スキル
続けて2話目、少し短い?
そして現在。
というか先ほどの神との邂逅の時は感情を奪われていたが、今になって思い返すと色々と怒りが湧いてくる。
勝手に記憶は消されるし、普通だったら怒ることも感情を奪われたせいで出来なかったし。
神だったらなにやっても良いのかよと思ってしまうところではあるが、今はそんなことを言っている場合ではない。
なんせここは右も左も分からない森の中。しかも今身に着けているものはぼろい麻の上下だけ、足など靴も履いていなかった。
「初期装備すぎるだろ……」
あまりの貧弱さに自然と言葉が漏れ出た。
幸いすぐ側に小屋があった。これが憑依前の説明で聞いていた小屋なのだろう。
「そういえばあいつが説明で小屋を用意していると言っていたな」
こんなところで独りぼっち、声を出して不安を紛らわせなければやっていけない。
一旦小屋の中なら安全かと思い入る。
小屋と言うには少し大きい石材と木材で出来たログハウスだな。
玄関を入ってすぐのスペースには土間のような調理場があり、奥へ入ると机と椅子が置いてある部屋が一つ。更に奥の部屋にはベッドが一つ置いてあった。
「結構広めの1LDKって感じかな?」
一人で暮らすには十分なスペースがあるのでほっと一安心した。
次に食料や道具はあるのか確認していった。
「え、この装備で何とかしなきゃいけないの? ガチでヤバくないか……」
まず見つけたのは部屋の壁に石槍が立てかけてあり、机には石のナイフが置いてあった。
正直この装備だけで未開の魔物蔓延る大自然を生き抜かなければいけないのかと考えたら眩暈がしてくる。
道具作りも考えないといけないの……?
気を取り直し部屋の中の物を確認していく。
調理場にある棚を漁ってみると、推定一週間分くらいの食料があり、棚の横には水の貯まった大きな壺が置いてあった。
「食料は芋と……謎の肉の燻製か。水は結構あるがこれでどの位持つんだ? 当面の食料はこれを頼るとして、これが尽きるまでに食い扶持を自分で作らなきゃな……」
改めて口に出し確認してみるが、想像よりも用意されていた物資が少なくガッツリ絶望する。
すぐにでも行動しないと本当に餓死してしまいそうなので、まずはこの小屋?の周辺を探索しようと思う。
この小屋は結界が張ってあるって言ってたから安全だと思うが、一歩出たら魔物だらけとかだったら最悪だしな。
「慎重に調査しよう」
自分に言い聞かせるようにそう独り言つ。
備えてあった石槍と意思のナイフを持ち、一先ず小屋から外の様子を眺めてみる。
「小屋を中心に木が生えておらず開けた広場のようになっている。そういえば小屋の周りに結界が張ってあると言っていたな」
一先ずこの広場の内なら安全なのか?出る前にスキルも確認しておくべきだな。
ステータスを開きスキルについて考える。
スキル
原始魔法Lv1
「火・水・風・土の属性魔法に加え、聖・邪・時空の概念魔法が扱える複合スキルである。
属性魔法は四大元素の概念を元に創られた魔法であり、世界を構成する物質が火、水、空気、土の四つの要素で出来ているという考え方である。スキルレベルによって属性が派生する」
操壺蟲 Lv1
「五蟲ノ一、魔蟲支配。亜空間に繋がる壺召喚を使用できる。五蟲思想とは動物や魔物を「五蟲」と言い、五種類の蟲に分類する考え方である。
魔蟲支配=虫や魔法生物を使役し召喚できるスキル(スライム、ゴーレム等々)
壺召喚=亜空間へ繋がる壺を召喚できる。術者や使役中の生物は壺の中へ出入り可能で、様々な環境を作り出すことが出来る。スキルレベルが上がることで拡張機能が解放される」
スキルについて考えようとしたところ、結構詳細な情報が頭の中に流れ込んできた。
「魔法かあ、何だか非現実的なものに感じる」
感覚的に感じた事は、前世では魔法は扱わなかったのだったのだろう。
それから魔力の運用や魔法発動に必要な意識操作に関しての情報が流れ込んできた。
不思議なのがこれらの名詞や言葉の意味を適切に理解できている事だ。これもスキルの力のお陰なのであろう。
「すげえ、スキルって不思議なもんだ」
今はまだ家の中、広場にすら出ていない。試す時は外に出てからにしよう。
次に操壺蟲の確認だが……なるほど、生物を使役して操れるスキルのようだ。
と言うかこの世界やっぱりスライムとかゴーレムも居るみたい……蟲って何だっけ?
こちらもスキルの説明に出てきた名詞や言葉の意味が理解でき、スキルの能力も正確に把握できた。
「虫、かぁ……」
虫なんてそこら辺にいくらでも居そうだけど何でも良いんだろうか?
それと壺召喚か、中々使えそうなスキルじゃないか。現時点で思いつく使い方は2つだが、レベルが上がれば出来ることも増えそうだし今後にも期待だ。
これらのスキルは実戦でいきなり使うのも怖いし性能調査をしてみることにした。
「一旦火事とか怖いし水魔法で」
そう独り言ち、最初に試すのは水属性魔法。小屋の入り口から外へ向けて水を出すイメージをしてみる。体内で循環する魔力を感じ前へ伸ばした指の先へ移動していく感覚がある。
すると魔法とも呼べないそれは起こった。
「チョロチョロ…」
それはホースで水を撒くぐらいの勢いだった。
「し、しょぼい……」
明確なイメージをしておらず、とにかく水を出すことに集中した結果なので仕方ないと言えばそうなのだが……
「次は水の塊を飛ばすようなイメージでやってみるか」
先ほどと同じように体内で魔力が循環していくのが分かる。
今度は指先に水の塊が発生し拳の倍くらいの大きさになったところで勢いよく飛んで行った。
「おお~イメージした通りに魔法が発動した!」
かなり勢いよく飛んで行ったので興奮してしまった。
というか水魔法があれば飲み水には困らないじゃないか!
「魔法って便利だな」
さらに魔法についての興味が湧いてきた。
続いて操壺蟲のスキルを確認するために小屋の前へと移動した。
地面には生物の気配どころか草木も生えていない状態なので今は魔蟲支配が使えない。
「蟻の一匹でも歩いてたら試せたのに」
仕方ないので壺召喚を試そう。
「壺召喚! ……あれ?」
スキルが発動しなかった。使い方が違うのかな?とも思っていたのだが……
「この感じ、魔力不足かな……?」
今はまだ壺召喚の能力は使えなそうだ。
であれば魔蟲支配の能力を試したい。
いずれは森の中へと行かなければいけないので、覚悟を決めて生物が居そうな結界の外へ行く準備を始めた。
まいどどうも~今回のスキルの説明部分変えるかも?
話の構成を考えるのって難しい。




