第14話 何だかエロい奴ばっかだね
クエストを達成したので街へ帰ろうとした時、突如強烈な魔力を感じて警戒するノア達。
「何じゃこの魔力は?」
「誰か来るね」
ノア達の前方の何も無い空間に、いきなり2人の人影が現れる。
「ホントに居んのかー?」
「情報ではその筈です」
「何じゃ貴様等は⁉︎」
「おっ⁉︎」
いきなり現れた男達に尋ねるノア。
ノア達を見つめる2人の男。
「ビンゴだぜ! まさかいきなり大当たりとはな!」
「そうですね。探す手間が省けました」
「何じゃ⁉︎ 何を言っておるのじゃ⁉︎ 貴様等は何もんじゃ⁉︎ 人間か⁉︎ それとも……」
「ああ。御察しの通り、俺達は魔族だ!」
「やはりか!」
「一応自己紹介しとくぜ!」
「いや、構わん。聞いてもどうせすぐに忘れるしの」
「いや聞けよっ‼︎ 礼儀として‼︎」
ノアに構わず自己紹介を始める男達。
「俺様の名はマルダ! 七星魔天、第六位のマルダだ!」
「我輩はジュール。マルダ様の部下でございます」
『ホウ。新たな七星魔天が早くも現れたか……』
「聞いとらんと言うのに! どうする? 我らも名乗っておくか?」
ジアの方を見るノアだったが既にそこにジアの姿は無く、短剣を振りかぶりジュールに斬りかかっていた。
「クッ! コイツ!」
ジアに吹っ飛ばされるジュール。
それを追って離れて行くジア。
「あーあ。いきなり始めやがった。んじゃあこっちも始めるとするか?」
「その前に聞きたい事がある! 丸太とやら!」
「マルダだ‼︎ 人の名前はちゃんと覚えろよ! 失礼な奴だなー」
「済まんな。覚える気が無かったもんでのー。あと、人では無く魔族じゃろ?」
「うるせー! いちいち揚げ足取んな!」
「貴様等の目的は何じゃ?」
「ああん? あー……まあいっか! お前とあっちの娘を魔界へ連れ帰る事だ!」
「魔界じゃと⁉︎ まさか貴様、余の正体を知っておるのか⁉︎」
「当然知ってるさ。魔王ノアールだろ?」
「ホッ⁉︎」
「何故魔王ディアの配下が余を魔王ノアールと知っていて、連れて行こうとするんじゃ? 言っておくが、余は誰の下にも付かんぞ⁉︎」
「ああー、いやそういう事でも無いんだけどよー」
「ではどういう事じゃ⁉︎」
「だからー!」
苛立った様子で頭をかきむしるマルダ。
「ああ、説明すんのめんどくせー! 力尽くで連れ帰る‼︎」
いきなり襲いかかって来るマルダ。
一方、一足早く戦いを始めたジアとジュール。
「やはり来て頂けませんか?」
「何度も言ってるじゃないのさ⁉︎ お・こ・と・わ・り!」
「ならばやはり力尽く、という事になりますな!」
「やれるもんならやってみなさい!」
「ではお言葉に甘えまして!」
小さな黒い球を指先で弾いて飛ばして来るジュール。
「何よこんなもん!」
それを難なく短剣で弾いて行くジア。
「フフッ。そんなに受け続けていいんですか?」
意味深な事を言うジュール。
「何を⁉︎」
ジアが自分の短剣を見ると、刀身がまるで錆び付いたように所々赤く変色していた。
「なっ⁉︎」
一瞬己の剣に気を取られている隙に、身体のあちこちに被弾してしまうジアだったが、ジアの身体には全くダメージは無かった。
「何よ⁉︎ 全然威力無いじゃないのさ? これなら防御するまでも……⁉︎」
だが球が当たった場所から、ジアの服がまるで朽ちて行くように消滅して行く。
「な、何よこれー⁉︎」
消滅した部分を慌てて手で覆い隠すジア。
そんなジアの姿を見て、ニヤニヤと笑うジュール。
「フッフッフッ。これが我輩の能力、《生露丸》ですよ」
「生露丸⁉︎」
「我輩の球に触れた物は、あっという間に腐食していくのですよ。ただし命を持たない物質に限りますがね。つまり! 衣服に当たればほれこの通り‼︎」
「この、ど変態‼︎」
ジアが辱めを受けていた頃ノアは、マルダの放つ炎に苦戦していた。
「ファイアー! ファイアー! ファイアー‼︎ もっと熱くなれええー‼︎」
次々に炎の球を飛ばして来るマルダ。
「クッ! 《アイスウォール‼︎》」
氷の壁を張って炎の球を防ごうとするノアだったが、絶え間無く飛んで来る炎の球にあっという間に氷の壁が溶かされてしまう。
『ホー。どうしたノア? 押されているぞ?』
「余は元々闇魔法以外は余り得意では無いんじゃ! 悔しいが、余の氷魔法では奴の炎は防ぎきれんわい!」
『ホウ。それ程の相手か……どうする? 何か武器を出してやろうか?』
「出せるのか?」
『ひとつだけならな』
「なら、頼むわい」
「ホー!」
そう言って、ノアの肩から頭に移動するウル。
「いや、いちいちそこへ移動せんと出せんのかっ⁉︎」
そして、ノアの頭の上で大きく翼を広げて叫ぶウル。
「クワアアアアー‼︎」
だがそんなウルに、マルダの放った火球が直撃する。
「グワッ‼︎」
「わざわざ的をでかくしやがって、当ててくださいと言ってるようなもんじゃねーか!」
火球の衝撃で、翼を広げたまま地面に落下して気絶してしまうウル。
「何をやっとんじゃ貴様はああー⁉︎」
涙目でウルを罵倒するノア。




