表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/118

第37話 自信ありげに言われたら不安になるよね

 ニーナ達が天井から落ちて来る少し前。


 城の近くの森で、どうやって魔獣の群を突破しようか考えているニーナ達。


「やはり、誰かが囮になるしか無いわね……クラフト!」


「何で俺様なんだよ⁉︎」


「あんたには絶対防御があるんだし、この魔界なら使い放題だから大丈夫でしょ?」


「いや確かに回数制限は無ぇが、ずっとかけっぱなしって訳にはいかねぇんだ。切れてる時に攻撃受けたらアウトじゃねぇか!」


「そこはほら……根性で」


「根性論かよ!」


「そんな事しなくても、あたし達が援護してやるニャ!」


「え⁉︎」


 ニーナ達が振り返ると、猫師匠を筆頭にBL隊の面々が続々とやって来る。


「あなた達は!」


「囮にするなら、シャル様が最適ですよ」


「フィー! 誰が囮ニャ⁉︎」


「いいえ、夏に備えて踊りを覚えたいと言ったんです」


「盆踊りニャ⁉︎」


「やはり空から行くのが良さそうですね? 上空の敵は僕が撃ち落とします」


「ネム達も獣魔装すれば空で援護できる」


「ハイなのです!」


「イケるよね? パル、チル」


「援交するの〜」


「ボケにしてもそれは問題発言なのよ!」


「そ、そんな事は母さん許しません!」


「地上の魔獣はあたし達に任せなさい!」


「大丈夫ですよぉ。パティちゃんが出て行けば、みんなパティちゃんの闇のオーラを恐れて逃げて行きますからぁ」


「まったくあんたは、どこに行ってもブレないわね〜」


 セラのこめかみを拳でグリグリするパティ。


「痛たた! 痛いですぅ! パティちゃんはどこに行っても暴力的ですぅ!」


「全く、いつも仲が良いなお前達は。防御なら俺に任せろ」


「あれぇ? あなたはどなたですかぁ?」


「レノだ! てか自分の兄を忘れるな!」


「あ〜、ごめんなさいねぇ。余りにも影が薄かったものでぇ」


「俺様達も久々に暴れるか!」


「ん? 君は誰だ?」


「ブレンだ! メリア! テメェまで似たようなボケかましやがって!」


「全員顔出したかニャ? じゃあそろそろ作戦実行ニャ!」


「行くわよ! あんた達はいつでも行けるように待機して、チャンスがあれば空から城に突入しなさい!」


「え、ええ! 分かったわ!」


「あのパティって人、何だか雰囲気がニーナさんに似てますね?」


「ああそれな。俺様も思った」


「あたしはあんなに禍々しいオーラは出して無いわよ。でも、何はともあれこの援軍はありがたいわ。ナオ! タイミングはあんたに任せるからいつでも行きなさい!」


「分かりました」


 そう言って、再び飛龍の姿に変身するナオ。


「さあ皆さん! 乗ってください!」


「おう!」


 飛龍ナオの背中に乗り込んだニーナ達。

 そして、魔獣達の包囲が一瞬緩んだ隙を見て飛び立つ飛龍ナオ。


「行きます!」


 あっという間に城の真上に到達した飛龍ナオが、いきなりクラフトに足の裏を見せる。


「そういえばほら、見てください! ちゃんと肉球は消しましたよ」


「オイバカ! 今言う事じゃ……」


「危ない‼︎ 上‼︎」


「え⁉︎」


 声を聞き、上を見るニーナ達。

 すると、メルクに撃ち落とされたガーゴイルが上空からニーナ達目がけて落下して来る。


「イヤアア‼︎ ナオ! 避けてー‼︎」


「間に合いません‼︎」


『絶対防御‼︎』


 咄嗟にクラフトが絶対防御を発動させたが、飛龍ナオは巨体過ぎて守りきれなかった。

 ガーゴイルは飛龍ナオの頭部に直撃し、気を失って落下する飛龍ナオ。


「フランクフルト!」


 固有能力の重力で、城の屋根に大穴を開けたジュディ。


「落ちるー‼︎」


 そして現在に至る。


「ナオ! しっかり!」


 すぐさま気絶しているナオに治癒魔法をかけるニーナ。


「ん……ここは……」


 辺りを見回したナオが、人間の姿に戻っているウルを見つけて驚く。


「ウ、ウルさん⁉︎ 人間に戻れたんですか?」


「ああ、あそこにいるユーキさんのおかげでな」


「何ですって⁉︎ で、では自分も元の男に戻してもらえるんですか?」


 喜ぶナオの肩をポンと叩くクラフト。


「ナオ……お前、何バカな事言ってんだ」


「バカな事って何ですか⁉︎ 男に戻りたいと思うのは普通の事でしょう?」


 そんなナオを今度はニーナが諭す。


「ナオ。あなた、自分の能力で男になれるんだから、別に今のままで良いじゃない」


「いや、良くないですよ! ウルさんが元に戻ったんなら、自分だって戻りたいですよ!」


 そこへ更にウルまで加わる。


「ナオ……お前、男の姿が本当にお前の元の姿なのか?」


「え? な、何を……?」


「ノアだって男だと思い込んでいたが、実は女の子だったんだぞ? お前のその記憶は本当に正しいのか?」


「ウルまで何を言ってるんですか⁉︎ 自分は……」


 3人に意味深な事を言われて、自分の記憶を疑い始めるナオ。


「……いや、確かに男ですよっ‼︎」


「「「チッ!」」」


 3人同時に舌打ちをする。


 ナオは騙されなかった……チッ!

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] > ナオは騙されなかった……チッ! 著者にすらwwwww (・д・)チッ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ