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少女にされた魔王は、人助けをしないとミジンコになっちゃうそうです  作者: こーちゃ
第一章 歴戦の勇士達

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第2話 異世界には付き物です

 ノア達と別れ、自分の部屋に戻ってベッドの上に仰向けに寝転んでいるクラフト。


「ノアにウル、か……フッ……」


 何やら意味深に笑うクラフト。


「いや〜、それにしてもノアちゃんか〜! めちゃくちゃ可愛いかったな〜! お友達になってくんねぇかな〜!」


 布団を抱きしめながら身悶えるクラフト。

 やはりただのロリコンだったようだ。


「ヒッ!」


 同じく部屋に戻っていたノアが身震いをする。


『どうした?』


「今、強烈に寒気を感じたんじゃが、何者かの魔法攻撃じゃないのか?」


『ホッ。湯冷めでもしたんだろ?』



 そして一夜明けて。

 食堂で朝食を取りながら、今日の予定を考えているノアとウル。


(さて、どうするかの〜。行きたくはないが、また昨日の店に行ってJPを稼ぐかの〜)


 とても嫌そうなノアに、ウルがある提案をする。


『ホウ。ならば、クエストを受けてみたらどうだ?』


(クエストじゃと?)


『そうだ。とは言ってもひとりで行くのではなく、誰かと一時的にパーティーを組んで、お前は魔法でメンバーのサポート役に徹するのだ。感謝により増えるJPが魔法で消費するJPを上回って行けば、どんどんオーラを溜めていく事が出来るという訳だ』

 

 しかしウルの提案に反論するノア。


(確かにうまい方法じゃが、忘れたのか? 余のJPは全て消えてしまったのじゃろう? どうやって魔法を使えと言うんじゃ)


『ホウ。お前が調子に乗るといけないので黙っていたんだが』


(な、何じゃ?)


『実は昨日クラフトと握手をした時、お前のJPは60まで回復していたのだ』


「何じゃとおお⁉︎」


 驚きのあまり、声に出してしまうノア。


「な、何だ何だ⁉︎」


 周りに居た客達が、その声にざわつく。

 頬を赤くしながらメニューで顔を隠すノア。


「し、失礼したニャン!」


(どういう事じゃ? まさか奴たったひとりから、それ程のオーラを受けたと言うのか?)


『本来オーラとは、精神力や肉体が強い者程発するオーラの量も多いものだ。クラフトは俺が認めた程の歴戦の勇士。発するオーラも並大抵ではない。だからこその先程の提案だ』


(クエスト、か?)


『ホウ。クラフト程ではないにせよ、冒険者であれば一般市民よりも平均的にオーラは強い。よりJPを稼ぎ易いという訳だ。これはまあ、俺の経験上だがな』


 少し呆れた表情でウルを見るノア。


『何だ?』


(いや〜。勇者ともあろう者が、意外に打算的なんじゃな〜と思っての)


『何の見返りも求めずに人助けをする人間なんて、ほんのひと握りだよ』


(世知辛い世の中じゃのう)



 ウルの提案に同意したノアが、残ったお金で転移石や回復薬等を購入してから、冒険者ギルドに向かって歩いていた。

 左肩には勿論、ウルが乗っている。


(しかし冒険者達が集まるギルドとなると、昨日のあやつもおるのではないのか?)


『クラフトか? 可能性はあるな』


(出来れば、会いたくは無いんじゃがのう)


『お前の正体さえバレなければ問題ない』


(いや、それもあるんじゃが……)


『何だ?』


(あやつのあの人を舐め回すように見てくる目が、どうも苦手でのう)


『お前の見た目が、奴のどストライクだからな』


(気持ちの悪い事を言うでないっ!)


『心配するな。クラフトは確かにロリコンだが、あくまで遠くから眺めているだけだ。決して触れたりはしない』


(昨日、おもいっきり手を握られたぞ?)


「ホッ⁉︎」


 顔を背けるウル。


(オイ。何とか言わんか)


 自分の背中が見えるぐらいに、更に首をひねるウル。


(一周する気かっ⁉︎)



 クラフトに警戒しつつギルドに到着したノア達。

 ギルドの中を見回し、クラフトが居ない事を確認するノア。


(奴は……おらんようじゃの)


『あいつは基本、夜型だからな。今はまだ寝ている頃だろう』


(そうか。ならばさっさと済ませるぞい。どうすればよいのじゃ?)


『まずはカウンターに行って、冒険者名簿に登録するんだ』


(うむ)


『何度も言うが言葉使いと、何より魔王である事を悟られないように気を付けるんだぞ?』


(分かっておるわ! 何度も言うでないっ!)


 カウンターへ行き、受付嬢に話しかけるノア。


「余は大魔王ノアーああああーいっ‼︎」


 当然のウルズクローが炸裂して、カウンターの前に座り込むノア。


『今言ったばかりだよな⁉︎ わざとか⁉︎ もしかしてわざとやっているのか⁉︎』


(緊張してパニックになっただけじゃ〜)

 

「お嬢ちゃん、大丈夫?」


 受付嬢が心配して覗き込む。

 治癒魔法を自分にかけ、何事も無かったようにスッと立ち上がるノア。


「問題無い。慣れておる」


『いや、慣れるなよ』


 そして、ノアの猫かぶりモードが発動する。


「私はノア! ギルドに来るのは初めて。だから登録お願いニャン!」


 しかしノアのその幼い見た目に、受付嬢は戸惑っていた。


「え⁉︎ 登録? お嬢ちゃん、歳はいくつ? ここは子供の来る所じゃないわよ?」


 子供扱いされ、怒るノア。


「貴様! 貴様も余を子供扱いするかっ! 余は大魔王にゃああああー‼︎」


 再びウルズクローをくらい、座り込むノア。


『お前には学習能力が無いのか?』


(ぐぬぬぬぬぬー)


 再び治癒魔法をかけ、立ち上がって来るノア。


「じょ、冗談ニャン! 私、こう見えて20歳! だから登録してニャン!」


「えっ⁉︎ あ、ハイ。で、ではこちらの用紙にご記入をお願いします」


「分かったニャン」


 ノアの様子に戸惑いながらも、仕事を進める受付嬢。


「書けたニャン」


「ハイ、ありがとうございます。では確認させて頂き……」


 途中で固まる受付嬢。


「もう! お嬢ちゃん⁉︎ ふざけるんならお家に帰りなさいね!」


「ホウ⁉︎」


 気になったウルが用紙を見ると、そこに書かれていたのは。


 名前ーーノア

 年齢ーー昨日産まれたばかり

 性別ーーおそらく人間のメス

 住所ーー魔王城

 職種ーー大魔王

 登録目的ーー人間を下僕にして、オーラを搾り取る為


『このおおー! 大馬鹿者があああーっ‼︎』


 全身を大きく振りかぶり、クチバシによる渾身の一撃を放つ必殺技、《ウルズインパクト》が、ノアの側頭部に炸裂した。


「ぐはああああっ‼︎」

 

 

 そしてノアは、ギルドを追い出された。



 

 

戦国無双クロニクルとは関係ございません。

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