その倍あるガーゴイルはとにかくやばそうだ。


『これはまずい、、』


ガーゴイルはDランクの魔物で、いくらCまじかのレイジでも多勢に無勢、、それにあの巨大ガーゴイルも、、なんて考えていると



ピカッ


突如視界を包んだ白光により、ライとモコモは気を失ったのだった。





今まで知らなかったんかい!って感じですよね。

それと、個人的にですが卒業式当日に誰もが2人の一時的な失踪に気付かなかったのはフィクションじゃなくても成立すると思ってます。


人間焦ったら何も見えなくなってしまいますからね(作者の話です汗)


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