冬5 〜シロップ剤も後味苦い
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ついにスヌー兄とヴァイスが帰ってくると、一緒に行ったモウキンさんが手紙を届けてくれた。私が症状と状況を書いた封書を、ヴァイスが産婆で薬師のお婆さんに見せたところ、薬草の使い方や諸々の対応の仕方などを手紙の裏に書いてくれたそうだ。なんて気配り。
気を使ったのか、マーサに追い出されたのか、メリーは王都へ行った。薬草はマーサが責任を持って誰にも触らせず煮出してくれるそうだ。煮出す……飲めるかな?
何も手につかない。一緒にいる時は、ジェイドが背中から抱きしめてくれている。ジェイドの呼吸に合わせると、息が整う。一人の時は、フルートを吹く。歌はちょっとお休みだ。今の気持ちを表すような歌詞の歌が思い付かない。
飲んでも一回でパッと効くものでもないし、一日三回飲んで、効いてきたら恐らく生理みたいに出血するだろう。そうしたら煮出す程濃くせず、ハーブティー位の濃度で出血がなくなるまで飲むらしい。昔から今まで、まともな周期でちゃんと生理がきたことがない。ちょっとダルくなる程度で、薬が必要な生理痛も未経験だ。とても不安。
今の内に私がベッドで寝込む間のことを頼む。ウインド達には森の動物の見回りを。シュバルツに同行してもらう。ピュアな奴らとつるめば人見知りも治るよきっと。お目付け役のホムルも無口な大人でいい人だし。ノータには私の代わりに好きなだけ神殿でピアノを弾いてきて貰う。行き帰りはカイトと一緒に。
今の内にポラリスとシリウスに挨拶に行く。ヴァイスとモウキンさんの世話を、ポールに頼む。モウキンさんは基本、野生だけどね。K&Bはジェイドと一緒だから安心だし、後はライスさん。そのうち届く隣国の米。カサ増し雑炊を伝習する。私の分は薄いお粥にして欲しい。ヤギ乳はいらないと念を押す。
K&Bが話したそうにこちらを見ている。仕方ない。久しぶりにやぎの歌を歌う。H&Kにも鬼の歌を歌っておく。とするとあとは、W&Sの曲……CMの曲、ヴァイオリンで弾く?じゃなかったら空の歌か。青はともかく紫はムズいな。青い空、高い空、大空……。良い曲思い出した!
とりあえず頼むことは済んだかな。あ、収入問題も考えなきゃ。冬ごもりといえば内職?楽譜を楽団員に写しまくってもらい売るか。あと売るほどあるのは雪と、木と、茨。あれ実が成ってたということは花は?もしいい匂いなら乾燥させてポプリ、臭いなら虫よけにならないかどうか調べる・・・のを子供達の宿題にしよう。
何も手にはつかないと言いつつ、人に頼みまくったな。まだ寝込んでる訳でもないのにね、って夕飯の時に言ったら、それが領主夫人の本来の姿だと言われてしまった。じゃあ私の通常営業ということで、みんな心配いらないね。
あ、いじけてる人が二人。ムジカさんはメリーがいない分、館内をちゃんと見ててよ。スヌーにはね……作曲を宿題にする!この前甥っ子君との会話聞いてたんでしょ?だから、失った愛の曲を作ってね。温かくて綺麗な曲でよろしく。
 




