表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
spade.  作者: 龍巳
7/12

囚われた学生

ミコトが次にリュウ達の前に顔を見せたのは、遊園地に行った2週間後だった。

フェイズ2戦も終わって報告をしに来たのだろうとリュウはまた確認もせずに開ける。



「相変わらず不用心だね。」



その姿を見た3人は驚いた、というより引いた。

長かった髪はバッサリ切られ、額や腕に包帯をグルグルと巻いた姿はどうしようもなく手遅れな気がした。



「ミコト君、髪…ってか、怪我!どうしたのそんなに。」


「カズヤさん、一旦ストップ。」



ミコトは数枚の紙をリュウの前へ叩き付けた。

その顔は憎悪でいっぱいだった。



「この仕事、俺には出来ない。」



そんな事をミコトが言うのは初めてだった。

カズヤもリトもオドオドとしてしまってリュウに視線を向ける。



「分かってて、俺にやらせるつもり?」


「……俺は、お前が適任だと、そう思ってお前に依頼したんだ。」



カズヤがミコトが叩き付けた書類を見る。

自殺した男子生徒______ミコトが以前、兄の友人だと言っていた人物。



「確かに短期間で虚無になる奴はフェイズ2になりやすいけど…(そんな設定ありません、俺が作りました。)でも、こんなの…」


「お前は過去に囚われすぎている。1回、『決別』してみたらどうだ?」



決別。

ミコトにとって耳が痛くなる程聞き飽きた言葉。



「…あぁ、そう……おにーさんがそう言うならいいよ、俺がやる。

決別なんて…もうずっと…!」



泣きそうな声でミコトは出ていった。

カズヤは心配そうにしていたがリュウは放っておけと言った。

リトも少し気にしていた。



「あいつはそんなヤワじゃない。あいつの兄貴がちょっとでも絡むとああなるだけだ。

あんま気にするな。」



リュウは半分ほど無くなった珈琲を啜った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ