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少女にされた魔王は、人助けをしないとミジンコになっちゃうそうです  作者: こーちゃ
第三章 選考会開催

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第5話 女の子にも色んな属性があるね

 ノアの公開処刑が終わり、次はナオの番となる。


「ノアちゃんは見事に自分の売りを見つけたわよ⁉︎ さあ! ナオも新たな自分に目覚めるのよ!」


「目覚めたくありませんっ‼︎」


 だが、ナオのキャラが固まる前に、無情にも新たな客がやって来る。

 やって来たのは、3人組の男性客だった。


「いらっしゃ……お、おかえりなさいませ、ご、ご主人様……」


 恥ずかしさのあまり、殆ど聞こえないような小さな声で接客するナオ。


「可愛いー‼︎ 初めて見る顔だけど、新しく入った娘⁉︎」


「ハ、ハイ。今日からお世話になってます……」


 終始俯き加減なナオの姿に、頬を赤くする男性客。

 そんなナオを見て、妙に納得しているニーナと店長。


「恥じらい系女子で来たね⁉︎」


「良いキャラ見つけたじゃないの、ナオ!」


「いや、リアルに恥ずかしいだけだと思うけど……」


「最後はジアちゃんなんだから、ちゃんとキャラ見つけときなさいよ⁉︎」


「最後はハードル高いよ〜!」


 顔を真っ赤にしながらも、何とか接客をこなすナオ。


「お、お席にご案内します。どうぞこちらへ」


 その道中にも、男達の質問の雨が降り注ぐ。


「ねえ君、名前は?」


「ナ、ナオです」


「ナオちゃんか〜! ナオりんって呼んでいい?」


「ナオりんっ⁉︎ べ、別に構いませんが……」


「歳はいくつ?」


「にじゅ……16歳です」


 危うく実年齢を言いかけるナオ。


「彼氏は居るの?」


「要らないです」


「いや、要るか要らないかじゃなくてさ〜」


「彼氏居ないなら、僕と付き合ってよー⁉︎」


「い、いえ、自分は彼氏を作る気はありませんので」


(そもそも男なんですから)


「え〜⁉︎ そんなに可愛いのに勿体ないな〜」


「そうだよ。ナオりんなら、その気になれば男の5人や10人すぐ寄って来るよ」


「じ、自分は今は恋愛には興味ありませんので」


(まあ、あなた方が可愛い少女なら考えますがね)


 密かにロリコンぶりを発揮するナオであった。


「ナオりんって自分の事を自分って言ってんの〜⁉︎ 可愛くないよー! 私、とかナオにした方が良いよー!」


「訳あって変えられませんので……」


 男達の質問の嵐を耐え抜き、漸く席に辿り着き注文を受けるナオ。


「そ、それではご主人様、ご注文をどうぞ」


「俺はナオりんが良いな〜」


「あ、俺も!」


「じゃあ僕もナオりんで!」


 顔がひきつるナオ。


「も、申し訳ありません。そのようなサービスは行なっておりませんので……」


「ええ〜っ⁉︎ じゃあこの、ナオりんとチェキが撮れる萌え萌えセットで!」


「俺もー!」


「僕もー!」


「か、かしこまりました」


 その後、男達に散々萌えポーズや可愛い仕草を写真に撮られまくったナオは燃え尽き、うなだれていた。


「誰か、自分を殺してください……」


 生気を失ったナオにフォローを入れるニーナ。


「だ、大丈夫よナオ! 大人気だったじゃないの⁉︎ これなら女の子として立派にやって行けるわ!」


「やって行きたくありませんよ‼︎」


 目に涙を浮かべたナオが、ウルに詰め寄る。


「ウル‼︎ もう一度自分にリジェネレーションをかけて、ミジンコにしてください‼︎」


『ホッ⁉︎』


「なっ⁉︎ 自らミジンコになりたいなどと、貴様! 何を考えておる⁉︎」



 そして、最後に残されたジアの出番となった。


「さあ! 待たせたわね⁉︎ 最後はジアちゃんの番よ!」


「別に待ってないよー!」


 次の客を待っている間、ふと昔の事を思い出すジア。


(メイド喫茶か〜。懐かしいな〜。あの頃はアイ君やブレン、メリアも居て楽しかったな〜)


「どうしたのジアちゃん⁉︎ メイド喫茶、そんなにイヤだった⁉︎」


「へっ⁉︎」


 ジアの頬を伝うひとすじの涙を見て、心配するニーナ。


「あ、ああ違うの! これは緊張してまばたきするのを忘れてただけ!」


「どんな緊張の仕方よ⁉︎」


 慌てて誤魔化し、涙を拭くジア。


「キャラを見つけろとは言ったけど、それはあんた達がキャラになりきった方が割り切ってやれるかなと思って言っただけなんだから、無理に演じる必要は無いのよ?」


「ううん、大丈夫! ノアちゃんが立派にやり遂げたんだから、お姉ちゃんのあたしだって負けてられないしさ!」


 ジアの言葉に引っかかるノア。


「お姉ちゃん⁉︎ 余は見た目程若くは無いんじゃがにょおおおおー‼︎」


 いつものウルズクローが炸裂した。


『余計な事は言わなくていいと言っただろう!』


「だ、大丈夫? ノアちゃん」


 ジアがノアを心配していると、新たな客が入って来る。


「ジアちゃん!」


「任せて! おかえりなさいませ、ご主人様〜!」


 気持ちを切り替えて接客に向かうジア。


「うん。ただいま」


「長旅お疲れ様でした! お席の方にご案内しますね!」


「ああ、頼むよ」


 途中、床にある段差にまで気遣うジア。


「お足元、ドジっ子段差がありますので、お気をつけくださいね〜?」


 何かのスイッチが入ったかのように、完璧な接客をこなして行くジア。

 そんなジアの姿に、店長までもが驚いていた。

 

「ジアさん凄いです」


「ニーナ! あの娘、経験者なのかい?」


「いや、私も出会ったばかりでよく知らないのよ」


「あれは絶対、素人の動きじゃないよ!」


 注文を受けたジアが、ニーナ達の所に戻って来る。


「ジアちゃん凄いじゃない⁉︎ メイド喫茶で働いてた事あるの?」


「いや〜。見よう見まねだよ〜」


(まあホントは昔、アイ君達とやった事あるんだけどね〜)


「全く大したもんだよ! このままウチでずっと働いてほしいぐらいさね!」


「ハハ。仕事が無くなったらお願いしようかな?」


「料理あがりー! お願いしまーす!」


「はーい!」


 出来上がった大量の料理をまとめて抱え、客の元へと持って行くジア。


「ホント凄いね⁉︎ マジで正社員として雇いたいぐら……」


 店長がジアを褒めまくっていた時。


「うにゃああー‼︎」


 ドジっ子段差に見事につまずき、豪快に料理をぶちまけるジア。


「うん。前言撤回!」


 即否定する店長と、目を輝かせているニーナ。


「ドジっ娘属性まで持ってるなんて、完璧じゃないの⁉︎ あれをいつもやったら、またひとつ名物が増えるんじゃない⁉︎」


「それでいくら客が増えても、毎回やられちゃ大損だよっ‼︎」





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