NPCとのハプニング
んでどのクエストにするか……
俺は水の都市アクレイアのギルドで悩んでいた。
ダンジョンor湖
このゲームにはダンジョンが存在する。
ダンジョンは大型洞窟の外見をしている。
ただし洞窟といっても鍾乳洞だったり炭鉱だったりといろんな種類があるらしい。
その中ではその地域周辺のモンスターが生息しており、下に向かうほどモンスターは強くなっていく……とまぁ、中身はよくある感じのやつだ。
ダンジョンといえば最下層で待っているボス! だがしかしこの都市では湖にフィールドボスがいそうである。
この都市の大目玉と言っても過言ではないところだし、ゲームだったらこういうところに潜んでそうだ。
ダンジョンももちろん行ってみたいがユニーククエストのフィールドボス討伐も忘れてはならない。
まぁ、希少種だから散々やる羽目になるんだろうけど……
散々やるんだったら後回しにするぜ!
ということですダンジョンを選択。
ダンジョン内にな宝箱とかもあるらしいし、もしかしたらフィールドボス戦に役立つものが手に入るかもしれないからな。
ま、手に入れられたらいいなぁ……くらいのものだが。
受付の人に聞くとダンジョンは反対側の湖に面した崖のところにあるらしい。
そしてそこにいくためにはギルドに近いところにある港から出ているダンジョン行きの船に乗るのが1番なんだと。
「ってことでおっちゃん! 船に乗せてくれ!」
「お、おう……わかった。だけどちょっと待ってくれ、流石に準備がいるからな。それにお前だけを乗せていくわけじゃないし」
それもそっか。
「わかったよ。それで、いつくらいにくればいいの?」
「そうだな……30分後くらいにきてくれ」
「りょーかい」
ダンジョン行きの船は結構大きかった。
流石に1人で行くのではないと思ってたけど想像以上だった。
なんだろう……いわゆる屋形船?
言い方合ってるかわからないけどザ、日本って感じの船だ。
水の都市って名前だったからベネツィアだっけ?
そんな感じのものだと思ってたけど日本要素もあるんだな。
まぁこの大きな湖をヨットとかボートで移動するっていうのもなんか違うしなぁ。
これがいいのかも。
それで30分か……その間何してるかな。
金は……25,000か。
フィールドボスとビッグスライムの報酬が思ったより大きかった。
……でもSランク武器を買うにはまだまだなんだよなぁ。
どんだけ高いんだよクソッタレ!
とは言ってもこの都市で買い物するには十分だろう。
何か買っていくかな。
欲しいものといえば……武器、ポーションくらいかな。
でも武器はランクBで数万って言ってたけど2万ちょっとじゃ足りないだろうし買うんだったらポーションかな。
星氷魔法とか武具スキルとかそう言ったものでよく魔力がなくなるからな、魔力回復薬とかそう言ったものがあると嬉しいかも。
希少種と戦うんだったら尚更な。
そう思ってギルドに聞いてポーション屋にきたはいいけど……
「〜〜〜♪」
なんか深くフードを被った女の人?(声的に)が歌いながら商品を見ていた。
いや、うん。
めっちゃ気まずい。
気にせず歌ってるから多分俺が入ってきたことに気づいていないんだろうね。
うーん、どうしようか。
これは無視しておいてほうがいいのかな……流石に知らない人に
「あの、俺います」
とかそう言って存在しますのなんかやなんだよ。
そう思いながら少し離れたところから見ていると女の人の上に表示がされた。
『NPC:???』
あ、NPCなんだ。
よかったよかった。
だったら気にしなくても大丈夫だな。
……というかNPCもプレイヤーの使える店に来るのか。
なんのために?
まぁいいか。
「魔力回復ポーションは……あ、あった」
俺が探していた魔力回復ポーションを見つけそう呟くと
「!? だ、誰か来ていたんですか!?」
そうNPCが叫んだ。
あっ、すみません、いました。
「あっ、あの!」
「はい?」
うおっ、なんか話しかけてきた!
なんのよう……ってまぁ、まず間違いなくさっきのだよなぁ。
「えっと、い、いつから来てましたか?」
「ついさっきです」
「じゃあ私の声は……」
これは……言ったほうがいいのか?
いくらNPCとはいえ流石にこれを答えるのは……
「言ってください!」
あっ、はい。
「えーと、なんか歌声が聞こえたような……?」
「!?」
俺がそう言った瞬間、NPCの顔が真っ赤に染まる。
結構可愛い。
「それ本当ですか!?」
「嘘言ってどうするんですか」
「で、ですよね……」
「…………」
「…………」
き、気まずい。
さっきよりもよっぽど気まずい。
どうするか……そうだ! ここは!
「あっ、すみません。用事を思い出したので失礼します!」
逃げるが勝ちじゃあ!!
「え!?」
ということで逃走!
しばらく走って先ほどの港付近についた。
「おい嬢ちゃん! まだ準備はできてないぞ!」
「あっ、いえたまたまここら辺を通っただけなので」
「そうか、悪いがもう少し待っててくれ」
「はい」
ごめんねおっちゃん。
急かすつもりはなかったんだ。
と、俺がそんなことを思っていると
「い、いたぁ!」
「え?」
その声に反応して後ろを振り向くとさっきのNPCがいた。
今度は走ってフードが取れて素顔が晒されていたが。
金色の瞳と抜群のスタイルを持ち、ピンク色の髪を肩にかからないくらいまでおろした女の子がそこにはいた。
服装は司祭服のような感じ。
僧侶とかそう言った回復系の職業なのかな?
「えーと、なんのようですか?」
「ポーションを買いに来たってことはどこか冒険に行くってことですよね!」
冒険……まぁそうか。
行くのダンジョンだもんな。
「まぁ、そうですね」
「だったら私も一緒に連れて行ってもらえませんか?」
「え?」
「私行ってみたかったんですよ! 冒険とか!」
『突発クエスト:冒険の追従者 が発生しました』
あっ、これクエストなの?
「どうですか?」
「えーと、これから行くところは僕も初めてなんだけどそれでもいい?」
「大丈夫です!」
本人からも了承もらったし、それにクエストだしいいかな。
どのみち1人で攻略予定だったし1人増えても問題ないでしょ。
「うん、いいよ」
「本当ですか!? ありがとうございます! あっ、私の名前はルナっていいます! よろしくお願いします!」
『クエスト受諾により、NPC:ルナがパーティに加わりました』
「これからしばらくよろしく」
「はい、よろしくお願いします!」
そうして俺はNPCルナと一緒にダンジョンを攻略することとなった。
ついにダンジョン!
いやあ、やっぱこう言ったものにはつきものですよね!
果たしてNPCルナとのダンジョン攻略はどうなるのか……待っているかわからないですけどお楽しみに!