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第7話 ボケとツッコミ、どちらがヒロイン向きか?

 ノアには全く見覚えの無い少女だったが、なおも食い下がって来るジュディ。


「楽しく過ごした時間、忘れちゃったの? ノアちゃん、アタシにあんなに優しくしてくれたのに?」


「ホッ!」


 何かに気付いたように声をあげるウル。


(何じゃ⁉︎ 変な声をあげて? DVDを借りっぱなしだったのを思い出したのか?)


『借りるかっ! この娘、もしかして。メイド喫茶に来ていた客じゃないのか?』


(おお!)


『ああいう所に来る客は痛い人が多いから、もう既にお前と友達になった気でいるんじゃないか?』


(貴様、何気に酷いこと言うのう? じゃが、確かにその可能性は高いのう。ならば、こちらも乗ってやった方が良いかの?)


『ホー。そうだな。わざわざ声をかけてくれたんだ。応えてやるのが礼儀というものだろう』


 当たり障りの無いように、ジュディの言葉に乗る事にしたノア。


「お、おおー‼︎ 思い出したぞ‼︎ あの時は世話になったのう⁉︎」


「あー⁉︎ やっと思い出してくれた? ホント久しぶりだね?」


「そうじゃのう」


「今までどこ言ってたの?」


「どこって……仕事が終われば宿に帰るだけじゃが?」


「仕事? 何の仕事?」


「いや、何のって……それはお主が一番よく分かっとるじゃろう?」


「ああ! 人間達を蹂躙すること? あんまり人間、いじめちゃダメだよ?」


「蹂躙っ⁉︎」


『お前は元魔王ノアールという設定だっただろう?』


(あ、ああ、そうじゃったな)


「いや、最近は余も心を入れ替えてな。人間共に危害は加えんようになったんじゃ」


「そっか。うん! それが良いよ。人間達殺したら、こんな美味しい物、食べられなくなっちゃうもん」


「そうじゃな」


「魔界には人間界程美味しい食べ物無いもんね?」


「そうじゃったな〜」


「あれ、覚えてる? 魔界小学校の給食で出たカレー、辛いの嫌いだからって砂糖入れまくってみんなに怒られたの」


「あ、ああ! そんな事もあったのう」


(魔界小学校って、そのままじゃのう)


「じゃああれは? 学校で飼ってたコカトリス、ノアちゃんが逃して大騒ぎになった奴⁉︎」


「あ、あれは余では無く、お主じゃろう⁉︎」


「違うよ〜! 最後に小屋を出たのはノアちゃんだもん! ノアちゃんが鍵をかけ忘れたんだよ⁉︎」


「そ、そうじゃったかのう?」


(何だか話が噛み合って来たぞい?)


『ホー。乗って来たな』


(しかしこれはいつまで続くんじゃ? いい加減解放してほしいんじゃがのう?)


 そんな事を思いながら、目線でジアに助けを求めるノア。


「ノ、ノアちゃん、魔界での事思い出したの⁉︎」


「んなっ⁉︎」


(ジアまで乗って来おったぞ?)


『ホー。マズイな。これでは誰も止める者が居ないぞ?』


(どうするのじゃ⁉︎)


『もう少し付き合ってやれば、その内飽きるだろう』


(はあ、やれやれじゃのう……)


「す、少しじゃがのう」


「な、なら! あたしが誰だか分かる?」


「そこまでボケておらんわいっ! ジアじゃろう⁉︎」


「いや、そうだけどそうじゃなくてっ!」


「分からんわいっ! 禅問答かっ⁉︎」


 ノアの言葉を聞いて、少し哀しそうな表情になるジア。

 そんなジアを見て、ジュディがノアに尋ねる。


「ねえノアちゃん。その娘、ノアちゃんのお友達?」


「ん? ジアも余達と一緒におったじゃろう? 覚えておらんのか?」


「知らな〜い。見た事無いもん」


(おかしいのう? メイド喫茶で、ジアは余と同じシフトだった筈じゃが?)


『魔族キャラにしか興味無かったんじゃないのか?』


「ところで、ノアちゃんも選考会、見に来たの?」


「いや。余達は参加者じゃ」


「ええっ⁉︎ じゃあ人間達に味方して、魔族と戦うの⁉︎」


「まあそういう事になるの」


「でも人間達もバカだよね。七星魔天を相手にしたら、命がいくつあっても足りないのに……」


「まるで見て来たような口ぶりじゃのう? ところで、お主は見物か?」


「う〜ん。ノアちゃんが出るなら、面白そうだしアタシも出てみようかな?」


「出るのは構わんが、お主、戦えるのか?」


「確かにアタシは可愛いよ!」


「無理問答かっ⁉︎ 誰もそんな事は言うておらんじゃろうが?」


「アタシは可愛くて強いから大丈夫!」


「そ、そうか。なら、早くエントリーをしに行った方が良いぞ? もうじき締め切りらしいからの」


「えっ⁉︎ そうなの⁉︎ じゃあアタシ行ってくる! ノアちゃん、まったね〜‼︎」


 手を振りながら去って行くジュディ。


「はあ……どえらい奴に捕まったもんじゃわい」


『ファンサービスも大事だからな』


(というか、余はもうメイド喫茶には行かんのじゃから、別に気を使う必要は無かったんじゃないのか⁉︎)


『ホー。しかしあの店で働いたおかげで、JPを大量に稼げたのも事実だしな。恩義ある店の評判を落とすのも悪いだろう?』


(別に余は気にせんがの)


 ようやくジュディから解放されひと息ついているノアに、まだ質問を続けるジア。


「ねえノアちゃん? 魔界時代の家族の事なんだけど……」


「いやお主。いつまでそのノリを続ける気じゃあ⁉︎」





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