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第1話 みんなでオーラを集めよう.JP

 新生勇者パーティーが誕生した翌日、早速人助けをしようとノアが街中を駆け回っていた。


「何か困っとる事は無いか⁉︎ 魔物退治から猫探しまで、何でも依頼を受けるぞい⁉︎」


 張り切るノアを、どこか冷めた目で見ているウル。


『張り切っているな? ノア』


「当然じゃろう? 何しろ元の姿に戻れるかもしれんのじゃからな」


『だが、あくまで可能性の話であって、戻れる保証は無いんだぞ?』


「何じゃ貴様は? 保証が無ければ何もせんのか? まずは動かん事には何も始まらんじゃろうが!」


『ホウ。お前は元魔王のくせに、何故そんなに前向きなんだ?』


 そんな中、ひとりの女性がノアに頼み事をする。


「どんな事でもいいの?」


「うむ、構わんぞ!」


「じゃあこの荷物家まで運ぶの、手伝ってもらえるかしら? 安かったからつい調子に乗って買い過ぎちゃったのよ」


「お安い御用じゃ、任せよ!」


 そう言ってその女性が大量にぶら下げていた買い物袋の、3分の2を持つノア。


「さあ行くぞい!」


「助かるわお嬢ちゃん、ありがとうね」


(まあ動機はどうあれ、進んで人助けをする気になったのなら、良しとするか……)



 一方その頃、ノアと同じようにJP集めをしているクラフトは、とある家屋の解体作業を手伝っていた。


「コイツをぶっ壊せばいいんだな?」


「ああ、頼んますよクラフト様!」


「任せろ! うおりゃあああ‼︎」


 道具を何も使わず、素手で家を破壊して行くクラフト。


「やっぱ凄えな、クラフト様。この調子なら1時間もかからずに終わりそうだぜ」


「凄い勢いなのはいいが、今回はリフォームなんだ。残す部分はちゃんと教えたんだろうな?」


「心配ねぇよ。作業前にクラフト様にも図面を見せて説明したしよ」


「バ、バカ! クラフト様が図面なんか理解出来る訳ねぇだろ⁉︎ ヤバイぞ‼︎」


 大工達が気付いた頃には、もう既に家屋は全て瓦礫の山と化していた。


「ギャアアア! 一から全部作り直しだああ‼︎」



 その頃ナオは、何故か猫の姿で街中を歩いていた。


(あの猫、聞いてた特徴と一致しますねぇ)


 猫ナオが、一匹の黒猫に近付いて行くと、黒猫の方から猫ナオに話しかけて来た。


(よお姉ちゃん、可愛いじゃねぇか。俺といい事しねぇか?)


「あなたもしかして、クロって言う名前かしら?」


(お? 俺の名前を知ってんのか? もしかして俺のファンか?)


「フフ。違いますよ。あなたの飼い主からの依頼であなたを探していたんですよ」


(にゃに⁉︎)


 すると全身が光った猫ナオが一瞬にして人の姿に戻り、黒猫を捕まえる。


「ニャー‼︎ ニャニャー‼︎ ニャー‼︎」


「申し訳ありません。人の姿ではあなたの言葉は分からないのです。しかし、猫一匹捕まえるのにこんなにJPを使っていては、効率が悪過ぎますねぇ」



 そしてニーナは自分が入院していた病院で、病気やケガをした患者達を治療していた。


「ほら、治ったわよ。あまり無茶なクエスト受けるんじゃないわよ?」


「ありがとうございます、ニーナさん!」


 若い冒険者が礼を言いながら出て行くと、次に随分と腰の曲がったお年寄りが入って来る。


「ニーナちゃん、また腰が痛くなったんじゃ。治しておくれ」


「また〜? この前治したばっかりじゃないの?」


 文句を言いながらもお年寄りの腰に手を当てて診察するニーナ。


「もう! どこも悪くなってないじゃないの! 嘘つくんじゃないわよ!」


「す、済まんのう。死ぬ前にもう一度ニーナちゃんに会いたかったんじゃ〜」


「私の見立てじゃ、あと20年は生きるから安心なさい」


 ニーナの治癒能力の凄さは街中のみんなが知っているらしく、待合室には大勢の患者が詰めかけていた。

 そこへ、診察室から出て来たニーナが、待っている患者達に脅しをかける。


「私は触れれば身体の状態が全て分かるわ! それでもし仮病だと分かった時は……覚悟しなさいね」


 それを聞いて患者の数は半分以下に減った。



 1日が終わり、別れてJP集めをしていた勇者パーティーが宿屋に戻り、それぞれに結果報告をしたが、その惨憺たる結果に頭を抱えるニーナだった。


「ハア……ノアちゃんは1日動き回って集めたJPが僅か10」


「後半は疲れて強化魔法や治癒魔法を使い過ぎたんじゃあ」


「ナオは猫一匹探すのに固有能力を3回も使って、結局プラマイゼロ」


「分かってはいましたが、他に良い手が思い付かなかったもので」


「クラフトに至っては、壊さなくてもいい物まで全部破壊して、逆に損害賠償を請求される始末」


「でも、何とか身体で返すって事で話はつけたぜ?」


「結局まともに稼げたのは私ひとりだけとはねぇ。今までなら魔物討伐クエストで結構稼げたけど、魔王が居なくなってすっかり魔獣達も大人しくなったのよね」


「あ奴らは余の命で人間を襲っておっただけじゃ。こちらから仕掛けたりナワバリに入ったりせん限りは、大人しいもんじゃよ」


「そうみたいね。ノアちゃん、ひとつ相談なんだけど……魔獣に命令して街を襲わせる事は出来ない?」


「んなっ⁉︎ ななな、何を言うとるんじゃお主は⁉︎ そんな事をしたら……⁉︎」


「冗談よ。ちょっと言ってみただけ。でも、以前に比べて傷付いた冒険者が減ったから、稼ぎが少ないのよねー」


 無表情でサラッと怖い事を言うニーナ。


(オ、オイ、ウル! こ奴、本当に勇者パーティーの一員なのか? 人間共を傷付けるなど、考えられん事を言いおるぞ⁉︎)


『ホー。どちらが魔王だか分からんな……』









アンブレラ社とは関係ございません。

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