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第12話 敵か味方か? ボケかツッコミか?

 転移魔法により、一瞬にして王都シェルフにやって来たノア達新生勇者パーティー。


「んで? これからどうすんだ?」


「国王に謁見、ですか?」


「いえ。約束の期日まではまだ日があるから、急がなくてもいいわ。まずは地盤を固めましょ」


「んじゃあ、自由行動か?」


「拠点になる宿を決めてからよ。ちゃんと集まる場所を決めとかないと、あんた達はすぐ勝手にどこか行っちゃうんだから」


 集合場所として同じ宿屋に宿泊する事にしたノア達。

 期日までは、それぞれが自由に行動する事になった。

 

 とりあえずは、初めての王都を散策する事にしたノアとウル。


「ほう、中々立派な街並みじゃのう」


『王都だからな。ダンジェルとは規模が違うさ』


 色々見回しながら、街中を歩いているノア。

 そんなノアとすれ違ったひとりの少女がハッとなり、後ろを振り返る。


(あの娘……まさか……)


「街に出てみたものの、どうするかの? JPを集めたい所じゃが勝手が分からんし、やはりクエストを受けるのが手っ取り早いかの?」


『ホウ。そうだな』


 そんなノアに、声をかける人物が居た。


「クエストに行くのなら、あたしがついて行ってあげましょうか?」


「む? 誰じゃ?」


 ノアが振り返るとそこに居たのは、先程ノアとすれ違った、薄紫色の髪を1本の三つ編みに束ねた、推定年齢17歳ぐらいのとても可愛い少女であった。


「何じゃ? お主は?」


(ウル、貴様の知り合いか?)


『いや。知らない顔だ』


「あたしの名はジア。あなたの名前は?」


「余は大魔王にょあああー‼︎」


 恒例となったウルズクローを食らい、崩れ落ちるノア。


「にょああ? 変わった名前ね?」


「に、にょああでは無い! 余の名前はノアじゃ!」


 ノアと聞いて一瞬固まるジアだったが、すぐに話し始める。


「ノア? とても可愛い名前ね? そっちのフクロウさんは?」


「こやつはウルじゃ。まあ別に覚えんでもいいぞい? どうせすぐに魔獣に食われるじゃろうからな!」


「クワッ⁉︎ クワアアアー‼︎」


 ノアのこめかみに、ウルズストライクを炸裂させるウル。


「痛ああー‼︎ や、やめんか‼︎ ちょっとしたシャレじゃろうが⁉︎」


「フフッ。仲良いんだね? 2人とも」


「お主の目は節穴じゃ」


「ウルちゃん、よろしくね」


 ウルに手を伸ばすジアを止めるノア。


「やめておけ、ジアとやら。こやつは誰彼構わず攻撃する、とても凶暴な奴じゃからにょおおー!」


 ウルズクローの激痛に、顔が歪むノア。


「大丈夫だよ。あたしは昔っから動物には好かれるタチだったからさ」


 そう言って、ウルが差し出した翼を優しく掴み握手をするジア。

 だが、ウルと握手をしたジアが、不思議そうな顔をする。


「あれ? この子、普通のフクロウとは何か違うような?」


「ホッ⁉︎」


 ギクッとなるウル。


「ち、違うとは、何がじゃ?」


「あたしって子供の頃から動物にはすぐ懐かれてたからさ。その子をみればどんな性格の子かとか、今どんな事考えてるのかとか、大体分かっちゃうんだよね。でもこのウルちゃんからは、そういうのが全然伝わって来ない。何でかな?」


「まあ、こやつは性格がひん曲がっておるからのおおおー‼︎」


 いつものツッコミウルズクローが炸裂した。


 思い出したように話題を変えるジア。


「ああ、そういえば! あなたさっき、クエストに行きたいとか言ってたよね?」


「言ったが、何じゃ?」


「あたしも連れて行ってくれないかな?」


「ま、まあ別に構わんが、お主は戦力になるのか? 何が出来るんじゃ?」


「あたしは剣と体術。あとは風魔法が少し使えるわ」


「ふむ。戦う事は出来るようじゃの」


「合格? じゃあ連れて行ってくれる?」


「じゃが、何故余なんじゃ? パーティーを組みたいのなら、ギルドとやらに行けばいくらでも冒険者はおるじゃろう?」


「それはね……ノアちゃんがとても可愛いかったから!」


「んなっ⁉︎」


「もうさっきひと目見た時から可愛すぎて食べちゃいた……守ってあげたくなっちゃったのよね!」


「今、変な事言いかけたじゃろ?」


『ホウ。警戒するんだノア! どうやらこの少女』


(うむ。どうやらまたロリコンが増えおった……)


 ともあれ、結局一緒にクエストに行く事にしたノアは、ギルドに行って依頼を受けるのだった。

 そしてギルドから出て来たノアが、丸腰のジアに尋ねる。


「お主、剣を使うとか言うておったじゃろう? 肝心の剣が無いではないか? これから買いに行くのか?」


「え⁉︎」


 だが、ノアの当然の質問に、何故か不思議そうな顔をするジア。


「武器ならちゃんと持ってるよ? ほら」


 そう言って胸にかけているペンダントを見せるジア。

 今度はノアが不思議そうな顔をしている。


「何を言うておる? まさかお主、そんな小さなペンダントが武器じゃと言うつもりか?」


「へ⁉︎ いやいやいや。魔装具だよ魔装具!」


「まそうぐ?」


「ほら!」


 そう言ってジアがペンダントを引くと、金色の柄に赤い魔石がはめ込まれた、一対の短剣が現れる。


「んなっ⁉︎」


「ホオオオオー⁉︎」


 驚いているノアとウル。


「な、何じゃお主それは⁉︎」


「えー⁉︎ だから魔装具って言ってるじゃないさー⁉︎」


「魔装具じゃと⁉︎」


(ウル! 王都にはあんな便利な物があるのか⁉︎)


『ホッ⁉︎ いや、俺も始めて見る。もしかしたら、俺達が居ない間に発売された新商品かもしれん!』


 異常に驚いているノアを見て、理解するジア。


「あーそっか。こっちの世界には魔装具って無いんだっけ?」


(どうやら輸入品らしいぞい⁉︎)


『ホウ。どうりで知らない訳だ』


(しかしウルよ。あんな小さなペンダントから武器を出せるなら、貴様の武器を出せるとか言う固有能力は全くの無用の長物になるのう?)


『ホッ⁉︎』


 存在意義が怪しくなって来たウルであった。






ひめてんとは、関係ございま……

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