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一九四一年十月三日 サンクトペテルブルク電信局より

ゲオルクお祖父様へ

ゲオルクお祖父様、オリョールでの暮らしはいかがでございますでしょうか。こちらの病院では、もう雪が2,3センチ程は積もっているようです。残念なことに、私には霧のようにしか見えません。こんなものでどうしてみんなよろこぶのでしょう?雪が降るとルイザ先生といっしょに外庭にはいけないので、こうして、代わりに手紙を書くらいしかやることがないので退屈です。ずっとずっと先のことですが雪が溶けたらまた、先生たちと一緒に林檎の森に行くのが楽しみです。そのときは、お祖父様も来てくれたら嬉しいです。

                           カテリーナより


追記

御無沙汰しております。現状、症状の著しい悪化は見られませんが、恐らく、虹彩部分の先天的な異常が災いし、網膜部分に通過する光量が通常より低いことで目が見づらくなっているようです。念の為、来週末に水晶体屈折力の検査も行います。コルヒチン等の投与である程度抑制しておりますが、失明の可能性を否定できるほどの快方には一向に進みません。其れと、近頃、政府で秘密裏に諜報機関を設立する動きがあります。今こちらに来るのは危険です。委員会の国際部の方に頼んで、そちらのビザの延長はしておきました。少なくとも、帰国はあと3,4年は待ってください。どうかお元気で

ルイザ・イヴーノヴァ・モロトフ

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