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2週目 〜ゴージャス夫妻来訪

 結婚式の後、三日間寝室から出られなかった。この国ではそんなものだとジェイドはいうけど、食事を運んで来るマーサの様子を見れば、絶対に嘘だ。もう元の現実世界に戻される恐れもなくなったし、ずっとベタベタしてなくても平気なんだけどね。でも晴れて憂いなく幸せになれるんだからまあいいか。この間にメリーが書面の手続きをしてくれているらしいけど、各方面がどう出るか……



 四日目から午前、私がぐったりしている間にジェイドは執務をして、午後は広大な庭をポラリスとシリウスに乗って散歩した。敷地内の塀沿いも、少し木を伐採することになったのでそのついでだ。庭にはずーっと見向きもしてなかったらしい。ポール、不憫だ。中央辺りにピクニックスペースを作るべく、そこも伐採する。鬱蒼としすぎて地面に日が当たってなかったので、住んでる動物のためにもなるそうだ。


 というのも、ある日の散歩中に二羽のキジバト?みたいなのが飛んできて、「敷地内の庭くらいもっと整備しろ」と言ってきたからだ。キジバトにしてはゴージャスな感じだし、動物とYESNO以外の意思疎通できなかったはずなのに……と思ったら、養父母様でした。


 相変わらず私以外には声はさえずりにしか聞こえないみたいだけど、鳥の姿の時は目の前にいるから、お祈りしなくても普通にしゃべれるらしい。「求愛行動?歌がとても好きだなんてまるで……」って思ったから鳥になったのかと思いきや、真なる姿も当たらずとも遠からずらしい。深くは聞かないでおこう。鳥に「太陽神様、月の女神様」と呼ぶのはアレなので、鳥パパ鳥ママと呼ぶ。いつもの青い鳥さんもいたので、もしや子供なのかと聞いたところ、「僕らの子供ではない」とのこと。



 動物が住んでる木を間違えて切らないように、伐採していい木の葉っぱを先に鳥パパが落としてくれた。切った木は木こり達に引き取ってもらい、大工や家具職人達に分配される。この領地、木ぐらいしか売れるものがないんだよね。私も自分も含め、勝手に食い扶持を増やしてしまったので、ちょっと考えなくてはいけない。


 そうして庭の整備に一段落付いた頃、王からの伝言を持ってメリーが戻ってきた。曰く、結婚は認めるが一度顔を見せるように、だそうだ。きな臭い。私がこの世界に来て14日目、ジェイドがメリーと王都に行く。


 私を残して行くことが心配なようで、お守りに緑のネックレスをくれた。お母上の形見で、護りの力が込められているそうだ。もし私が自分で結界を張るようなことがあったら、ネックレスの力だと思わせるように言われた。私の魔法は秘密だしね、了解です。絶対に敷地から出ないように、できれば庭にも出ないで欲しい、すぐに帰るからと沢山言い置いた。前日は入念な夜を過ごし、翌朝ベッドの中から見送ることとなった。





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