表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

神に選ばれし一族

作者: 小雨川蛙
掲載日:2026/04/24

 村に住む彼らは特別な一族だ。


「お前らはこんなに良いものを食べたことはないだろ? こんなに良い家に住んだことはないだろ? こんなに豪勢な暮らしをしたことがないだろ?」


 暇さえあれば一族はそう言って村人達を馬鹿にする。

 村人達は何も言い返せずに無言で俯く。


「俺ら一族はお前たちと違うんだ。選ばれた一族なんだ」


 そう言って一族はふんぞり返る。

 村人達を戯れに殴ることもあった。

 しかし、村人達はやはり無言で耐えている。


「羨ましいだろう。俺ら一族が」


 一族はそう言う。

 暇さあれば。


「変わりたいだろう。俺たちと」


 そう言い続ける。

 事実、一族はこの村で村長よりも強い権限を持つ。


「変わりたいと言えよ」


 けれど、村人達は変わりたいなどと思わなかった。

 いや、思うはずもないのだ。


「さぁ、神のもとへ参ろう。俺らはお前たちと違うから」


 そう言って。

 一族の一人が堂々たる足取りで神のもとへ向かう。


 三年に一人。

 生け贄をよこせと口にする悪神のもとへ。


 その背を村人達は見送った。

 彼らの存在に感謝をしながら――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ