第18話 ミミズだ〜って、オケラだ〜って、ミジンコだ〜って〜♪
街に戻りクエストの報酬を山分けした後、宿屋で合流したノア達勇者パーティー。
「またナナホシテントウが現れたですってえー⁉︎」
「七星魔天です、ニーナさん」
ニーナのボケに冷静にツッコミを入れるナオ。
「それでそいつらを、ノアちゃんとこのジアちゃんの2人だけで倒したってのか⁉︎」
驚いているクラフト。
「う、うむ。まあ相手も2人だったしの」
「それにしても……」
ジアをジーっと見つめるニーナ。
「あんた、可愛いわね」
「あ、ありがと」
「いや、違うでしょうニーナさん!」
「ああそうだったわ。魔装具とやらも気になるけど、何よりも何故エビ天があんた達を連れて行こうとしたのか……」
「七星魔天です、ニーナさん」
「ノアちゃんは元魔王だから、まあ分からなくは無いわよ? でも、何でジアちゃんまで連れて行こうとしたの?」
「そ、それはあたしが聞きたいぐらいだよ」
「ふ〜ん。ところで今私、ノアちゃんを元魔王って言ったんだけど、驚かないのね?」
「へっ⁉︎ ああ〜、え、え〜っと! そう! あたしが戦った魔族の奴が言ってたのよ! ノアちゃんは元魔王ノアールだって!」
「ふ〜ん……」
顔を近付けて、疑いの眼差しでジアを見つめるニーナ。
「うぐっ」
思わず目をそらすジア。
「じゃあ何で初めて会ったばかりで素性も何も分からない、肩に怪しげなフクロウを乗せているノアちゃんと一緒にクエストに行こうと思ったの?」
「クワーッ‼︎」
ウルが怒っていた。
「そ、それは〜……ノアちゃんがとても可愛いかった、から?」
しばしの沈黙が流れた後、ニーナが口を開く。
「いいわ。信じてあげる」
「いいのかよ? ニーナ」
「そうですよ! もしかしたら彼女は敵かもしれないんですよ⁉︎」
「でもジアちゃんはノアちゃんを助けてくれたわ」
「そ、それはそうですが……」
「仮にジアちゃんが敵だったとして、ノアちゃんを魔界に連れて行くのが目的だったなら、絶好のチャンスだったんだからわざわざノアちゃんを助けたりはしない筈よ?」
「だよなー⁉︎ じゃあやっぱりジアちゃんは俺達の味方って事だなー⁉︎」
あっさり納得するクラフト。
「いや、チョロいですね!」
未だ納得が行かないナオに、ニーナが決定的なひと言を告げる。
「じゃあジアちゃんが私達の仲間だっていう証拠を示してあげるわ!」
「な、何ですかそれは?」
「ジアちゃんも……私達と同じロリコンだからよ‼︎」
「なっ⁉︎」
ナオの身体に電撃が走る。
「疑ってすみませんジアさん! あなたは我々の同志です!」
目に涙を浮かべながら、グッとジアの手を握るナオ。
「ど、どうも〜」
「いや、どこで納得しとるんじゃー⁉︎」
とりあえずジアの嫌疑は晴れたが、次はノアの固有能力の話になった。
「今回の七転び八起きとの戦いでも……」
「ニーナさん、明らかにワザとやってますね?」
「ノアちゃんはまた固有能力で変身したのよね?」
「う、うむ」
「でも今回はノアちゃん似の女の子じゃなくて、イケメンの青年だったと……」
「余は自分ではよく覚えとらんから、ジアの証言による物じゃがの」
ジアを見つめるノア達。
「そ、そうだよ。金髪の超イケメンだったよ?」
「どういう事でしょうか? ノアさんの固有能力はてっきり未来の自分自身を投影する、みたいな物だと思ってましたが……」
『ホー。ノアよ、固有能力を使う前、何をイメージしたんだ?』
「む〜。あの時は相手の火力が凄まじかったので、それに負けない氷の力が欲しいと願ったんじゃが?」
ウルの質問内容を察知したニーナが、続けてノアに質問する。
「じゃあ、初めて能力を使った時は、何をイメージしたの?」
「あ、あの時は単純に強い自分をイメージしたと思うが……」
ノアの言葉に、ニーナがある仮説を立てる。
「もしかしたらだけどノアちゃんの固有能力って、イメージした能力に一番近い誰かを召喚する能力なんじゃないかしら?」
「召喚⁉︎ 凄え‼︎ 使い様によっちゃあ無敵じゃねーかっ⁉︎」
「さしずめ名付けるなら、《英雄召喚》ってとこでしょうか?」
「英雄召喚……」
今度はジアに質問するニーナ。
「ジアちゃん。ノアちゃんが変身した時、その青年はどんな様子だった?」
「どんなって?」
「自分が置かれている状況を理解していたのかとか、あなたの事を認識していたのか、とかね」
「え、ええ〜とお。状況については、出て来た時は不思議そうな顔してたけど、その後ノアちゃんの記憶が伝わって来たとか何とか言ってたような〜」
「記憶……じゃあやはり、ノアちゃんとは全くの別人と考えるのが自然ね。ジアちゃんの事は認識してた?」
「ふえっ⁉︎ い、い〜や〜? とと、特に気にもされなかったよ〜?」
明らかに動揺しているジア。
そしてやはり、アイバーンと顔見知りである事を隠すジアだった。
だが、そんなジアの言葉を否定するように、ノアが口を挟む。
「う〜む。余も記憶が曖昧じゃからあまり自信は無いんじゃが、あの時変身した余はジアよ、随分とお主の事を気にかけとったような気がしたんじゃがのう?」
「ふえっ⁉︎」
疑いの眼差しで、ジーッとジアを見つめるノア達。
「い、いや本当に知らない人だってばー! あんなイケメンがあたしみたいなミジンコ、相手にする訳無いじゃないさー⁉︎」
「お主‼︎」
ぐうっとジアに顔を近付けるノア。
「な、何かな? ノアちゃん」
「ミジンコをバカにするなー‼︎」
「ええーっ⁉︎ ミジンコに何の思い入れがあるのさー⁉︎」




