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第9話 ノアちゃん? ノアさん?

 ノアの変わり様に戸惑っているウル。


(どうなっているのだ? この娘は本当にノアなのか? だが、だとしたら一体どういう能力なんだ?)


 ウルがノアの能力について考察していると、ようやくルーネスが木に刺さった鎌を引き抜いた。


「ウル! あなたのJP、まだ残ってるでしょ? 剣と盾、出して!」


 いきなり意味不明な事を言い出したノア。


『ホッ⁉︎ な、何故お前が俺の能力の事を知っているんだ? 俺はまだお前の前で固有能力は見せていない筈だ!』


 鎌を振り上げて迫って来るルーネス。


「ちょっと待ってて!」


 振り下ろされた鎌を素手で払い、ルーネスの顔面に蹴りを叩き込むノア。


「グハァ‼︎」


 吹っ飛ばされ、倒れるルーネス。


「ホラ! 今の内に、早く!」


『ホッ! 後でちゃんと説明してもらうぞ!』


 そう言ってまたノアの頭の上に飛び乗り、大きく翼を広げるウル。


『見せてやろう! これが俺の固有能力、武具精製だ‼︎』


 すると、ウルの前に光の玉がふたつ現れ、その玉がそれぞれ剣と盾の形に変わって行く。


『今はこれが限界だ。必ず仕留めろよ!』


「ありがと! まっかせてー!」


 その剣と盾を手にしたノアが、ルーネスに向かって走って行く。

 同じタイミングで立ち上がるルーネス。


「構えなさい‼︎」


「なっ⁉︎」


 鎌を構えたルーネスに、今まで見せた事の無い素早い動きで、連撃を加えるノア。


「グウッ! な、何だ急に⁉︎」


 全く反撃する余裕も無く、ただ防戦一方のルーネス。

 ウルや他のメンバーも、ノアの変わり様に驚いていた。


『ホ⁉︎ 何なんだこの無駄の無い動きは? まるで達人ではないか⁉︎』


「ノアちゃん凄い。私達でさえあれ程の動きは出来ないわ」


「まるで別人みたいですね? 見た目が少し大人になった事と、何か関係があるのでしょうか?」


 終始圧倒していたノアが、遂にルーネスの鎌を弾き飛ばす。

 

「さあ! 素直に負けを認めて大人しく帰るなら、命だけは助けてあげるよ?」


 ルーネスの喉元に剣を突き付けて降伏を迫るノア。


「ううう……やっぱり僕はミジンコなんだ……このまま帰ってもどうせディア様に怒られるだけなんだ。ならいっそここで……」


 またルーネスから黒いオーラが溢れ出す。


「ハイ! ネガティブにならない!」


 剣の腹でルーネスの頭を殴るノア。


「うぐっ!」


「そうやって落ち込んだフリをしてるのは分かってるんだからね! 私もあんまり時間無いんだから、仲間を連れて早く帰った帰った!」


「ううー、覚えてなよー!」


 観念して、倒れているラパンとサテラを連れて、転移魔法で帰って行くルーネス達。


「フウッ! 何とか間に合ったみたいね。良かった良かった!」


 笑うノアの元に集まって来るニーナ達。


「ちょっとノアちゃん! 一体どういう事よ⁉︎」


「そうです! 一体それはどういう能力なんですか⁉︎」


『ホウッ! そうだ! 何故俺の固有能力の事を知っていたのかも、教えてもらうぞ!』


 迫るニーナ達にたじろぐノア。


「ま、まあまあみんな落ち着いて。ちゃんと説明するから。えっとお、私の固有能力はあ……」


 だが次の瞬間、ポンっと元の姿に戻ってしまうノア。


「な、何じゃ貴様ら⁉︎ 何故余を取り囲んでおるんじゃ⁉︎」


 状況を全く理解していない様子のノア。


「え⁉︎」


「元に、戻ってしまったのですか?」


「ノアちゃん。今あった事、どこまで覚えてる?」


「ど、どこまでと言われても、ウルの奴に固有能力を使ってみろと言われて、色々イメージした所までは覚えておるが……」


「つまり、ノアちゃん自身は能力を自覚してない訳ね」


『ホウ……結局謎のまま、か……』


「何じゃ⁉︎ 一体どういう状況なのじゃ⁉︎ 戦いはどうなったんじゃああー⁉︎」


 その後、助け出した冒険者達と共に転移魔法で街に帰還した勇者パーティー。

 ギルドよりたんまりの報酬を受け取り、宿屋でひと息つくノア達。


「結局、ノアさんの固有能力は何だったんでしょうか?」

 

「見た目は明らかにノアちゃんが少し成長した感じだったけど、強さは尋常じゃ無かったわ。あれは強化魔法とかの類なんかじゃなく、何年も鍛錬を重ねた者が出来る動きだった」


「うおおおおー‼︎ ノアちゃんの成長した姿、俺様も見たかったぞおお‼︎」


「あんたはロリコンなんだから、成長した姿は範囲外でしょ?」


「見た目が幼ければ問題無い! だからニーナ! お前も十分アリだぞおお‼︎」


「上から目線で言ってんじゃないわよ! 気持ち悪い!」


「グハァ!」


 ニーナの蹴りを食らってダウンするクラフト。


「まあ何にしても、JPが溜まったらまたやってみれば分かる事よ。今日はもう疲れたから、ゆっくりお風呂に入って早く寝ましょ」


「そうですね」


「風呂か……そういえばウル」


「ホ?」


「前から気になっとったんじゃが、貴様少々臭うぞ?」


「ホ? ホアッ⁉︎」


 すると、ニーナ達もウルに顔を近づけて匂いを嗅ぎに来る。


「本当ですね。少し臭いますね」


「そうかぁ? 俺様には何も臭わねえぜ?」


「あんたは自分も臭いから分からないだけよ! ウル、あんたその姿になってから、身体洗った?」


「ホー?」


 少し考えた後、首を横に振るウル。


「やっぱり。じゃあ、私が洗ってあげるから来なさい」


「ホアッ⁉︎ ホアアアアー‼︎」


 逃げ出そうとしたウルを押さえつけるノア。


「逃げるでない! 顔の側で悪臭を放たれてはかなわん。大人しく洗ってもらえ!」


「クワッ! クワッ! クワアアアア‼︎」


「ノアちゃん、ウルをそのままお風呂場まで連れて来て。ノアちゃんも一緒に入りましょ」


「うむ。そうじゃな」


 何も躊躇する事無く風呂場に行こうとするノアを止めるクラフト。


「ちょ、ちょおっと待ったああ‼︎」


「何よ?」


「ノ、ノアちゃんやウルが一緒に入るのはマズイんじゃないかなー? ニーナは実年齢こそあれだけど一応女なんだし、ノアちゃんは今は女の子だけど元魔王なんだし、ウルなんて元男だし」


「実年齢が何だって⁉︎」


 ニーナに顔を踏みつけられるクラフト。


「いえ、何でもありません」


「魔族というのは元々明確な男女の区別は無いんじゃ。なろうと思えばどちらにでもなれるからの」


「だそうよ。私も元の姿がどうとかなんて気にしないわ。今ノアちゃんやウルはこんなに可愛いんだから、何も問題無いわ」


「だ、だけどよー」


「ああそうだわ。ナオも今は女の子なんだから、一緒に来なさい」


「ええ⁉︎ いやいやいや、自分はさすがにマズイでしょう⁉︎」


「さっきも言ったでしょ? 今が可愛いければ何も問題無いのよ。ノアちゃん、ナオも一緒に引っ張って来て」


「うむ。了解じゃ」


「ま、待ってください‼︎ あなた達が良くても自分は良くないですよおお‼︎」


「ホー‼︎ ホー‼︎ ホオオオオー‼︎」


 嫌がるウルとナオを連行して風呂場に向かうノア達。

 それを羨ましそうな顔で見ているクラフト。


「な、なら俺様も一緒に入ってもいいよなー⁉︎」


「あんたはダメに決まってるでしょ‼︎」

「貴様はダメに決まっとるじゃろう‼︎」

「あなたはダメに決まってるでしょう‼︎」


「グハァ‼︎」


 3人から同時に顔面蹴りを食らい、倒れるクラフト。


「で、ですよね〜」




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