モノクロの世界
お久しぶりです!
今回の小説は短い文章を細かくして投稿していきたいと思います
それでは!
どうぞ!
「……居た……」
激しい雨の中、竜也にははっきりと見えた。
煤けたダンボールに入れられ毛布も何も掛けてもらえていない……一匹の真っ白な子猫を。
この雨の中、生きようと必死の声を出す。
まだ自分の身長でも届くか届かないかの大きな壁から必死に頭を出す。
だけどぎりぎりだから、ひょこっと顔を出しては直ぐにポテッと後ろに倒れる。
竜也は子猫を確認すると直ぐに駆け寄り、子猫を抱き抱えた。
にゃ~。
と猫は弱々しく鳴き竜也の体は雨で冷えているにも関わらず、少しの体温にすがり付こうと頭を竜也の胸にこすり付ける。
それを見た竜也は子猫を優しく抱きしめた。
「よ~しよし。もう大丈夫だからな?すぐ家に連れてってやるから」
わしゃわしゃと頭を撫でてやると子猫はまた今度は安心したように。
にゃ~。
と鳴いた。
衰弱してるだけだな……。
特に怪我もないし……。
生まれて育てられないから捨てたってところか……。
そう思って捨てた人間に憤りを感じたが居ない人に何を言ってもしょうがない。
竜也はすぐにその思考を頭を振って、捨て去った。
そんな様子を猫は見る。
自分のために憤慨する人間をまじまじと。
その純粋な眼差しで竜也を凝視する。
今までの子猫の様ではなく、まるで置物のような冷たい目。
そして子猫が目を見開く。
その瞬間に。
「つっ!」
髪から滴った雫が竜也の目に入った。
痛みの反射で瞬間的に目を瞑った。
「イッテェ……」
竜也は痛みを振り払うかのように、腕で目を拭う。
竜也の視界が一瞬闇に捕らわれる……。
そして竜也は目を開けた。
すると──。
目の前には違和感が存在していた。
それはもう今までの世界が、嘘だったかのような違和感。
違和感しかない。
今までの雨は?
音は?
色は?
物は?
人間は?
竜也の目の前に広がっているのはモノクロの世界。
初めての方も今まで見ていてくださっている方も初めまして!
この小説を読んで頂き本当にありがとうございます!
ちょっとずつでもアクセス数が増えて居ると
おぉ~読んで下さってるんだ~
ってすっごい嬉しいです
皆さんにもっと楽しく読んで頂けるよう練に練って物語を進めて行こうと思います
それでは次の投稿は?
11日くらいでしょうか♪