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暗闇を抜けて

何事も勉強だと思って書いています。

勿論これもそんな、そして少し奇妙な内容のお話。

駄文ではありますが、しばらくお付き合い頂けると幸いです。

んぁ……あっあれ?…ここ……何処?


気が付けばそこは真っ暗な闇の中だった。

大規模停電だろうか?いや、それにしてはまるっきり何も見え無いのはおかしい。しかも手探りで動き回っているが周囲には何一つモノらしい物に当たらないし、足元もやけに不安定でまるで浮遊しているみたいだ。


もしかしてブラックホールの中に吸い込まれるのは、こんな気分なのだろうか?


両手を目の前に持って来たがやはり見えず。依然としてただ真っ暗なだけなので、ひょっとして両手が、いや俺自身の体すらここには存在して無いんじゃないかとも思えてきた。そんな馬鹿な。


とにかくこのままでは何も始まらないから少し歩いてみよう。なぁに、狭い日本すぐ何かにぶち当たるだろうさ。


そうして一歩、踏み出したその時。


「うおっ!?」


後頭部からガクンと引きずり倒される様に落ちて行く…真っ逆さまに。


パッと目が開くと自分のアパートの部屋の中だった。

どうやらクッションに座りながら、うたた寝をしていたらしい。そしてすっかり寝入ってしまって首の力が抜け、頭が揺すられた衝撃で目が覚めた様だ。

口元のヨダレを拭きながらゆっくりと首を回してみる。頚椎の捻挫は…うん大丈夫か。幸い頭も打って無さそうだ。


それにしても妙な夢を観たなぁ。


部屋の中はいつも通り、やや雑然としているがゴミ類は落ちておらず。PCもあるし家具やリモコン類は普段使い易い位置にしたままだ。


とりあえず嫁の顔でも拝むかな?


PCをスリープモードから復帰してゲームを立ち上げる。嫁というのは所謂ゲームに登場するお気に入り登録したキャラの事だ。

うん、やっぱり嫁は良いな(二次元だけど)。

ゲームの日課にしている任務をこなしていると、ついさっきの夢の事などすっかりどうでも良くなってしまった。

その時、今度は外から妙な音が聞こえ始めた。

ガスッドカッ…何か殴るか蹴飛ばしているのだろうか?物騒だな。

無視を決め込むつもりだったが、続いて男性の悲鳴にも似た声も聞こえ出したので気になって仕方が無い。


「ちょっとだけ覗いてみるか?」

再びPCをスリープモードに切り替えて立ち上がる。


正直その声の主の事が心配…というよりは好奇心に勝てなかった。うん、まぁこれは仕方無いよな。

チェーンロックと錠を外して、ゆっくりとドアノブを回す。カシャッといういかにも安っぽい軽めの感触がして、ドアの隙間から光が一斉に部屋へと入って来る。眩しい…。続けて屋外の埃っぽい空気の臭い。そして光の中の顔…かっ顔?


部屋の外では見慣れない中肉中背の初老男性が一人、こちらをじっと見つめていた。

「あの…どちら様?」

本当は文句の一つも言いたいところだが、今まさに他の部屋を覗きに行こうとしていた手前それには抵抗があった。


「新入りさんだねぇ?ようこそ。」

ニッコリ笑顔で言う初老男性、いや待て?俺はもうここには三年近く住んでるんだぞ?それはこちらのセリフだ。

さてはこの男性が不審人物で先程からの騒音の原因…では無いか、音も声もまだ聞こえている。


かなり大きな音なのでこの男性も気になっている様子。やや薄くなった白髪交じりの頭をかくと「ふうっ」と一息吐いてから…。

「この音は角の部屋からでね、いつもの奴さねぇ。」

角の部屋にそんな人住んでいたっけか?ていうか“いつも”って何?そんなのは知らん。


やはり文句を言っておこうかとも思ったが、ここは冷静に二人で角の部屋の様子を観に行く事にした。うん、やっぱり怖いよね?誰か暴れてるみたいだしさ。


そうして問題の角部屋の前に辿り着いた。

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