第4話 さりげなく宣伝してみた
ブレンが、足にじゃれつく子猫を愛でている頃、ガラバと対峙しているレノ。
魔装具である三又の槍を構えて、ガラバに突進して行くレノ。
「なんのー‼︎」
何とガラバはその槍を何の防具も着けていない額で受け止める。
「何ぃ⁉︎ かわすでも無く、防御するでも無く、ただの額で受け止めただと⁉︎」
「フッフー! 俺様の石頭に驚いているようだなぁ!」
「お前もドMの変態か⁉︎」
「違うわー‼︎」
警戒して、一旦距離を取るレノ。
(いくら魔族とはいえ、最高ランクの俺の槍を生身の頭で受け止めるなど有り得ない……しかし、強化魔法を使ったような素振りも無かった。もしや、これがマナの言っていた固有能力というやつか?)
マナとはユーキの事である。(ひめてん参照)
動こうとしないレノを煽るガラバ。
「どうしたー⁉︎ さっきの一発でもう終わりかー? もっと俺様と熱いバトルをしようぜー!」
「暑苦しい奴だな? ウチにも似たようなのが居るが」
「ほう? 良いじゃねぇか! なら、お前をさっさと倒してそいつと戦いに行くとするか!」
「さっさと倒す? フッ、冗談だろ」
「何い?」
「デカい口は俺を倒してからにしろ!」
再び槍を構えてガラバに向かって行くレノ。
「望み通りにしてやるぜ! さあ来い!」
今度は突きでは無く、思いっきり振りかぶって横に薙ぎ払うレノ。
「ハアッ‼︎」
「どっせい‼︎」
だがまたしても、レノの槍はガラバの頭に弾かれてしまう。
(側頭部もダメか……ならば!)
今度は離れる事無く、その場でガラバの全身に、上から下まで連続で突きを放つレノ。
だがそのことごとくを頭で防御するガラバ。
「お前……硬いの絶対、頭だけだろ?」
「ハッ! 何を根拠に言ってやがる!」
「それだよ!」
完全にうつ伏せ状態のガラバを指差すレノ。
「これは、急に眠くなって来たから、仮眠取ろうかと思っただけだ!」
「無理有るわっ‼︎」
観念して能力の説明を始めるガラバ。
「ハッ! バレちまったら仕方ねぇ……そう! これが俺様の固有能力、魂剛関だ! 鉄よりも硬いこの頭! 砕けるものなら砕いてみやがれー‼︎」
「いや、いい加減起きろよ!」
未だうつ伏せ状態のガラバにツッコむレノ。
「ん? 鉄より硬い頭?」
ある事に気付くレノ。
「それって、頑丈な防具を着ければ同じ事じゃないのか?」
レノの言葉に絶句するガラバ。
「ガアッ……。て、鉄の兜だと重いだろうが!」
「そうか? 最近の防具は優秀だから、高級なやつになると殆ど重さを感じない物も有るぞ?」
「こ、高級品は値段が高いだろうがー‼︎」
「庶民派かっ!」
アボリーVSニーナ
剣を構えるニーナを前にしても、ずっとスマホを見ながら何やら画面操作をしているアボリー。
「ちょっとあんた! やる気あるの? 戦う気が無いなら、ここを通してちょうだい!」
ニーナの言葉を遮るように右手を開いて前に出すアボリー。
「あー、ちょっと待って。もう少しでアイテムをゲット出来そうだから」
そんなアボリーの態度に苛立つニーナ。
(何なのこいつ? こっちは急いでるってのに! まあいいわ。やる気が無いんなら通らせてもらうだけよ)
警戒しつつ、アボリーの横を通り抜けようとした時、どこからともなく取り出した銃を構えるアボリー。
「⁉︎」
アボリーが銃を撃つ寸前、危険を察知したニーナが横っ飛びで銃弾をかわす。
「あっぶないわねー‼︎ どこからそんなもの出したのよ⁉︎」
「凄いね? あのタイミングでかわせるんだ?」
「無警戒で敵の横をすり抜ける訳無いでしょ」
「うん、それもそうだね」
再び剣を構えて警戒するニーナだったが、手に持っていた銃がいつの間にか消え去り、またスマホをいじり始めるアボリー。
「ちょっとあんた! 戦うのか戦わないのか、ハッキリしなさいよ!」
「ん? ん〜、ちょっと待ってね〜」
そんなアボリーの態度にイライラが募るニーナ。
(ふ〜ん、ああそう。つまりそうやって私を怒らせようとしてる訳? なら、遊んでる内に一気にカタをつけさせてもらうわ!)
なるべく音を立てないように、静かにアボリーに近付いたニーナが大きく剣を振りかぶった後、アボリーに向かって振り下ろす。
しかし、またしてもどこからともなく出して来た盾で、ニーナの剣を防ぐアボリー。
「な⁉︎ 今度は盾⁉︎」
「痛たた。何とか防御出来たけど、やっぱ衝撃までは消えないな〜」
アボリーの追撃を警戒したニーナがすぐさま距離を取るが、またも盾は消滅し、何事も無かったように再びスマホをいじり始めるアボリー。
「こんのおぉぉ」
(明らかに何も無い所から銃と盾を出した。武具を小さく収納出来る能力? それとも、ウルみたいに武具を作り出す能力? ただの挑発の可能性もあるけど、やっぱりどう見てもあのスマホが怪しいわよね?)
「ねえあんた! そんなにゲーム面白い?」
「ん? 面白いよ〜」
「何のゲームやってるの?」
「RPGだよ〜」
「じゃあさっきの武器とかは、そのゲームに出て来るやつ?」
「そうだよ〜」
「ゲームに出て来る武具を具現化出来るの? 便利な能力ね?」
「ん〜、そうでも無いよ〜? 銃火京って言うんだけど、課金してゲットした物しか具現化出来ないし、一回使ったら消えちゃうから、その度に課金しないといけないしね〜」
「そうなの? 戦う度にお金が無くなるんじゃ、割が合わないわね?」
「全くだよ。だから据え置き型のゲーム機とか、中々買えなくて……ん?」
ニーナのさりげない会話に、己の能力を全て暴露してしまった事に気付いたアボリー。
「ずるーい! 誘導尋問だー!」
「あんたが勝手に喋っただけでしょ⁉︎」




