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切り札は1日一回



おぉ、下で狼くんがものすんごく睨んでる。

まぁそりゃそうか。

大技をおいっきり食らった後にめっちゃ高いところから落とされたんだからな、ダメージもある程度大きいだろう。


それで具体的なダメージは……おぉ、1400から700まで落ちてる!


落下ダメージ最高!


と、ここまではいいけどどうするか。

さっきの青白くなって空に浮かんでたやつ、あれはおそらく狼くんのスキル、蒼雪闘気フロストオーラだろう。


効果はステータス強化、空を飛べるようになる……とかか?

スキルの詳しい内容までわからないから予想になるけど。


さっきの星氷波で魔力は640から40まで下がった。

スライムとき打てなかったのはやっぱり魔力不足によるものだったのだ。


っていうか消費魔力多すぎだろ!


最大650だから星氷弾丸が魔力10消費することになる。

それで残ったのが40だから消費魔力600!?

そりゃ打てないわけだ。


ビッグスライムくんのときに打てたら魔力マイナスになってたぞ。


残った星氷魔法での攻撃手段は二つ。

一つは星氷弾丸、もう一つは星氷拡散。

でも星氷弾丸はあいつ余裕で避けるから論外。


もう一つは星氷拡散だけど……残り40であってもあまり効果ない気がする。

こういうのってだいたい……


星氷魔法:星氷拡散アイスブラスト

ターゲットした敵に向けて拡散した追尾する、ユニーク属性「星氷」の魔力で攻撃する。

攻撃力は注ぎ込んだ魔力によって変動する。


ほら、やっぱりそうだ。

魔力がたった40しかなくても打てるからな、そうだと思ったんだ。

そんで他になにかいいのは……


「おっ、これとか行けるんじゃないか? ってうぉぉっ!」


なんだ? 急に体勢が……あれ? 俺落ちてね?

え? なんでなんで!?

俺別に何もしてないぞ!?


「……再使用まで後5分……」


え、あーなるほどね。

どうやらこのスキルは1分間ずっと魔力消費なしで飛んでられる代わりに1分切れるとそのまま落下していくらしい。

そんで落下ダメージありっと。


あ、おわた。


「おわぁぁぁぁ! ちゃんと説明読んでおけばよかったーーー痛っ!」


あれ?

死んでない、俺生きてる!


体力は……350。

落下ダメージは300ダメか……ってことはあの星氷波400ダメだったの!?

マジか、レベル2でここまで出すのか……レベル25相手に。


ってそんな場合じゃない!

早く白狼を認識しないと!


俺がそうやって慌てて辺りを見回すと前から怒りに顔を歪ませた白狼がゆっくりと現れた。


「グルゥゥゥゥ……」


……さぁ、どうくる!


「グオォッ!」


「!? まっすぐ飛びかかって!?」


やばい! スキル突撃は赤いオーラが出てからだからわかるけど、そのままスキルも使わず飛びかかってくるとは思わなかった!


俺は


攻撃を受ける=死


つまり、死ぬ!!




目を開けると、そこは霧に包まれていた。


「……生きてる!? それにこれは……霧?」


周りがよく見えない。

うっすらと木のある場所がわかるくらいだ。


俺がそう慌てていると


「ウォォォォーーーーーン!!!」


「うわっ! なんだ! あの狼の遠吠えか!?」


白狼の遠吠えが聞こえた。

そしてその次の瞬間……


「……なんでここに狼が……」


先ほどまでは全く気配を感じなかった……スキル探知でさえも反応しなかった場所に白狼がいた。


「くっそ! レベル2の俺の素早さじゃああいつの攻撃を避けられん!」


どうにか見切るしかない。


そうして互いに睨み合っていた時、先に動いたのは白狼だった。


「チッ! お前音もなく突っ込んでくんなよ!」


……ん、待てよ?

いくらなんでもあいつも攻撃の時は枝などを踏む音とかそういった音はしたぞ?

音を消すスキルなのか?


いや、だったらわざわざ姿を現さないで死角から攻撃した方がよっぽどいい。

それにこのスキル、記憶が確かなら雪霧だったか?


霧は確かに出ている、でも音は?

音の文字はかけらも入っていない。

だとしたら音を消す効果は……


いや待て? 

雪は音を吸収するとかなんかそういった話を聞いたことはあるぞ?


……あぁ、もうわけわからん!


「とりあえず避ける!!」


俺は間一髪で攻撃を回避し、そのまま再び狼と対峙した。


「いない……?」


なんでだ!?

さっきは確かに俺に向かって飛びかかってきたんだ!

こんな一瞬でどこかに移動するなんてあり得ない!


素早さ700は目で見えないスピードじゃない。

よく探せばまだ見える。

だがこの霧の中じゃ目はあまり意味ないがな。


「ん? あれ、なんでだ? 木が折れてない……」


俺は木の真ん前に立っていたはずだ。

だからこそ木を蹴ることで回避することができた。

もし俺のところに攻撃したのなら絶対に当たって壊れるはずだ。

何せ攻撃力は500あるんだからな。


それで木も壊せないのは流石にあり得ない。

つまり、木に攻撃できていない。

もしくはダメージを与えられていない、ということだ。


「これは検証してみる必要があるな」


「ウォォォォーーーン!!」


「おっ、ナイスタイミングだぜ狼くん!」


再び探知にも引っかからず現れた白狼。

今度もまっすぐ俺に突っ込んでくる。


そして再び木を使って避ける。


「……これは……そういうことのようだな」


検証結果は幻。


木は折れてはいなかった。

それどころか何かに触られた様子もない、あるのは俺の蹴った跡ぐらいだ。


「つまりこれらはすべてこけ脅し。おーい、どこかで見れるんだろ? 狼くん! お前のタネは見破ったぜ!」


さぁ、どうする狼くん!

このままじゃ俺は倒せないぜ?


というか逆に攻撃してきてもらわないと困る。

それこそ殺す気で。


「ウォォォォーーーーーン!!!!」


俺がそう挑発すると今度はさっきとは違い怒りに満ちた遠吠えを出した。


そして再び現れる音なし、探知反応なしの幻。

これは無視してOK。


幻は俺をすり抜けそのまま消え去った。


「……!?」


なんでだ!? さっき避けて消えたはずだ!

このスキル、今までのから考える幻を出すにはまず遠吠えをする必要があるっぽい。

なのに、なのに……


「なんでいるんだよ幻!」


しかも一体だけじゃない、2体、3体……いやもっとだ!

数えきれないほどの幻がある。

いくら白狼でもこれだけ出したんだ、相当魔力を消費しただろう。

つまりこれがラスト攻撃。


「さぁ、来い!」


俺のその言葉と同時に次々と襲いかかってくる幻。

俺はそれをそのまま無視していく。

そして探知に反応あり!


「いた! そこか!」


そこには幻の横に突っ立っている本物の白狼がいた。

そしてそのまま疾走!

しかし俺を襲うことはしない。

ずっと辺りを走り回っているようだ。


さっきから途切れ途切れに同じ反応するからな。


いや待て、これはやばい!

俺の探知では逐一あいつの場所を確認できない。


それに幻と本物の姿は瓜二つだ。

幻に紛れて死角から攻撃されたらたまらない。

しかもここには木などがない開けた場所だ。

これじゃ避けらん!

クソしくじった!

この状況はマジでやばい!


どこだ!?

どこからくる……


「グォォッ!!」


「そこか! 星氷結!!」


その瞬間、辺りが凍る。

周りの霧は晴れ、そこには狼を模った氷のオブジェがあった。


俺の切り札。

スキル、星氷結。


それは相手の攻撃にカウンターをするスキル。

突進してから相手が自分に与えるダメージをそのまま相手に返すという1日に一回しかできない技だ。


相手の攻撃に合わせる必要があり、1発で倒すには相手が全力で攻撃するとき。

青白いオーラ、蒼雪闘気フロストオーラを纏って突撃スキルを使って突っ込んでくるとき!


「お前の敗因は、勝ったと油断して声を上げたことだ」


『フィールドボス:白狼《希少種》の討伐に成功しました』


俺の勝ちだ!



2500文字くらいで終わらせようとしたら3300文字に……


ボス戦描くのは大変だった……


次回はリアルです!

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