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第23話 愛の無いツッコミはただの暴力ニャ

 再びセラがツッコミ側に回っていた頃、パティの闇のオーラがトラウを圧倒していた。


(僕の固有能力は相手に悪夢を見せて精神を破壊する技。その僕を恐怖に落とし入れるなんて……)


「よくもあんなふざけた真似をしてくれたわね〜」


「クッ! 嘘揄謀(きょとうぼう)!」


 無駄とは分かっていても、パティの殺気に恐怖したトラウが再び固有能力を発動させる。


(た、多分効かないだろうけど、時間稼ぎにはなる筈。どうしよ? この間に逃げようかなぁ?)


 嘘揄謀をかけられたパティが、再びユーキの幻を見ていた。


「パティ。今度の休みはどこ行こっか?」


「ユーキ⁉︎ そ、そうね……確かあのアニメの劇場版が始まるから、一緒に観に行きたいわ!」


 幻と分かっていても、つい反応してしまうパティ。


「そだね。じゃあふたりだけで行こっか」


「え、ええ! 行きましょう!」


「あ、でもな〜。パティと暗闇でってのは危険な気がするな〜」


「え⁉︎ だ、大丈夫よ! 映画を見てる間は何もしないわ! 予告とかやってる間にちょっとゴソゴソするかもしれないけど」


「ウワッ。何だか身の危険を感じるから、やっぱ他の人と

行こっと」


「えっ⁉︎ ま、待ってユーキ! て、手を繋ぐだけで我慢するから〜!」


 幻が相手でも欲望だだ漏れのパティであった。


「ど、どうだい? 少しは効いたかい?」


「グウッ。あんたはまたああ〜」


 再びドス黒いオーラを放ちながらトラウにゆっくり近づくパティ。


「クッ! やはり効かないのか⁉︎ だけど!」


 尚も嘘揄謀を発動させるトラウ。


「ねえパティ。僕の事好き?」


「も、勿論よユーキ! この世の誰よりもあなたを愛しているわ!」


「そう……じゃあ、僕の為に死んでくれる?」


「ユーキが望むなら、喜んでこの命を差し出すわ!」


「え⁉︎ いやいや! 喜んで差し出しちゃダメでしょ?」


「それだけあたしの想いは本気って事よ!」


「いや、だとしても死んじゃったら何にもならないでしょ?」


 パティの熱い想いに、逆にたじろぐ幻のユーキ。


「たとえこの命が尽きようとも、ユーキの心の中にあたしがずっと残れば本望だわ!」


「うそ〜ん!」


 パティの気迫に幻が消え去った。


「な、何なんだあんたは⁉︎ 何で効かないんだよ? 普通愛する人に酷い事言われたら、心が傷付くもんだろー⁉︎」


「何言ってんのよ……あたしとユーキにとって、これぐらいの事は日重茶飯事なのよ!」


「いや、あんたらスゲーな!」


「いや僕、そこまで酷い事言わないからねっ‼︎」


「どうした、ユーキ?」


「あれ? 僕何言ってんだろ?」


 何かを感じ取ったユーキが無意識にツッコミを入れていた。


 ユーキの時空を超えたツッコミが炸裂していた頃、フィーに叩かれた事を怒っている猫師匠。


「何でいきなりあたしの頭を叩いたニャー! 納得のいく理由を延べるニャー!」


「だから、単にムカついただけです」


「いや、それが本当なら大問題ニャー!」


「うるさいですね〜。じゃあシャル様が戦えば分かりますよ」


「ニャンだと⁉︎ つまりは、あいつの能力が関係してるって事ニャ⁉︎」


「おバカなシャル様でも理解出来たんですね? 褒めてあげます」


「フィー! 誰がおバカニャ!」


「いいえ、お墓を作らないとって言ったんです」


「お墓? 家のお墓無いのかニャ?」


「シャル様の」


「あたしのかニャッ⁉︎」


「フッフッフッ。本当に仲がよろしいですね?」


「よくないです!」

「よくないニャ!」


 ふたり揃ってツッコむ猫師匠とフィー。


「仕方ないニャア。めんどくさいけど、あたしが行ってチャッチャと片付けて来るニャ」


「頑張ってください。行って瞬殺されて来てください」


「誰が瞬殺されるニャ⁉︎」


「いえ、瞬間接着剤が欲しいって言ったんです」


「瞬間接着剤? 何か直すのかニャ?」


「シャル様の口を塞ぐ為に」


「人体に使っちゃダメニャア!」


 フィーとひと通りジャレ終わった所で、ようやく戦闘態勢になる猫師匠。

 猫師匠が胸のペンダントを引くと、着ぐるみのような巨大な猫型の手甲が両腕に装着される。


「行くニャ!」


 目にも止まらぬ速さであっという間にクロノスの間合いに入り、巨大な爪が出た右手の手甲を振り下ろす。


「うニャア!」


 しかし先程のフィーと同じように、爪はクロノスの手前の地面に突き刺さった。


「ニャッ⁉︎」


「おやおや、どうしました? 私を瞬殺するんではなかったんですか?」


「今やるニャッ!」


 左手の手甲を下から上へ振り上げるが、クロノスにはかすりもせずに空を切る。


「あおいでくれてるんですか? ちょっと暑かったのでありがとうございます」


「ニャにおぅ!」


 明らかに異常な状況に、猫師匠もまたフィーの元まで戻って来た。


「どうです? 分かりましたか?」


「ウニャ〜……ニャッ!」


 先程のフィーと同じように、距離感を確かめる為にフィーの頭を叩こうとする猫師匠。

 しかしサッとガードして逆に猫師匠の頭を叩くフィー。


「あ痛あ〜! フィー! 何でまたあたしの頭を叩くニャー⁉︎」


「何か悪意を感じたもので」


「あ、悪意なんて無いニャ。ちょっと確認したかっただけニャ」


「あとシャル様にムカついたので」


「完全なる悪意ニャアッ!」


 


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[一言] 幻影もドン引き!
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