第13話 ノアとジアって響きが似てるね
魔装具に関しての事等、色々気になる事はあったものの、とりあえずクエストに出発するノアとジア。
今回のクエストの内容は、一角獣ユニコーンの角3本を採取する事である。
「ユニコーンか。戦闘力はそれ程でも無いが、足が速いから捕まえるのに手こずりそうじゃのう」
「あ〜、それなら大丈夫。あたしに任せて」
何やら自信有り気なジア。
「何じゃお主? もしや、とてつもなく足が速いのか?」
「んな訳無いでしょ? あたし、魔獣に対してはちょっとした特技があるからさ。すぐ片がつくよ」
「そうなのか? なら、任せてみるとするかの」
「ところでノアちゃん」
「ん? 何じゃ?」
「あなたそんなに可愛いのに、どうしてそんな変な喋り方なのさ?」
「うぐっ! こ、これはまあ、色々と訳ありでの」
「そう……勿体無いな〜。服も凄く可愛いのに……」
ノアは、未だにセーラー服姿のままであった。
「こ、これも色々訳ありじゃ! 別に好き好んで着とる訳ではない!」
「ふ〜ん。あなたも色々あるのね〜?」
そうこうしている内に、ユニコーンが生息する場所にやって来たノアとジア。
「さあ、あれ程自信満々に言うたんじゃ。お主の手並みを拝見させてもらうぞい⁉︎」
「りょうか〜い!」
可愛く敬礼をした後、武器も持たずにユニコーンに近付いて行くジア。
「オ、オイお主! そんな無防備で行くつもりか⁉︎」
「だいじょ〜ぶ!」
振り返らずに、右手でピースサインを出すジア。
ユニコーンの群にある程度の距離まで近付いたジアが立ち止まり、何故かいきなり歌い始める。
その光景に、少し引いているノアとウル。
(な、何じゃあやつ⁉︎ いきなり歌い出しおったぞ⁉︎)
『ホウ。そういう年頃なのかもしれんな』
ノア達に失礼な事を言われているとは知らずに、歌い続けるジア。
それはとても美しく、そしてとても優しい歌声だった。
すると、群れの中から数頭のユニコーンがゆっくりとジアに近付いて来る。
「ユニコーンが気付きおったぞ‼︎ 早う武器を構えんか‼︎」
心配して叫ぶノアだったが、近付いて来たユニコーンはまるで子犬が甘えて来るように、ジアに身体をすり寄せるのだった。
「何……じゃと⁉︎」
『ホウ。信じられん』
ユニコーンの頭を撫でて優しく語りかけるジア。
「来てくれてありがとね。ゴメンだけど、ちょっとあたしに角を分けてね?」
まるでジアの言葉を理解しているかのように、頭を下げるユニコーン達。
胸のペンダントを引き、具現化させた短剣で素早く角を切断して行くジア。
「うん。やっぱ天然の子だとこういう事が出来るからいいよね」
何やら意味深な発言をするジア。
そしてジアは、ユニコーンを殺す事無く群に返すのだった。
「みんなありがと! 角が元に戻るまで、ケンカしちゃダメだよ〜!」
「ヒヒーン!」
ジアに応えるように鳴き声をあげたユニコーン達が、また群れの中に帰って行く。
そんな信じられない光景を見ていたノアとウルは、絶句していた。
「ど、どうなっとるんじゃ⁉︎ まるでユニコーンの方から角を取られに来たみたいじゃったぞ⁉︎」
『ホウ。魔法というよりは、固有能力に近いな……』
ノア達がジアの能力を考察していると、ユニコーンの角を抱えたジアが戻って来る。
「ユニコーンの角、取ったどー!」
あっさりゲットした角を、高々と掲げるジア。
その後、ゲットした角と短剣を胸のペンダントの前に持って行くと、まるでペンダントに吸い込まれるように消滅する角と短剣。
「どう? ノアちゃん。あたし凄い?」
「う、うむ。見事な手並みじゃったぞ。じゃが、何故奴らは大人しく角を取られたんじゃ? お主、一体どんな魔法を使ったのじゃ?」
「ハーイ! 質問はひとりひとつまででお願いしまーす!」
「マジメに答えんかっ!」
「ブゥー! ノアちゃん怖〜い。ちょっとした茶目っ気じゃないのさー!」
「な、何か調子の狂う奴じゃのう……」
おちゃらけていたジアが真面目な顔になり、能力の説明を始める。
「さっきのは魔法じゃなくて、《炯眼支配》って言うあたしだけの固有能力だよ」
『ホウ。やはり固有能力か……』
「炯眼支配、じゃと?」
「そ! あたしの魔眼で動物や魔獣を支配下に置いて、使役する能力だよ」
「魔眼じゃと⁉︎ ではお主も余と同じ魔ぞにゃあああー‼︎」
肩の激痛で崩れ落ちるノア。
「誰がマゾさ⁉︎ 失礼ねー!」
何とか立ち上がるノア。
「で、ではあの歌は何じゃ? もしやあの歌が能力発動の条件なのか?」
「あ〜、いや〜。あの歌はまた別物なんだ〜。あれは魔獣を呼び寄せる為の物で、まあ他にも色々とね」
疑いの眼差しでジアを見るノア。
「いやんっ! そんなに見つめられたら好きになっちゃう!」
「ふんっ! まあいいわい。お主が何者であれ、こうして楽にクエストを達成出来たんじゃ。今はそれで良しとしよう」
「じゃあ、頑張ったご褒美にほっぺにキスしてくれる?」
「フッ……お主とは2度と会う事は無いじゃろう」
「いや〜ん! 冗談だってば〜!」




