第18話 祭りの屋台は、何故あんなにもワクワクするのだろう?
4戦目もジアの圧勝により勝ち抜いたチームHEN隊。
どんどん選抜パーティーが決定して行く中、いよいよチームHEN隊も最後の第5戦目を迎えるのだった。
『さあみなさん、お待たせしました‼︎ いよいよ真打ち、チームHEN隊の登場です‼︎ 生き残りをかけた最後の戦いに挑むのは〜。前回のジア選手同様新生勇者パーティーに新規加入した、黒髪の美少女ロリッ娘、ノアちゃんだー‼︎』
「キャー‼︎ ノアちゃん可愛いー‼︎」
「妹になってくれー‼︎」
そんな声援にげっそりした表情のノアが小さく呟く。
「元魔王に可愛いとか言うでないわ」
『そんなノアちゃんに対するはー! 今大会唯一、そのチーム名通りたったひとりで出場のぼっち。ジュディ選手だー‼︎』
「だからー! ぼっちじゃないのっ‼︎」
独りぼっちのジュディに、同情の声があがる。
「可哀相に。友達居ないならおじさんがなってやろうかー⁉︎」
「やめとけ嬢ちゃん! 絶対下心があるぞ!」
「なら、俺の彼女になってくれー‼︎」
「いやー、俺はどっちかと言うとノアちゃんの方が好みだなー」
そんな声援に反論するジュディ。
「友達ぐらいいるの‼︎ それにダメだよ⁉︎ ノアちゃんはアタシと結婚の約束してるのっ!」
「そんな約束しとらんわいっ‼︎」
猛烈に否定するノア。
「しかし、まさかお主と闘う事になるとはのう」
「うん。子供の頃以来だね?」
「いやお主、まだそのノリを続けるのか?」
そして、肩にフクロウを乗せたノアと、両手に大量の食べ物の入った袋をぶら下げているジュディの闘いが、開始される。
『さあ! 選抜隊最後のひと組を決める闘いは、奇しくも美少女ロリッ娘対決となりました! しかしわたくしが思うに、ジュディ選手の実力は今までの闘いで証明されていますしチームはひとりぼっちなのだから……』
「ぼっちゆ〜な‼︎」
『もう両チーム合格にした方が戦力的にもいいのでは? と思ってしまいます!』
そんな実況者の言葉に、多くの観客達が賛同する。
「いい事言った!」
「全くその通りだよ。もし仮にジュディちゃんが勝っちゃったら、勇者パーティーが選抜メンバーから外れるなんて事になっちまうんだからよ」
「ええ〜っ! アタシ、勝ったらダメなの〜⁉︎」
観客の声に動揺するジュディに声をかけるノア。
「外野の声など気にせず全力で闘えばよい。まあ、余とて別に勝ち残りたい訳では無いが、わざと手を抜いて負けるつもりも無いからの」
「そっか! じゃあ遠慮無く行くね!」
そう言って、右手に持った焼きとうもろこしをひと口かじるジュディ。
すると次の瞬間、ノアの周りに強烈な重力がかかり、まともに立っていられなくなるノア。
「ぐうっ!」
『開始早々ジュディ選手の固有能力である重力操作が炸裂ー‼︎ ノア選手、一歩も動けません!』
「な、なるほど……これがお主の能力か」
「久々に受けて、どう? 子供の頃はノアちゃんに簡単に返されたけど、威力、上がってるでしょ?」
「まだそのノリを続けおるか。ブレん奴じゃのう?」
「ノリ? 何の事か分かんないけど、まだまだ行くよー!」
右手に持った焼きとうもろこしを、またひとかじりするジュディ。
それに比例するように、ノアにかかる重力が更に重くなる。
「ぐぬぬぬぬぬー! 中々堪えるわい」
見る見るとうもろこしを丸裸にして行くジュディ。
「まだまだまだま……ゴホッ! ゲホゲホー‼︎」
ジュディはむせた。
その瞬間、ノアにかかっていた重力がサッと軽くなる。
「む⁉︎ チャンスじゃ!」
ジュディが激しく咳き込んでいる隙に、一気に間合いを詰めようとするノア。
『ジュディ選手、勢いよく食べ過ぎてむせたー‼︎ その隙にジュディ選手に接近するノア選手!』
「ゴホッ! ち、ちょっと、ゴホゲホッ! ちょっと待って!」
「待てと言われて待つ阿呆はおらんわい!」
「んもうっ!」
咄嗟に左手にぶら下げた袋から、飲み物を取り出し一気に飲むジュディ。
すると今度は、ノアの身体がフワリと宙に浮かび上がった。
『ああーとぉ、ノア選手飛んだー! あいや、このタイミングで飛ぶのは不自然です。という事は、これもジュディ選手の重力操作かー⁉︎』
「むうー。もう少しじゃったのにー」
「ふう、危ない危ない。相手がノアちゃんだから、ついムキになって慌てちゃったよ。今度は慎重に行くよ!」
「愚か者め! こんなもの、飛行魔法を使えばどうという事も無いわい!」
「フフ。そう上手く行くかな?」
ノアの飛行のタイミングを狂わせるように、右手に持った袋からは惣菜系の食べ物を。左手に持った袋からはスイーツ系の食べ物を次々に取り出し、物凄い勢いで食べて行くジュディ。
『ノア選手がまるで踊るように空中を飛翔しております! しかし、ジュディ選手の食べっぷりを見る限り、どうやらこれはジュディ選手の仕業のようです!』
「ホ、ホ、ホー!」
ジュディに散々振り回されるノアの肩にしがみついているウルの顔色が、どんどん青くなっていた。
『ホ、ホー。ノア! な、何とか体勢を立て直せないのか? こ、これ以上振り回されると……う、うぷ……』
「やめいっ! 貴様、余の肩でもどしおったら、焼き鳥にしてジュディに食わせるぞ‼︎」




