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第15話 最後のひとり

 何とかメルトスライムを倒したノア達は更に洞窟の奥に進み、ようやく採掘場に到着する。


「では採掘を始めましょうか」


「よっしゃ! 掘りまくるぞー!」


「こんなか弱い乙女に力仕事をさせるとはのう」


「ホッ」


 それぞれが魔法を駆使して採掘を始める中、申し訳なさそうに見ていたウルが、ヒョイッとノアの肩から降りる。


「クワアアアアー‼︎」


 地上に降りたウルが、ウルズストライクを駆使して採掘を手伝い始めた。


「おおっ! やるじゃねぇか、ウル!」


「そんな姿になっても、さすがはウルですね」


 しかし、その姿を見ていたノアが青ざめていた。


「あ、あの技……こんな硬い岩盤を簡単に砕くだけの破壊力があったのか……」


 実はウルに、相当手加減されていた事を始めて知ったノアであった。


 しばらく採掘をした後、様々な色の魔石をリュックの中一杯に詰め込んだノア達が街へ帰ろうとする。


「フウッ。これだけ採れれば十分でしょう」


「んじゃあ、街へ帰るとするか!」


 そう言ってクラフトが、きちんと加工された転移石を懐から取り出す。

 しかしそれを見たナオが、慌ててクラフトを止めようとする。


「え⁉︎ 待ちなさい‼︎ こんな狭い洞窟で転移魔法なんか使ったらっ‼︎」


 しかし全く聞いていないクラフトが2人を抱え、転移魔法を発動する。


 ガアンッ‼︎


 その直後、洞窟の天井に豪快に頭をぶつけたノア達が落下する。


「いっだあああー‼︎」


「いってーな‼︎ 何だよ一体⁉︎」


 クラフトに激しく怒るナオ。


「あ、あ、あなたは何年冒険者をやってるのですかっ⁉︎ こんな天井の低い場所で転移魔法なんか使ったら、発動しきれずにこうなる事は冒険者なら誰でも知ってますよっ‼︎」


「えー、マジかー⁉︎ こういう事はいつもニーナに任せてたから、知らなかったぜ!」


「だったらカッコ付けてやろうとしないで、自分に任せてください‼︎」


「分かったよー。悪かったって」


「全く……ハッ⁉︎」


「また何か来たようじゃの?」


 ナオとクラフトがケンカしていると、いつのまにか周りを蛇のような魔獣に囲まれていたノア達。


「ウロボロスか。かなり小型じゃがのう」


「だが、数が多いぜ」


「どうしますか? 倒しますか? それとも逃げますか?」


「倒すに決まってんだろ! さあ行け! ナオ!」


 ウロボロスをビシッと指差すクラフト。


「いや、何を言っているのですか? 行くのはあなたでしょう?」


「いやいや、俺様のJPはもう4しか残ってねえんだ。だからナオが行けよ!」


「自分だってあと5しか残ってませんよ」


「何い⁉︎ じゃあどうすんだよ? とてもあれだけの数、相手に出来ねぇぜ?」


「ノアさんはどうですか?」


「どうなんじゃ?」


 ウルに尋ねるノア。


『採掘するのに調子に乗って使いまくったからな。残り7だ』


「7、だそうじゃ」


 全員が青ざめる。


「これは、逃げに徹したとしてもとても無事では済みそうにありませんね……」


「どうすんだよー⁉︎」


 焦るクラフト達を見て、ふと疑問をウルにぶつけるノア。


(貴様達。よくこんな事で余の前まで辿り着けたもんじゃのう?)


『ホウ。あの時は俺も居たし、何より司令塔のニーナが居たからな』


(ニーナ? もしや、もう1人居たあのちびっこい奴か?)


『そうだ。ニーナは見た目こそちんまいが、俺達の中では一番頭のキレる奴だったからな。ニーナが居ないとこんなもんだ』


(貴様等、よく今まで生き残ってこれたのう……)


『みんな戦闘力だけは飛び抜けているからな……』


「仕方ねぇ‼︎ 逃げるぞお前等‼︎」


 そう言って再び2人を抱えるクラフト。


「え⁉︎ まさか貴様⁉︎」


「いや、いくら何でも同じ失敗は……」


 嫌な予感が走るノア達だったが、その予感通りその数秒後に頭を抑えてのたうちまわるノア達の姿があった。


「あなたは本当のバカなんですかっ⁉︎ 何故今さっきやった失敗をまた繰り返すんですかっ⁉︎ 十分な広さが無いと転移魔法は使えないと教えましたよね⁉︎ ねえ、ついさっき教えましたよねー⁉︎」


「ワリィ、よく聞いてなかった」


「ガチでリジェネレーションをかけてもらって、ニワトリからやり直しなさい‼︎」


「貴様達、ケンカしとる場合か⁉︎ 来るぞい!」


 ナオ達がケンカをしている間に、ウロボロス達がどんどん包囲を縮めていた。


「やるしかねぇか……」


「そのようですね」


「こんなバカ共に目を付けられたのが、運の尽きじゃったわい」


 一ヶ所に固まって迎撃態勢を取っているノア達に、一斉に飛びかかるウロボロス達。


「飛んだー⁉︎ 気持ちわりー‼︎」


 だが次の瞬間、次々とコマ切れになって落下して行くウロボロス達。


「あ、あなたは‼︎」


「チッ。やっと起きて来やがったか」


『ホー』


「こ奴は!」


 そこに居たのは推定年齢10歳程の、オレンジ色でセミロングの美少女であった。


「全く……勇者パーティーが2人も居て、何やってんのよ?」


「ニーナ!」


「ニーナさん!」


「ホー」


(そうじゃ。ちんまいくせにやたらと強い女じゃったのを覚えておるわい)


『ホー。言っておくが見た目はこんなだが、ニーナは35歳だぞ?』


「35歳じゃとーっ⁉︎」


 驚きのあまり、声に出してしまうノア。


「いいっ⁉︎」


「バ、バカッ!」


 パンドラの箱を開けてしまったかのように青ざめる、クラフトとナオ。

 笑顔でありながらも凄まじい殺気を放ちながらノアを見るニーナ。


「今、何か言ったかしらぁ?」


「なな、何も言ってないニャン‼︎ そら豆ニャン‼︎」


『空耳だ』


「そら耳ニャン‼︎」


 本能的に危険を察知したノアが、直立不動の姿勢で答える。


「言葉には気を付けなさいね〜。あなたが可愛い女の子じゃなかったら、今頃コマ切れになってたわよ〜?」


「以後、気を付けますニャン‼︎」


 だがニーナの言葉に、また疑惑が浮上するノア。


(しかしさっきこ奴、可愛い女の子とか言うとったが、まさか?)


『ああ、察しの通りロリコンだ』


(貴様、絶対意図的にロリコンばかりを集めとるじゃろ?)


『違う! 断じて違う! 本当に実力者を集めたら、全員がたまたまロリコンだっただけだ!』







ドラゴンクエストとは関係ございません。

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