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希う~世の中はいつだって非情~  作者: 那由他
終わりの続き
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始めに。

どもっす。那由他と申します。

思いつきで好き勝手やらして頂きやす。

よろしくね。

プロローグ.


はぁ、と一息ついた後に一言唱える。

「裁きの雷。」

そっと、ため息をつく程度の力で唱えた呪文が見渡す限りの魔物で埋め尽くす荒野をたった一瞬で、無に帰す。

なんていうか、別に俺はメタリックなスライムをひたすら狩り続けた訳でも、超錬金で出来た能力のカンストした武具を身につけてる訳でもない。

「なんだかなぁ。」

こういうのって、4人+αで馬車を引き連れてゾロゾロ移動しつつ、大量の傷を負いながら魔王の根城まで辿り着くものじゃあないのかな?

俺は今まで恐ろしい数の魔物を殺してきた。

だけど、傷一つ奴らからもらってない。

むしろ、今までの冒険で一番大きかった傷は洞窟を抜けたと思ったらそこにあるはずの床がなく、結構な高さを落ちて負った捻挫、である。

どうやら体は頑丈なようだ。多分普通の人なら死んでるか、瀕死の高さなんだけどね。

そのまま俺はとぼとぼと歩き、

「お邪魔しまーす…。」

魔王の城に入城っと。思い返せば、本当になんでもない旅であった。妖精の国を救う時だって、敵の親玉である吹雪の女王、だっけ?に炎の弱小魔法を放ち、それが吹雪の女王の腕をかすめた。と思ったら、いきなり悶えて消滅した。魔族の王様っぽい人が蘇らせた、地獄の覇者さんらしき人も恐ろしい魔法と斬撃を放って来たけど、俺の前では全て無意味だった。


今、まさに俺の目の前に立ちはばかるこの竜も、きっと大陸の一つくらい容易く消すほどの力を持っているのだろう。その竜が地獄より召喚した業火をはいてくる。その炎が、俺を包む。しかし、不思議な事に炎が俺の肌に触れた瞬間なのか、俺の皮膚を一枚何か膜のようなものを挟んでなのかは知らないが、炎が削り取られる。

そのまま炎を無視して進んで行き、竜の頭の中心に人差し指をトンっと乗せる。

それだけで竜の体は崩壊を始め、やがて消えた。

「…ごめん。」

俺は生命を奪ったことに対しては謝罪しない。そういう主義だ。そして、俺の力はどんな伝説の化け物だろうが、どんなに屈強な魔物だろうが、どんなに輝きのある過去を持つ魔族だろうが、一瞬で消滅させてしまう。

現代風に言うのなら、例えば君にとって憧れの人がいるとする。その人は素晴らしい過去や栄光、技術、思想を持つ人だとする。

いわば、その人の歴史だ。生きた証を、だ。

俺は一瞬で、唐突に、無慈悲に、嘲笑うかのように消しさる。

そのさまは、傍若無人、非情、人の皮を被った悪魔とまで呼ばれた。いやいや、魔なるものはあんたらだろうよ。

だが、たとえ魔族だろうと家族がいる。感情がある。そして、歴史がある。それを無下にし、俺は生命を奪う。何もないような顔で何事もなく消す。

弁明のしようがないのかもしれない。でも、代々続く歴史を踏みにじった事に対する謝罪だけはしなければならない。歴史を途絶えさせるとは、そういうことだ。責任を取るでは済まないことだ。だから、一言だけ謝る。

けれども、俺は今日も沢山の生命を絶つ。


そして、絶対的な存在の勇者、である俺の唯一の弱点であり、天敵。毒とでも呼べる。魔王だ。

そして魔王の玉座に辿り着く。

「あれ、いない。」

調べまわった後に一つの発見をした。

玉座の裏に隠し階段があった。

さしずめ、魔王の寝所だろう。

そこを降りると、壮大な景色が広がっていた。

東洋の島国風の城で言うなら、天守閣の少し下の部分に隠し部屋がある。そして、見晴らしは最高だった。

人が高層マンションに憧れる理由が分かる気がする。おっと失礼。この世界にはコーソーマンションなんてものは存在しないんだった。

その真ん中、一際大きいベッドの中心に小さく丸まっている、「奴」がいる。

「よう…5年ぶりだな。」

ふと、ワイヤーにつられながら魔物を狩る俺の姿が浮かんだがそれは別のお話。

「奴」は動かない。そのまま、「奴」の頭の中にそのまま動くな、と書き込んでやりたいくらいだ。話が逸脱し過ぎたな。小休憩っと。

俺は幼い頃に洞窟で拾った鋭く眩い輝きを放つ剣で魔王の首を狙い、振り下ろした。

俺の物語の終わりであり、未来へ続く始まりだった

少しでも読んでくれた方に多大な感謝を申し上げます。

どうかこれからも思いつきですが、よろしくお願い致します。

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