最後の光
「これで終わりか。」
ミコトは笑った。
目の前でカズヤが倒れていた、きっと『おにーさん』がMeirを倒したのだろう。
ホタルもリトも倒れている。
ピクリとすら動かない。
「っう゛……」
ミコトだって立っているのが限界なのに、自分の魂がこの世界に縛られているのにはきっと理由がある。
自分を見てくれなかった両親を、
自分を信じてくれたホタルと、
自分を守ってくれたリトを、
自分に笑いかけてくれたカズヤを、
自分を愛してくれた人を、
自分が憧れた人を、
そして、自分と同じ気持ちだった兄を、
1度でいいから。
「守り抜きたかった。」
一筋_____、
涙がぽろぽろと零れた。
カズヤにはチホが居る、まだ彼だって楽器をやっていたいだろう。
ホタルは話し足りないくらい色々な話をしてくれた、面倒だとか言ってたのに。
リトは最後までぎくしゃくしてた、でも優しかった、気を使ってくれて、痛すぎるほど優しかった。
リュウ…clownは憧れの存在だった。強くてかっこよくて、とか…そんな単純な理由だった。
だけど憧れるには十分過ぎた。
彼は大きすぎたのだ、存在が。
「イザ、ナっ…」
兄の姿は霞んでいた。しかし微かに笑っているようにも見えた。
「しにたくない。」
目の前が霞んで、光に包まれたまま彼は地面に落ちた。
次で終わり