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空の檻  作者: えんじゅ
EpisodeⅠ logbook
2/9

EpisodeⅠ‐Ⅰ

Tips the characters


エクサ・イシュノルア…………………勇者

アジルヒム・オルトレツィス…………魔術師

パール……………………………………剣士

ロゼンタ・グリムド・カー……………魔女

フラン・ミクシリア……………………槍士

エミール・コフィンロード……………賢者

リーシャ・トラム・ランベルジュ……王女

レイ・ナイトブランド…………………従者

ロー・シメオン…………………………操縦士

ムー・シメオン…………………………操縦士

アニィ・カプリ…………………………使用人

シャオム…………………………………作家


オルカーン………………………………怪鳥


『絶対に敵わない魔物が存在するとすれば、それは誰にも許されない罪を許してしまう己の瑕疵(かし)に他ならない』


――かつて崇められたもの




 豊穣の月、第三火祀の日。


 この時期のトラム王国は晴れている日の方が珍しいと聞いていたが、いざ足を踏み入れてみると、王国の空は清々しいくらいの好天に恵まれていた。

 燦然と降り注ぐ陽光にも負けず、活気に満ち溢れている城下町は、アジーが寄越した招待状の通り、遂に完成した飛空挺を国ぐるみで先に祝っているようにも見えた。

 かつてトラム王国を恐怖で震撼させた黒部の旅団の傷跡も薄れ、余所者に対して隔たりなく接してくれるこの国の民の気風に、俺の心も幾分か救われる思いだ。

 

 ただ、まぁ……なんといえばいいのか。


「勇者様っ!! お会いしとう御座いましたっ!! どうぞ、私の畑で採れた野菜をお持ちになってくださいっ!!」

「おぉ勇者様。見てくだされ、この国も今ではすっかりと平和になりまして……これも全て勇者様方のお陰です、ささっ、焼き立てのパンをどうぞ」

「わー勇者様だー。これ僕が拾ってきた綺麗な石ー、勇者様にあげるよー。ねーねー、勇者様ー、黒部の旅団と戦ったときのお話をきかせてよー」

「勇者よぉ、よくきたなぁ、この日をどれほど待ち侘びていたことか、よくきけ、俺の名は――」


 国民に囲まれ、屈託のない笑みと感謝の言葉を向けられ(一部例外は居るが)、次々と増えていく手荷物。

 辟易を隠す様に愛想笑いを浮かべているが、いつまで待っても開かれない城への道。

 今更ながら、馬車の送迎を断った事が悔やまれた。

 誰か助けてください。すごく……重いです。もう勇者の剣とか捨てようかな。あ、でも直筆サイン入りで売れば、しばらく生活に困らないんじゃねーか?

 

「エクサ・イシュノルア様ですね?」


 などと世俗的な妄想に逃げていると、不意にフルネームで呼ばれた。

 それまで晒されていた好奇心などの視線や声色と異なる、形式ばっていて、その奥に潜んでいる筈の感情がまるで捉えられない無色透明な声だった。

 国民の檻を掻き分けて、俺の元へ近付いてくる相手を見やる。ぱりっとした黒のドレスに白のエプロンが瀟洒に映える女性だった。

 僅かの汚れも見当たらない小奇麗な身なりから、どうやら高貴な人物に仕える使用人だと推測できる。

 トラム王国では珍しい、褐色の肌が印象的な子だった。

 猫じみた細い瞳孔を秘める金色の双眸もここ辺りでは稀有なものだ。

 日を反射して光輪を灯す漆黒の頭髪は、左右で長さが異なっており、長い方の毛先は肩に触れるか否かといった具合まで、さらりと伸びていた。


「あんたは?」


 問われた相手は流れるような仕草で優雅に一礼すると、続けて名乗り出した。


「アジルヒム・オルトレツィス様のお屋敷で雇われております。使用人のアニィ・カプリで御座います。僭越(せんえつ)ながら、この度はエクサ様をお城までご案内するようにと仰せつかっております。さっ、どうぞ、こちらへ」

 

 言って、アニィは国民の垣根を優しく押し退け、奥に隠れていた馬車をさし示した。 

 結局はこの顛末を見抜かれていたのだと、旧友に頭が上がらぬ思いで、俺は逃げるようにそそくさと馬車へ歩を向けた。


「あ、いてっ」


 が、色々詰め込まれた末にごつごつと膨らんだ背中の荷物が扉の枠につっかえた。


「失礼します」


 背後から、淡々とした声でアニィが告げた。

 後ろから圧迫される。どうやら彼女が俺を馬車の中へ押し込もうとしているらしい。

 国民達のどよめきがより一層大きくなったかと思うと、思いっきり蹴り飛ばされていた。その力加減がまた絶妙で、どうやらこの使用人は、使用人として生きる上では、大よそ不必要だと思われる力を、その華奢な肉体の裏に隠している事が理解できた。

 物好きなアジーに専属使用人として選ばれるくらいだから、普通の使用人である筈もないか。と、この時は納得していたのだ。


「なんとか入りましたね」

「……なんかさ、いや、別にいいんだけど……なんだろ、ちょっとさ、こう……もうちょっとね。うーん……まぁいいか、ありがとな」


 勇者なんて呼ばれることに固執している訳でもないし、そういう立場に拘っているつもりもない。

 いまいち煮え切らない思いがちぐはぐな言葉となって口を飛び出してしまったのは事実だが、こういう扱いの方が個人的には好みだ。いや誤解を招かないように記しておくが、あくまで友好的という範囲内でな。


「アジーは元気そうか?」


 緩やかに流れていく城下町を眺めながら、アニィへ尋ねかけた。

 視線の高さ付近まで盛り上がった荷物越しに対座するアニィは、俺に話しかけられた途端、目に見えない誰かが隣に座ってるかのような仕草で、より馬車の端へ身を寄せた。


「はい。飛空挺の完成の目途が立った翌日には、瑠璃聖石の資料をお持ちするように仰せつかりました」

「ははっ、もうすぐ桁が一つ増えるってのに(したた)かなもんだ。まぁ、あいつの場合、道楽混じりだから続くんだろうな」

 黒部の旅団殲滅作戦が俺達の旅の終着点となったわけだが、その後、アジルヒム・オルトレツィスだけが王の頼みで国の専属魔術師となり、この地に残った。

 あれ以降、パールもロゼもフランも故郷に戻ったと聞いている。俺は……ぶらぶらと一人旅を続けていたわけだが。

「エクサ様は、その……此度の招集に応じるおつもりなのですか?」

「そりゃあ、なぁ」

「怖くは、ありませんか?」

 勝気な目元をやや儚げに伏せて、彼女は絞り出すような調子で問い掛けてきた。

「東の空がか? それとも飛空挺がか?」

「飛空挺の心配には及ばないかと。私の疑問は、先程エクサ様が仰いましたとおり東の空にあります」

怪鳥伝説(オルカーン)か」

 自作型飛行船を操り各地を飛び回ることで有名なシメオン双子が東の空から持ち帰った唯一のもの。それが怪鳥伝説――嵐を意味する言葉を与えられた姿無き魔物オルカーンだ。

「オルカーンは人が空を飛ぶ事を許さないのだと聞きました」

「誰が言い始めたのか知らないけどよ、今は開化の時代なんて呼ばれてるわけだろ? トラム王が未踏の地に更なる繁栄を求めるのはそれほど不自然なことじゃない。東の空の障害を突破するために、わざわざ隠遁した勇者(おれ)にまでお声が掛かったのだとしたら、これは至極光栄なことさ。それに、俺はさ、根っからの旅好きっていえばいいのかな……元々、旅をする事自体が目的だったんだ。勇者なんて呼ばれ始めたのも、結果論みたいなものでね」

「結果論……ですか」

「誤解されたくないから言っておくが、過程で生まれる責任に対しての言い逃れじゃないからな。俺は……こうなったのは己の選択の積み重ねだと受け止めているつもりだ。良くも悪くも……な」

「……申し訳ございません」

「えっ、なにが?」

「私はその……英雄なる方を少々誤解していたようです」

「そっか、いやまぁ、認識が変わったのなら、それいいんじゃないか? あとさ、職業柄しかたないのかもしれないけど、そんな畏まらなくてもいいんだぜ? どうも堅苦しいのは苦手でさ」

「お心遣い感謝いたします」

 そう言って、アニィは微かに表情を綻ばせた。容姿相応の可憐な笑みは、僅かなりとも俺の鼓動を早める。

 使用人としてのアニィ・カプリではなく、一人の女の子としてのアニィ・カプリの一片を知れた気がして、ちょっとだけ照れ臭かった。

 なんて柄にもなくときめいていると、そんな俺の心情を嘲笑うかのような、ぎゅるるぅ、と地響きに似た……これは言い過ぎか。猫が喉を鳴らす様な可愛らしい音が聞こえた。

「はらへってんの?」

「どうかお構いなく」

 俺の右手には、ついさっき手渡されたばかりのバケットの包みがあり、そこからは悪魔めいた芳ばしい小麦の香りが漂っていた。

「これ食べる?」

 敵意を露わにした野良猫へ差し出す様に、おそるおそるバケットを持ち上げてみた。

 荷物越しに鋭い目を向けられ、思わず肩が縮み上がる。

「結構で御座います」

「アッハイ」



 その後、アニィの案内の元で、城のだだっ広い敷地の外れに建てられていた国王直属の研究施設、即ち飛空挺の眠る屋敷にてアジルヒム・オルトレツィスと再会した。

 正確には、先に王との謁見を済ませていたが、これは然して面白みがなかったので割愛する。トラム王も元気そうで何よりだった。

 

「おぉう、久しぶりじゃなぁ、エクサよぉ」


 しゃがれた声も、妙に尻上りな話し方も、俺達と一緒に各地を巡っていた頃となんら変わりない。

 あの頃から既に老熟しきっていた小人族(ドワーフ)の魔術師は、俺を見るなり、皺で狭まった目を片方だけ胡散臭く見開いた。

 独創的なセンスもまた相変わらずで、拳大程の紫水晶(アメジスト)をつばに取り付けた巨大なとんがり帽子も、裾が穴だらけの埃かぶれな外套も、四年前と同じだ。


「あんたも大概、かわってないな……」

「そうかのぉ? 最近は食欲もとんとおちてなぁ、酒も飲まなくなったわい。あまり動かずにいると神経痛も起こしてなぁこたえるのじゃ……それはそうと、おぬし、アニィはどうじゃった?」

「どうって……その、なんだ、あの子……どこから拾ってきた?」

「ほぅ、それがおぬしの口を初めについた疑問か。さすが鋭いのぉ……ままっ、なんじゃ、アニィについては追々話すとしよう。おぬしには先にシメオン双子を紹介しておきたくてなぁ」

「あいつらはまだ来てないのか?」

 俺はかつての仲間達――ロゼンタ・グリムド・カー、パール、フラン・ミクシリア――の所在を確かめた。

「パールは明日にでも到着する予定じゃ。ロゼは、まぁのぉ、ぎりぎりじゃろうなぁ。で、フランには断られてしまったわい」

「やっぱりか」

 フラン・ミクシリアは鳥人族と呼ばれる種族で、亜人種の多くに該当する独自の価値観を持ち合せている。彼等は文明の手が空へ届く事を冒涜行為だとして忌避している。フランも種族の掟に逆らわず、この旅の同行を断るかもしれないというのは予想の範疇だった。

「黙認してくれとるだけでも、彼女には感謝せねばなるまいとて」

「だなぁ……って事は、今回の面子は俺達四人と、操縦者のシメオン双子ってことになるのか?」

「いや、悪いがのぉ、今回はわしも同行できん」

「はぁ? けど、飛空挺の生みの親が乗らないんじゃあ、色々と不味くないか?」

「ふむ、その為にシメオン双子を早めに呼んでおるでな、それに……代わりは用意しとる」

「代わり……か。でも、なんで乗らないんだ」

「わしだって本心はお主らともう一度旅をしたいと嘆いておるわ。ただのぉ、今は王国専属魔術師である身じゃからのぉ」

「王だって許してくれるだろ?」

「わしが許せんのじゃ……。昨今、この大陸では次々と革新的な発明が成されておる。メリヴェールは今なお、廃れつつある魔術の発展に貢献しており、オールドパークでは浮揚鉱石や瑠璃聖石に続けて、新たな資源を開拓しておる。ラグランジュからもいまだに多くの魔器製作者(マギクラフター)がやってきておる。わしはなぁ、今やこの国の繁栄に助力することが生甲斐になりつつあるんじゃよ」

 アジーは戦闘面ではなく、長く培われた知識や小人本来の職人気質を生かした魔器製作(マギクラフト)などで俺達の旅を助けてくれた。老体に鞭打ってでも、かつての旅に付き添ってくれた日々を懐かしみつつ、俺は彼の想いに頷いた。

「そうだな、あぁ、あんたはそれでいいと思うよ」


 アニィがはなれ屋敷と呼んでいた建物内部は、馴染み深い建築様式が何一つ当て嵌まらない奇怪な構造を成していた。

 開化を象徴する様々な発明品が陳列された吹き抜けの小部屋が続き、その先には木材で仮組みされた鳥籠のような空間が広がっていた。

 薄い布で天蓋を覆っている鳥籠の奥に、噂の鉄の鳥……飛空挺は眠っていた。


「どうじゃ?」


 我が子を愛しむような、感慨深いアジーの声もどこか遠くなる。


「……すげぇな」

 感嘆の息が自然と言葉を紡ぎ、俺は目の前にあるものが幻ではないのだと確かめるため、何度も目を瞬かせた。

「全高 縦幅、横幅どれも主流となりつつある小型飛行船の倍はある。回転翼(プロペラ)は両翼に二枚、尾翼に一枚、全て耐久性に優れた白銀鋼(ミスリル)製のとっておきじゃ。邸内は三層構造で、わしらは甲板の高さに倣って地下一階、一階、二階と通称しておるが、この飛空挺の心臓になる浮揚鉱石(グラビニウム)が収まる動力室は地下の半分を占めておる。お主らが寝泊まりする客間は一階じゃな。二階には操舵室の他に遊戯室、書斎、喫煙室も用意しとる。あとは屋上に植物園と浄水溝があってな、飛空挺の底の貯水層まで濾過層を通して繋がっておる。したがって、動力室を除いた地下空間には貯水槽と排水槽、それに倉庫があるわけじゃ。食料は新鮮なものから日持ちする乾物まで、とくに酒類はたんまりとつんどるから安心せい」

「いざ怪鳥と戦うって場面になって酔い潰れてたら世話ねぇな。で、名前は?」

「ノイエヴェルじゃ」

新世界(ノイエヴェル)……か。正しく文字通り、既存の価値観をぶっ壊す大した発明だ」


 現状、この大陸で普及しつつある飛行船の丸まった形状とは根本的に異なる、どちらかといえば帆船に翼を取り付け、溶かした鉄でコーティングしたかのような……けど、海を渡る船とは絶対に違うと言い切れる、回転翼(プロペラ)の存在感。

 空気より重い物質が空を飛ぶ時代の始まりを告げるに相応しい威厳ある佇まい。

 開化の時代として後世へ語り継がれるにこれ以上ないほど最適な発明品ではないだろうか?

 こんなものを目の当たりにすれば、箒で空を飛ぶ魔女のロゼも皮肉の一つや二つぐらい零すかもしれない。それに、フランが旅の同行を拒むことで、一悶着を避けられたのだと安堵すべきなのだろう。

 そういやパールは昔、山脈を越えるときに橋の上で竦み上がっていた記憶があるが……あいつは大丈夫なのだろうか?


 ふと、ノイエヴェルの甲板に立つ人影を見つけた。こちらからは見上げる形となり、後頭部が垣間見える程度で、その人物の容貌までは判別付かなかい。


「ん、あいつが双子の片割れか?」

「あぁ、あやつは違う。お主、覚えておるかの? ほれ、第一王女のリーシャ様、あの方の付き人じゃ」

「ふぅん、その付き人とやらが、なんで姫様の傍を離れて、飛空挺の甲板になんて立ってるんだ?」

「さぁのぉ、わしも立場上、無碍にあしらうこともできぬて、好きにさせとるんじゃ。どうせ、姫様の我侭で渋々……といったところじゃろう。滅多に人前に姿を晒さぬ者じゃて、些か不気味ではあるがのぉ」

「ふぅん、姫様の愛人かなにかか?」

「ぬしのような下賤な勘ぐりを恐れて、衆知を避けとるんじゃろうな……王も、そこらへんの事情になると弁舌が鈍くてのぉ、まぁ、ぽっとでの老いぼれになど聞かせられぬ事情があるじゃろうて」

 話している内に、姫の従者らしき影は甲板の奥へと消えていった。

「へぇ、あんたはけっこうな信頼を勝ち得てるだろうなと思っていたが」

「それでも、越えられぬ一線というものがあるじゃろうて……いかに英雄であろうとな」

「……かもな。それにしても、リーシャ姫かぁ……四年も経てば、そりゃ綺麗になってるだろうな」

 四年前、まだ幼いリーシャ姫をちらりと拝見したのだが、なんか魔術の類なのではないかと疑ってしまうぐらいにきらきらしてた覚えがある。

「うむ、あの頃から既に麗しきお嬢様であったが、時を経るほどに美しさに歯止めがきかなくなっておる。ただのぉ、王を悩ませる時間も日毎に増しておる」

 歯切れ悪いアジーの一言に、俺は探るように声を潜めて尋ねた。

「なにか問題でもあるのか?」

「大袈裟なものでもないんだがの、王女に求められる才覚から逸れたご趣味に没頭しておるようじゃ……ともあれ、昨今では珍しい才女であられることに疑いはないとて、王も黙認しとるわけじゃが」

「ふぅん、まぁ、今回は顔を合わせる機会もなさそうだな」

「出立式があるぞい」

「あー、人ごみは苦手」

「そう言うと思ったわい。このはなれ屋敷にも客間はあるし、常に使用人も控えておる、不便はさせぬ」

「悪いね」


 それから暫らく、俺はアジーと飛空挺の周囲を歩いて回り、彼のしわがれた声から語られる、完成までの苦難話に耳を傾けていた。


「ふむ、ちょいと脱線してしまったが……エクサ、実はの、お主だけ早めに招待しておったんじゃ」

「なんでだ?」

「内密にしておきたい事柄があっての……まずはともあれ、シメオン双子を紹介せねばなるまい。わしの書斎で待たせておる、そちらへ向かおうぞ」

「あいよ」


 思えばこの時点で既に、俺は空の旅に不穏な気配を感じ取っていたのかもしれない。


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