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《 ブランシュとクロールの対話 》



ブ「昨日はすごかったね。」


ク「あぁ確かに、あの祝福の光はすごかったですね。」


ブ「いやキスが。」


ク「確かに。長すぎてマイミィ様は最後ちょっと息苦しそうにしていましたね。」


ブ「あの子本当に何なんだろうね。ジェイド様をあんなにしちゃってさ。」


ク「確かに。あの頑なに人を寄せつけず心を開かなかったあの方が、もう目も当てられない有様ですね。」


ブ「いつも無表情でお人形みたいにじっとしてるのに、急にニッコリ笑ったりウインクしたり。」


ク「確かに。ガラス玉のような目でジッと見詰められたと思ったら、花を摘んだり鳥と歌い出したり。」


ブ「本当に森の妖精なのかな。」


ク「確かカイトは泉の妖精だと言っていました。俺も泳げるか聞かれましたね。」


ブ「急に木を切れとか距離を計れとか柱を立てろとか。」


ク「確かにあの精緻な絵には驚かされました。領民が迷わなくなるといいですね。」


ブ「沢山しゃべったと思ったら何か偉そうに指示してるし。」


ク「……俺の黒髪が忌避されないよう、民の認識を変えるべく考えて下さったそうです。」


ブ「何で黒の亀が一番偉いのさ?」


ク「確かに一番貫禄と威厳のある絵でした。」




ク「最近食事が豪勢になりましたね。」


ブ「小さい時みたいにジェイド様と一緒だもんね。」


ク「最近ジェイド様は目を見て話して下さるようになりました。」


ブ「ずっとみんなのこと避けてたよね、特に父上のこと。」


ク「最近泉への散歩に行かれなくなりました。」


ブ「あれ心配だからやめて欲しかったんだよね。」


ク「最近睡眠時間をきちんと取ってくださるようになりました。」


ブ「……寝てはいるだろうけど、睡眠を取ってるかは謎だよね。」


ク「最近作り笑顔をされていません。」


ブ「あれ作り笑顔だったの?」


ク「最近のジェイド様はとても幸せそうです。」


ブ「確かにね……」




ブ「それでクロールはどっちに付くの?」


ク「父上には悪いですが、俺がお仕えしているのはジェイド様です。」


ブ「じゃあ僕はマイミィ様に付~こう!」


ク「マイミィ様もジェイド様も同じ側ですよね。」


ブ「クロールは家令だからジェイド様と行動するでしょ?僕はマイミィ様の従者になろうかな。」


ク「護衛はどうするのですか。」


ブ「護衛もするけどさ、今度赤青の見習いが増えるんでしょ?」


ク「……マイミィ様は斬新な発想で領地経営を進めてくださいます。この度も主産業たる木工品に新たなものをご提案くださいました。それらを思い付かれる側で記録し実現可能な道筋を立てていくには家令たる俺がお側に仕えるのが筋というものです。」


ブ「……」


ク「あの歌を側で聞いていたいですし。」


ブ「ずるいよ。」





ブ「それにしても全然寝室から出てこないね、あの二人。」


ク「確かに。」





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