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第9話 こんな能力欲しい!

 みんなでクジを引いた結果、一番手はナオに決定した。


「じ、自分が一番ですか?」


「任せたぞい! ナオ!」


「瞬殺して来い!」


「でもそんな事言うと、アッサリ負けたりするんだよね〜。アニメとかだとさ」


「私達の運命は全てあんたにかかってるんだから、負けたら承知しないわよ⁉︎」


「嫌なプレッシャーかけないでくださいよ‼︎」


 いくつかの対戦が行われた後、いよいよノア達新生勇者パーティーの出番となる。


 司会のお姉さんが箱の中からボールを取り出し、そこに書かれた文字を読み上げる。


『ああっとー! 遂に出てまいりました! 勇者ウルの仲間達による新生勇者パーティー、その名も『HEN隊』だああー‼︎』


 司会者の言葉に耳を疑うノア達。


「え⁉︎ へん……たい……?」


「あの司会者、何故俺達が変態だって知ってんだ⁉︎」


「いや、引っかかるのはそこじゃないでしょう⁉︎ 何ですか、チーム名がへんたいって⁉︎」


 みんなの疑問に、登録をしたニーナが答える。


「ノアちゃんとジアちゃんを加えた新たな勇者パーティー! ヒロイック(英雄)、エリート(優秀)、ニュー(新しい) の隊。略してHEN隊よ!」

 

「いや、その名前ありきで無理矢理こじつけてますよねー⁉︎」


「チーム名書けって言うから適当に考えただけよ! ほら! 早く行きなさい!」


「うう〜」


 ニーナに急かされ、嫌々出て行くナオ。

 会場に実況の声が響き渡る。


『さあ! いよいよ出てまいりました! 大本命、新生勇者パーティー! HEN隊のナオです!』


「違う意味に聞こえるので、その言い方やめてもらえませんかっ⁉︎」


『魔王ノアールとの戦いで、勇者ウルと魔道士ナオの2人を欠いた勇者パーティー! 新たに新メンバーを加えた新生勇者パーティー。そのひとりであるこのナオ! 奇しくも、名前は行方不明となった魔道士ナオと同じ。しかしこちらはとても可愛らしい少女! HEN隊のナオであります!』


「だから! 続けて言うのはやめてください‼︎」


『さあ対するは、チーム『バイス』の代表者! ゲイ・ブルグだー‼︎』


 相手チームより、槍を携えたひとりの男が前に出て来る。


『ゲイ対HEN隊のナオ! はたして、どのような熱くねっとりとした戦いになるのかー⁉︎』


「もうわざと言ってるでしょおっ⁉︎」


 そして、ナオ対ゲイの戦いが始まる。


「よおあんた! 凄く可愛いな⁉︎」


「それはどうも」


「どうだ? 俺と付き合わねえか?」


 開始早々、妙な事を言い出すゲイ。


『ああーっとお‼︎ 試合開始早々、ゲイ選手がナオ選手に告白したぞおお⁉︎』


「はあっ⁉︎ いきなり何を言っているのですか、あなたは?」


「俺はお前に一目惚れした! だから付き合ってくれと言った! それのどこがおかしいってんだ⁉︎」


「いや、戦いの最中に何を言ってるのかと聞いているのです!」


「じゃあ戦いが終わったら付き合ってくれるのか?」


「そういう問題ではありません! そもそも自分は普通の少女ではありませんので、あなたとお付き合いする事は出来ません!」


『ゲイ選手、見事にフラれたああー‼︎』


「そうか……なら、力尽く、という事になるな……」


 ゲイが手に持った槍を、まるで槍投げのように真上に投げる。


『ゲイ選手、槍を投げたああ! しかしナオ選手に向けてでは無く、空に向かって投げました! 手元が狂ったのか、それとも何かの作戦かああっ⁉︎』


 空に向かって飛んで行った槍が失速して、ナオに向かって落下して来る。


『ゲイ選手の投げた槍がナオ選手の居る場所に落ちて来ました! ナイスコントロールと言いたいが、直接ナオ選手に向けて投げた方が良くないかー⁉︎』


「舐めてるんですか?」


 タイミングを見計らってスッとかわすナオ。

 槍はナオの足元の地面に、姿が見えなくなるぐらい深く突き刺さった。


『案の定、簡単にかわされたああ‼︎』


「威力は大したものですが、こうも動きが遅くては当たりませんよ?」


 だが、ゲイは余裕の表情だった。


「俺の愛は、こんなもんじゃ止まらねえ!」


 何かを感じたニーナが叫ぶ。


「ナオ‼︎ 油断しないで‼︎」


 その直後、ナオの足元の地面から、ゲイの槍が飛び出して来た。


「何っ⁉︎」


 それを紙一重でかわしたナオ。


『ああーっとお‼︎ ナオ選手の足元から、先程地面深く突き刺さったゲイ選手の槍が飛び出して来たああ‼︎ ナオ選手は辛うじてかわして無傷のようです!』


 地面より飛び出した槍は再び空中で軌道を変え、ナオ目がけて落下して来る。


「くっ!」


 その槍を大きくかわすナオ。

 しかし今度は地面には刺さらず、ナオの横をすり抜けていき、空中で旋回して再びナオに向かって来る。


「なるほど。自動追尾、という訳ですか?」


「そう! これが俺の固有能力、投槍帯同(とうそうたいどう)だ! だが当然、追尾するだけじゃねぇぜ? 槍の刃先に少しでも触れると……」


「まさか……毒、ですか?」


 更に警戒して槍をかわすナオ。


「そんな物騒な事はしねぇ。刃先に触れた者を……俺に惚れさせる能力だああー‼︎」


「いや、何ですかその羨ま、タチの悪い能力はっ⁉︎」


 少し本音が出てしまうナオであった。







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