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第28話 そりゃ相手にならないよね〜

 猫師匠&フィーのコンビが、おふざけ全開でクロノスを撃破していた頃、いよいよ対七星魔天最後の戦いも決着しようとしていた。


 空に飛んだユーキを地上から見上げて文句を言っているゾンター。


「おいコラ! 降りて来ーい! 正々堂々戦えー!」


「んもう。そんな能力使っておいてよく言うよ〜」


 遂にはその辺に落ちている石を投げ始めるゾンター。


「ええ〜? もう子供のケンカじゃん……可哀想だから降りたげようかなぁ?」


 呆れ顔のユーキと、何故かそれを見てニヤリと笑うゾンター。


「……なんてな」


「えっ⁉︎」


 ゾンターの投げた石がユーキの横を通過した瞬間、全身の力が抜けるユーキ。


「なん、だ? 急に力が……」


 飛行状態を維持出来ずに、地上に降りてしまうユーキ。


「よお、おかえりー」


「へへ、た、ただいま〜」


「そしてさよならだ!」


 隠し持っていた剣をユーキ目がけて振り下ろすゾンター。


「ユーキ!」


 ギリギリの所でカオスに抱き抱えられ、無傷のユーキ。


「カオス? 復活したんだね? ありがと、助かったよ」


「元々の魔力差があるんだ。あんな妙な技、いつまでも効くかよ!」


「でもちょっとは効くんだね?」


「ゆ、油断しただけだ! それより、お前だってもう動けるだろ⁉︎ いつまでも楽してんじゃねぇ!」


 小脇に抱えたユーキをパッと離すカオス。

 子猫のようにお腹を抱えられていたユーキが、そのまま四つん這い状態で地面に落下する。


「いった〜い! 膝打ったじゃないか〜!」


「それぐらいすぐ治せるだろうが!」


「チッ。もう復活しやがったか」


 舌打ちするゾンターと、怒りが収まらないカオス。


「テメェ! 雑魚の分際でよくもやってくれたな! やはりテメェは俺が殺す!」


「ヘッ! その雑魚の能力にかかってイジケてた奴がよく言うぜ!」


「うるせー! 能力の正体さえ分かれば、テメェなんざ何も怖くねぇんだよ!」


「あ、そんな事言うとまた……」


 ユーキの不安をよそに、再びゾンターと対峙するカオス。


「効果範囲に入らなけりゃ良いんだろ⁉︎ さっきみたいに石を投げて来たって全部届く前に叩き落としてやるぜ!」


「そうかよ!」


 ゾンターが右足で強く地面を踏みつける。

 それを見て何かを感じ取ったユーキが叫ぶ。


「カオス! 下!」


「ああん⁉︎ 下が何だっハニャア〜ン……やはり俺はダメダメだ……」


「カオスぅぅぅ〜‼︎」


「俺の能力は、効果範囲に入るのは勿論、他の物質に能力をまとわせて好きなタイミングで発動させる事も出来るし、ついでに言えば、今みたいに地面を伝達させる事だって出来るんだよ!」


「そっか……中々厄介だね」


「さあどうする? このまま引き返すなら、今ならまだ見逃してやっても良いぜ?」


「う〜ん。有難い申し出なんだけど、やっぱりこのまま帰る訳にはいかないから、ゴメン」


「そうかよ……なら、めんどくせーけど、ここで死にな!」


「それも出来ないんだ。ゴメンね」


「さあ! もっぺん空飛んでみろよ! また撃ち落としてやるからよ!」


「ん? 空なんて飛ばないよ? だって飛ぶ必要無いからね」


「何訳の分かんねぇ事言ってやがる? なら、そこでイジケながら死にな!」


 先程と同じように、地面を踏み付けて能力を伝達させるゾンター。

 その衝撃波がユーキの足下を通り過ぎて行く。


「ハッ、終わりだ……」


 勝利を確信するゾンター。

 だが、ユーキに特に変わった様子は無かった。


「なっ⁉︎ 何故イジイジしねぇんだ⁉︎」


「イジイジ確定なのっ⁉︎」


「た、確かに能力は届いた筈! 何故何ともねぇんだ⁉︎」


「分かんねぇのか? ユーキがとっくに魔法無効化の結界を張ってるからだよ!」


 良いとこが無いカオスが、ユーキの代わりに解説する。


「結界……だと⁉︎」


「何でカオスが自慢げに言うんだよ?」


「だ、だってよ〜! 俺、今回はイジケてばっかで全然活躍してねぇじゃねえかよ〜」


「いや、それはカオスが相手を雑魚だと思って油断しまくるからだろ〜!」


「いや、相手はたかがいち魔族なんだからよ〜。油断すんなって言う方が無理だろ〜!」


「いやまあ、分かるけどさ〜。でもカオス、さっき僕を身を挺して守ってくれたじゃない。嬉しかったよ」


 ユーキの言葉に頬を赤くするカオス。


「お、おお……バッ! バカお前! そ、そんなの……あ、あた、あた、当たり前、だろ」


「テレちゃって〜、可愛い」


「可愛っ⁉︎」


 イチャイチャするユーキとカオスに苛立つゾンター。


「オイ‼︎ 俺を無視してイチャついてんじゃねぇよ‼︎」


「あ、ゴメンね〜。んじゃあ真面目に戦うから、かかっておいで〜」


「上から目線で言ってんじゃねぇー‼︎」


 素早く間合いに入ったゾンターがユーキに剣を振り下ろす。

 その剣を紙一重でかわし、ダンっと踏み込み居合斬りのようにゾンターの腹をロッドでなぎ払うユーキ。


「カハッ!」


 正に一瞬の出来事であった。


「な⁉︎ バ、バカな……何も、見えなかった……つ、強い……ガクッ」


「だって僕は最強無敵超絶美少女魔法使いユーキちゃんだからね。さすがに負けないよ」


「いやそれ、まだ覚えてたのかよっ!」



 ユーキ&カオスVSゾンター

 ユーキの圧勝(カオスはイジイジしてただけ)


 この勝利により、七星魔天全てを撃破したHEN隊、BL隊連合軍。





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[一言] カオス……┐(´д`)┌
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