第4話 クラフト、真面目に戦ってみた
冒険者達をニーナに任せ、それぞれ三方に別れて魔族の相手をする事になったノア達。
クラフトVSラパン
何だかクラフトの相手をするのが不服そうなラパン。
「何で俺の相手はこんな筋肉ダルマなんだよー。女の子が良かったなー」
「それは俺様のセリフだ! 俺様だってあっちのかわい子ちゃんの方が良かったぜ!」
「プッ。かわい子ちゃんだって? あんた、もしかしておっさん? 今時そんな言葉使わないよ?」
「う、うるせー‼︎ 俺様はまだ18だー‼︎」
ナオVSサテラ
ずっとスマホっぽい物をいじり、戦おうとしないサテラ。
「何なんですかあなたは? 戦う気が無いのですか?」
「だってめんどくさいしぃ、疲れるしぃ、別にあんた達を倒せとは命令されてないしぃ」
「では、あなた達の目的は何なんですか?」
「ん〜? ……あれ? あたし達何しに来たんだっけ?」
「あ、あなた達は本当に魔族なんですか?」
ノア&ウルVSルーネス
ノアの顔をじっと見つめているルーネス。
「な、何じゃ⁉︎」
「君も勇者パーティーのメンバーなのー?」
「一応そういう事になっておる。何か変か?」
「いやー、あまり強そうに見えないもんでついねー」
「んなっ⁉︎」
ノアが怒りの表情に変わって行く。
『安い挑発だ! 乗るんじゃない!』
歴戦の勇士ウルが、ノアをなだめる。
(わ、分かっておるわ!)
「そっちのフクロウも使い魔にしては弱そうだし、非常食用に飼ってるのー?」
「クワッ⁉︎ クワアアアー‼︎」
怒りを露わにして激しく暴れるウル。
(乗るなー‼︎)
再びクラフトVSラパン
その場でトーントーンとジャンプを繰り返しているラパン。
「何やってんだ⁉︎ 準備運動のつもりか?」
「まあね。俺ってあんま運動得意じゃないからさー。ちゃんとほぐしとかないと……ねっ!」
何度か跳んで着地した瞬間、凄まじい速さでクラフトに突っ込んで来るラパン。
「何いっ⁉︎」
ラパンの突進を、ギリギリの所でかわすクラフト。
「へえ、よくかわしたね? さすがは、勇者パーティーってとこかな?」
クラフトの横を走り抜けたラパンが振り返り、再びその場でジャンプを繰り返す。
ラパンのスピードに驚くクラフト。
(かなり速えな。あんなスピードのブチかましをもろに食らったら、一発で動けなくなって終わりだぜ)
《ストレングス‼︎》
肉体強化魔法をかけるクラフト。
クラフトの残りJPはあと110。
(すれ違いざまにブン殴ってやる!)
「さっきは上手くかわしたけど、今度はどうかな?」
「へっ! そんな鈍い攻撃、目をつぶってたってかわせるぜ!」
「言うじゃない。なら行くよ!」
再び着地した瞬間に猛スピードで突進して来るラパン。
(やべっ!)
今度は避けきれずに、クラフトの脇腹をかすめて行った。
「グウッ‼︎」
脇腹をかすめただけとは言え、かなりのダメージを受けて跪くクラフト。
(強化魔法をかけてんのにこれかよ⁉︎ だがどうなってんだ? 避けるタイミングは全く同じだった筈なのに、何で今のはかわしきれなかった?)
また振り向いてジャンプを繰り返すラパン。
「おしかったなー。どんどん行くよー!」
「来やがれ! 次はぜってーぶっ飛ばす‼︎」
着地した瞬間、あっという間にクラフトの前に到達したラパンが、今度は真正面からぶつかった。
「があっ‼︎」
しかし絶対防御を使ったクラフトが、完全にラパンの突進を受け止める。
「何いっ⁉︎」
「食らいやがれ‼︎」
ラパンの腹に渾身の右ボディブローを撃つクラフト。
「グウッ‼︎」
吹っ飛ぶラパン。
しかし、何事も無かったように立ち上がるラパン。
「何だとおお⁉︎」
「フウッ。まさか俺の突進を完全に受け止めるとはね。もしかして、それが君の能力かい?」
「教えるかよ!」
「フッ。さしずめ、防御に特化した能力ってとこかな? まあいいさ。どの道次で終わりだ!」
そう言って、再びその場で飛び跳ねるラパン。
(強化魔法をかけた渾身のパンチが効かねぇだと⁉︎ それにあの動き、まさか?)
「オイ、テメェ! いつまでも準備運動してると思ったら、その動き……」
「フフッ。やっと気が付いたかい? そうだよ……」
「金◯でもぶつけたのか?」
「違うわっ‼︎ こうやってジャンプを重ねる毎に、肉体が強化されて行く。それが俺の固有能力、平行月だ」
「平行月? どういう意味だ?」
「まあ簡単に言えば、こうやって飛び跳ねてれば、いつか月まで飛んで行くって意味だよ」
「今すぐ飛んで行きやがれ!」
「うるせー!」
「だがそうか。それで突っ込んで来る度に速度が上がってかわしきれなかった上に、俺様のパンチも効かなかった訳か」
「そういう事。まあ、ここまで強化してしまえば、もはやかわす事は出来ないし、さっきみたいに能力で受け止められたとしても、俺に有効な打撃は与えられない」
(確かにヤベェな。絶対防御は後1回が限度だし……守りに使えばダメージは受けねぇが、防いだ所でストレングスではあいつにダメージを与えられねえ……ならっ!)
「さあ、月に代わっておしおきだ!」
「意味わかんねーよ!」
一際高くジャンプして足が地面に着いた瞬間にはもう、ラパンの身体はクラフトに激突していた。
「ガハアッ‼︎」
その凄まじい勢いにより、ラパンと背後の木に挟まれる形になり、吐血するクラフト。
目の光が消え、動かなくなるクラフト。
「クラフト‼︎」
心配したノアが叫ぶ。
その声に、ピクリと反応するクラフト。
「フフッ。どうやらもう、さっきの防御技を使う力も残ってなかったみたいだね」
(あ、あぶねー。一瞬気絶してたぜ)
ノアの声で目を覚ましたクラフトが、震える左手でラパンを捕まえる。
「誰がいつ、防御専門の能力って言った?」
「何⁉︎」
次の瞬間、絶対防御を発動させたクラフトの右拳が、ラパンにかかった強化魔法を打ち砕きながら、ラパンの左脇腹にめり込んだ。
「グウエエエエーッ‼︎‼︎ ……な、何だ……この威力、は……グハアッ‼︎」
膝から崩れ落ち、倒れ込むラパン。
「俺様の絶対防御は一見ただの防御技に見えるけどよー、こういう使い方だって出来るんだぜー?」
だが、ラパンの突進を無防備で受けた事により、クラフト自身も相当なダメージを受けていた。
「まあ、効果が一瞬ってのが、玉にきずだけどよー」
そのまま木にもたれるように崩れ落ちるクラフト。
「ムフフー。こ、これで……またノアちゃんのエロい写真……貰える、かな……」
「断固阻止するわい!」
セーラームーンとは関係ございません。




