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第11話 いざ、王都へ!

 クエストを受ける為、顔を赤くしながら歩いているセーラー服姿のノアと、その一行。

 その道中、様々な角度からノアの写真を撮りまくっているニーナ、


「く、屈辱じゃあ……」


『ホウ。気持ちは分かるが耐えるんだ。金の無い俺たちには、今はただ耐え忍ぶしかない』


「何故余だけがこんな辱めを受けるんじゃ⁉︎ そもそも刀が折れたのはウル! 貴様が原因じゃろう⁉︎」


『ホウ。そうかもしれんが、こんな姿では償いたくとも償えん。それとも、俺のセーラー服姿が見たいか?』


 頭の中でつい想像してしまうノア。


「ゔぇ。そんなもん、誰も見たくないわい」


『だろう?』


 ウルの言葉が分からないナオが、ノアに尋ねる。


「ノアさん。ウルは何て言ってるんですか?」


「ん? こんな姿では……」


 ウルの言葉をそのまま伝えようとしたノアだったが何かを思い付きニヤリと笑う。


「この姿では無理だから、元の姿に戻れたらセーラー服でも何でも着るそうじゃ!」


「クワッ⁉︎」


 その言葉にニーナが食い付く。


「あら、それ良いわね? イケメン男子の女装姿ってのも、一部の人にはウケが良いのよね。是非お願いするわ!」


「クワッ! クワアアアア‼︎」


 ウルズストライク速射バージョンが、ノアのこめかみに炸裂する。


「痛っ‼︎ 痛ああ‼︎ ウ、ウルも! よ、喜んでおるぞおおおー‼︎」


 意地になり、更に煽るノア。


「クワワワワワワワワー‼︎」


 更に加速するウルズストライク。


「いだああああー‼︎ 頭にトンネルが貫通するうう‼︎」


 そうこうしている内にギルドに到着したノア達が、いつもの様に直接受付嬢の元に行く。


「何か良い仕事入ってないかしら?」


「ああ! 勇者パーティーのみなさん、お待ちしており……うわ、凄い格好……お待ちしておりました!」


 ノアのセーラー服姿を見て、ついボソッと呟いてしまう受付嬢。


「おい貴様、今余の姿を見て何か言ったであろう?」


「実は、こちらから皆さんを呼びに行こうとしていた所なんです」


「無視するでない!」


「何? 緊急クエスト?」


「クエスト、という訳ではないんですが……」


 辺りを見渡した受付嬢が身を乗り出し、小声で話し始める。


「実は、昨日皆さんから新たな魔王が誕生したと報告を受けてから、至急国王にその事を報告したんです。そしたらあなた方勇者パーティーに王都まで出向するようにと通達があったんです」


「また討伐命令でしょうか?」


「おそらくね。それで、今すぐなの?」


「いえ、今回の魔王ディアの軍は前回の魔王ノアールの軍よりも強大で手強そうなので、各地より戦力を集める為10日後ぐらいを目安に、との事です」


 かつての己の軍より強大と聞き、憤慨するノア。


「余の軍が、あんな雑魚どもよりも劣ると言うのにゃあああー‼︎」


 そしていつもの如く、ウルズクローで黙らせられるノアであった。


「分かったわ。了解したと伝えてちょうだい」


「あ、ハイ。ありがとうございます! では、王都シェルフまでの転移石はこちらでご用意させて頂きますので、出立の準備が出来ましたらまたここへいらっしゃってください」


「分かったわ。じゃあ後でね」


 ギルドを出たノアが口を開く。


「いや〜、そうか。お主達は王都へ行くのか? せっかくお主等とも馴染んで来たというのに残念じゃわい!」


 言葉とは裏腹に、とても嬉しそうなノア。


『ホ? 何を言っている? 当然お前も一緒に行くんだぞ?』


「何……じゃと⁉︎ いやいやいや、何を言うておる! 呼ばれたのは貴様等勇者パーティーだけじゃろう⁉︎ 余は関係無かろう!」


 ウルとのやり取りの内容を察知したニーナ達が、口を挟んで来る。


「何を喋ってるのかは理解したわ。勿論ノアちゃんも一緒に行くのよ?」


「そうですよ。あなたが魔王ノアールだと分かった以上、野放しには出来ませんからね」


「ノアちゃんはとっくに俺様達の仲間だろー!」


「いや、仲間になった覚えなど無いわい!」


「ふ〜ん。ならあたしの刀、今すぐ弁償して頂戴」


「うぐっ! そ、それを言われると返す言葉も無いが……」


 もはや、踏み倒すという発想すら出てこない、律儀なノアであった。

 正式にノアを加えた勇者パーティーは事情を説明する為、お世話になっている宿屋に戻って来た。


「ええ〜⁉︎ ノアお姉ちゃん達行っちゃうの〜⁉︎」


「余は別に行きたくは無いんじゃがのう」


「残念ですが、戻って来たら必ずまたこの宿屋にいらっしゃってくださいね」


「お世話になったわね。いつになるか分からないけど、帰って来たらまた厄介になるわ」


「いつでも泊まれる様に、皆さんの部屋はずっと空けておきますからね」


「ノアさんだけでなく、自分達の部屋まで用意して頂き、本当にありがとうございました」


「いえいえ、むしろ勇者様御一行が宿泊している宿として、以前よりも宿泊客が増えたぐらいですから」



 ギルド内に設置された巨大魔法陣の中に居るノア達。

 その周りには大勢の人達が勇者パーティーの旅立ちを見送りに来ていた。


「ノアお姉ちゃん! ウルちゃん! みんな! 必ず帰って来てねー‼︎」


「うむ。達者での!」


「ホー‼︎」


「必ずまた帰って来るぜー‼︎」


「魔王ノアールを倒してくれてありがとー‼︎」


「余はここにおるにゃああー‼︎」


 ウルに制裁を受けながら、光の中へ消えて行くノアとその一行。

 部隊を王都シェルフへと移し、新生勇者パーティーの新たな冒険が始まる。






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