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家族会議



ログアウト後、俺は速攻台所に向かった。

理由は単純、腹が減ったからだ。


ずっとゲームをやっていたからな、腹が減ったのだ。

冷蔵庫にあるもので何か作れないかと思いながら向かうと、そこにはスマホを見ている姉ちゃんがいた。


「あれ? 姉ちゃん? 台所にいるなんて珍しいね」


「ん? あぁ。お父さんお母さんから連絡が来てね。もうすぐここにくるらしいんだ」


え? マジ?

くるの結構早かったなぁ。


……てか昼用意してないんだけど!

やば、どうすっかな。


そう思ったがどうやらその心配はいらないらしい。


「あっ、昼については大丈夫。向こうで弁当買ってくるって」


「そう……よかった……」


最悪昼なしで腹鳴らしながら話すことになったからな。

いやまぁその前にご飯食べようとするんだろうけど……俺と母さん以外料理下手なんだよなぁ。

まぁ弁当買ってくるなら関係ないか。


ピンポーン


「あっ」


「とか言ってると来たね」


俺は姉ちゃんのその声を聞きながら玄関に向かう。

確認するとそこに俺の両親が立っていた。

俺が懐かしがってるとよこから姉が出てきた。


「おーい、ただいま」


父さんの声がする。

姉はそのままドアを開けながら


「おかえり」


と言った。 


その瞬間、


「うん、ただいまぁ!」


という嬉しそうな声を上げながら姉に抱きついた奴がいた。

それは父さんでも、もちろん俺でもない。


「ちょっと、お母さんやめてよ」


母さんだった。


うん、やべぇ。

確かに思っていたよ?

母さんは親バカだってよく思っていた。


でも流石にこれはやばい。

海外に行く時もめっちゃ嫌そうだったし離れているとここまでになるのか。

一応俺は高一、姉さんは大学二年だし。

いや、母さんにとって高一はまだ子供なのか?

まぁいいか。


とりあえずこのままいるとやばそうだから逃げよう。

うん。


「おぉ……息子が娘になってる……」


「……あっ」


俺がこっそり逃げようとするとそう言われた。


「……父さん」


「いやぁ、お前だいぶ変わっちまったなぁ」


まぁ、性別変わってるしね。

ってかよく驚かなかったな。

姉ちゃんは驚いたのに。


と、思っていると姉さんが母さんから解放された。


「グヘェ……」


「ね、姉ちゃん大丈夫!?」


「だ、大丈夫じゃ……ない……かも……」


あっ、これがちのやつだ。

スポーツ得意で体力がある姉ちゃんがこれって……運動部じゃない俺がこんな目にあったら……死ぬくね?


「さて、次は……」


姉ちゃんの背後から母さんの声が聞こえる。

か、母さんが鬼に見える。


「えっ、いや、あの……一応やめてくれたりは?」


気のせいかな……母さんがソワソワしているように見える。

そしてこちらに向かって歩き出す。

あっ、俺死んだわ。


「うぎゃぁぁぁ」


痛い! 痛いって!

めっちゃ痛い!


と、父さん……助けて!


「……がんばれよ」


父さん!?

ちょっ、助けてよ息子でしょ!?

いや今は娘だけどそれでも自分の子供でしの!?


「ぎゅう〜」


「うわぁぁぁぁぁ」






「で? なんで二人は俺が海樹だってわかったんだよ」


母さんの束縛から解放された俺は配られた弁当を食べながら早速そう質問した。


弁当うま。


事前に連絡していた姉ちゃんでさえも驚いていたのに全く連絡してない二人が驚かなかったのが不思議だったのだ。

姉ちゃんには今の姿も見せていたしな。


「あぁ、それに関しては私からお父さんお母さんに写真送ったんだよ」


「え? でも俺別に写真撮られた覚えないぞ?」


いつの間に写真を?

まさか盗撮……!?


「私がきた時さ、海樹放心しちゃった時があったでしょ? その時にスマホでとって送っていたんだよ」


あっ、あの時に撮られてたのか。

なるほど、どうりで気づかないわけだ。


「それで、息子……娘よ。ゲームでそんな姿になったというのは本当なのか?」


「ちょっと、父さん! わざわざ言い直さなくていいから!」


「ほら、いいから答えて?」


あっはい。

母さんには敵わないっす。

もうなんかね、トラウマっていうの?

母さん見るたびにさっきのことを思い出して怖くなる。


「えーと、ゲームをやったらこうなったっていうのは本当。でも理由は知らない。こっちが知りたいくらいだし」


「まぁ、だったらこんなに慌てないよなぁ。いや慌てるだろうけどそのとき説明するだろうし」


だろうね。

性別が変わったなんて一大事が起きたら原因知ってても誤魔化すなんてことしないよ。


「それで病院にはいつ行くの?」


俺がそう聞くと三人は話し始めた。


「うーん、病院ねぇ。そもそも性別が変わった。っていって信じられるものなの?」


と、姉ちゃん。


「確かにな。しかも原因がゲームっぽいっていうので尚更な」


と、父さん。


「可愛いし私は別にいいけどね」


おい、母さん。

一体何言ってるんだよ。


でもそうだな。

医者に「ゲームやってたら性別が変わりました。見てください」なんて言ってもそんなの信じられるわけないよな。


俺だったら信じないし。

追い返されるだけだろうな。


「ちなみに今の海樹の状況を知っているのは俺たち家族以外いないのか?」


「いや、俺もこの姿になっていることを自覚して困惑している時にタイミングよ〜くきた勝と透は知ってるぞ」


「そうなのか。すごいタイミングできたな」


そう、それなんだよ。

マジであいつらタイミング良すぎたからな。

なんで俺が返事する前に来るんだよ。

普通返事もらってから来るだろ!


「2人からこのことが広まってるってことある?」


「いや、ないと思う。2人とも言わないって言ってたし。そもそも話しても信じないだろ」


「まぁ、確かに」


「それもそうか」


透はこういうこと絶対に話さないし、勝はことの重大さがわかるやつだからな。

透はダメだけど。


「だからこのことは外に出かけるとかそういうことがない限り大丈夫だと思う」


「そうか、だったらひとまずこの夏休みは大丈夫だな。特に予定はないから」


「問題はその後。2学期だよ。どうすればいいかな」


「流石に性別変わりました! なんてわけにはいかないしここは無難に転校生として行くしかなくない?」


確かに無難だな。

そういうの1番やりやすいし。

でも……


「俺はどうするんだ? 何も言わずに学校に行かないわけにはいかないだろ」


「うーん、ダメ。私にはここまで。あとのことは3人で話しておいて」


ここで姉ちゃんはギブアップか。


「とりあえずそのことは母さんと父さんで考えておく。あとは任せておけ」


「わかった、ありがとう」


こうして初めにハプニングがありつつも家族会議が終わった。

あとは両親に頼むとしよう。



両親が登場!

2人の結論は一体どうなるのか!



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