3週目 〜レインボーの初出動
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三日経ってもジェイドは戻らなかった。
四日目、ついに飽きて庭に出た。鳥3ズとピクニックスペースで歌いまくる。敷地の真ん中だから声も外には届かないでしょう。どうも私のチートは歌ウマではなく、想いを表現する力的なものらしい。歌でも絵でも魔法でも。多分演奏でも。楽器の運指を忘れていても吹けるかも。ピアノは音楽の授業程度しか弾けないけど、曲さえ覚えていればいけるかもしれない。何それ最高なんですけど!元ブラスバンド部員としてはたまらん!後で館のピアノを弾かせてもらおう。元々弾けることにすればチートはバレないでしょう。
五日目、ピアノはあんまり弾けなかった。鳥ママによるとできると思う気持ちが大事らしい。だからきっと管楽器はいけると思う。魔法もできると思っちゃったら無から有が生み出せてしまう。幸い、無理矢理やらされたとしても想いは込もらないのでできないだろう。ただし、一度でもこの世界でできたことは無理矢理でもできてしまうかもしれない。試さないことが一番だ。国にどれほど悪用されるのかと考えると本当に恐ろしい。
六日目。今日もジェイドは戻らない。明日で一週間になる。騎士の誰かに迎えに行って欲しかったけど、私の護衛は一人も欠けてはいけないと言い付けられているらしい。大袈裟な気もする。王都では夜会とかもあるんだろうか。ジェイドはカッコイイからな。結婚して女も大丈夫とバレたら、ご令嬢方に迫られるんじゃないだろうか。ここに来てヒロイン登場で私退場とか切なすぎる……
気分転換にシリウスと塀沿いを散歩。騎士四人も付いて来る。何か申し訳ない。ちゃんと東西南北フォーメーションになってるし。少しは意識してくれてるのかな。ジェイドも入れたら五人。ゴレン……んん。思いついた!「守護獣戦隊レインボー!」……やばっ、声に出しちゃった。クウキヨメマセン。色はまああれだけど、レインボーだけにあと二人欲しいな。孤児院の赤青は色かぶり過ぎだし。橙とか緑とか紫とか募集しよう。あー赤青の名前も考えなきゃ。
そろそろピクニックスペースを通って帰ろうかというころに、カイトが走り出した。え?!何?誰か来た??騎士の三人に囲まれて急いで戻るけど、一人欠け二人欠け、森と庭の境目辺りまで来て、ブランシュに一人で馬場まで戻るように言われた。怖い!!何が起きてるの??みんなは大丈夫なのかな?シリウスと森を抜けたところで馬場にポールが見えた。シリウスから下ろしてもらって振り返っても何かが追って来るわけではない。何だったんだろう。
ポールと馬房まで歩いている時にそれは来た。え?!忍者??やっぱりこの国には同郷人が……とか考えてる場合じゃない!!絶対に私が狙いだから、シリウスを連れて逃げるよう囁く。渋られたけど私にはジェイドのお守りもあるし、とにかく人を呼んで来るように頼んだ。誰も来ないだろうけどポール達を逃がさなきゃ!
でもそれは失敗だった。助けを呼ばせない為か、離れたポールに手裏剣的な何かを投げやがった。もうやだどうしようっ!!
「ポールっ!!」
背中に手裏剣が刺さったまま血を流して倒れたポールに声を掛けても答える訳もなく、忍者に捕まえられる。
「やだ!離して!!ポールっ!!ポールーっ!!!」
泣きわめいたら口を塞がれ、意識が薄れていく。どうして!ポール……殺すなら私を殺せばいいのに。




