なんかに絡まれました
短くてスミマセン
さてと、早速次の街に向かって行こうか。
ギルドで地図を買ったことでマップに道順と次の町の名前が開示された。
地図を買うことでマップ開放、便利でいいね。
……で、次の町の名前は……
「アクレイア。水の都市……ね」
アクレイア、最初の2文字と最後の1文字でアクアか。
水の都市ってことだから水系のモンスターが多いんだろうなぁ。
「アクレイアに向かう道のりは普通なんだけどな」
俺はそんなことを思いながらもマップのルート案内に従いアクレイアへと向かっている。
そこには軽く整備された道が続いていた。
周辺は森しか見えん。
マップにはサウザンの森と書いてある。
「どんだけ広いんだよサウザンの森」
え? ってことは何?
俺こんな広いフィールドの中で見事に希少種のフィールドボス、白狼を当てたの?
うーん、運がいいんだか悪いんだかわからんな。
まぁ、確率的には運めっちゃいいんだろうけどさ。
それだったらなんか森の中の宝とかそう言ったのが良かったなぁ。
あるのかは知らんけど。
……で、だ。
「ヒャッハァー! そこのプレイヤー! 持ち物全部置いてケェ!」
「そうだ! 置いてけ!」
なんかに絡まれてます。
なに? なんかするたびに絡まれる体質なの?
うわぁもしそうだとしたらどっかで無くせないかな。
神社とかいって除霊してもらう?
いや、霊じゃないしダメか。
「おい! 何無視してんだよ! わからないのか? 持ち物全部置いてけって言ってんだよ」
「えーと、これは……初心者狩りということでおけ?」
「そうだ! 名前の部分が赤くなってるだろ、これがPKした証拠だよ! さぁ、さっさともちもん全部だしな! 殺されたくなければな」
「俺らはレベル15だぁ! さっさと持ち物置いてけ! 特に職業武器!」
いやあのさぁ、なんで奇襲とかそう言ったことしないで自分から姿晒すかな。
絶対奇襲した方がいいじゃん。
しかも目的まで明かしてるし……
まぁ、初めの街からだから装備もレベルも自分たちより低いって思うのはわけないけどさぁ。
とりあえず鑑定……
『簡素な道:スコップで平らにされた簡易な道』
ありゃ? なんで目の前にいるプレイヤーじゃなくて地面の道が鑑定されてんだ?
……あっ、そうか。
この鑑定、プレイヤーには使えないんだった。
できるのはモンスターと道とか道具だけ。
プレイヤーの鑑定にはまた審査っていうスキルがいるんだった。
まぁ、そのスキルは相当レアらしいけど。
「おい、何無視してるんだ! クッソ舐めてやがる! 行くぞ!」
「おう!」
初心者狩りA、初心者狩りBが勝負を仕掛けてきた!
どうする?
逃げるが勝ちだぜ! さっさと逃げる
▶︎いや、レベル5も下だしボコすっしょ
「ガハッ……」
「グヘェ……」
地面に横たわっている初心者狩りA、Bを見て
「よし、これで終わり」
俺は満足げにそう言った。
正直弱い。
うん、弱かった。
やっぱ狼くんと戦っているとマジで弱く感じる。
だってこいつら無闇矢鱈に突っ込んでくるだけなんだぜ?
武器もランクDとかのものだし、スキルをただ打ちまくってただけ。
「クソが! なんで攻撃当たらないんだよ! 大きくてもレベル10とかそんなもんだろうが!」
あーいやこちとらその2倍はあるんです。
「それなのにスピードが高いってどういうことだよ!」
いや、それはレベルの差です。
なのでスピードに振ってないあなたより早いのは当然です!
と、いう義理はないので
「なんでだろうね? ま、いいや。こっちは先に行くからあとはご自由に〜」
「え? あっ、ちょ待てって!」
なんか後ろで叫び声が聞こえているけどそれは多分幻聴だ。
このまま進もう。
というわけでつきました、水の都市アクレイア!
そのあとは特に絡まれることがなくついた。
ふむふむ、どうやらこの都市は大きな湖の周りに街ができている形らしい。
「にしてもでっかいなぁこの湖。ワンチャン東京ドームと同じくらいあるんじゃないか?」
まぁ東京ドームを基準にしても全くわからないけど。
正直言って東京ドーム何個分とか言われてもイメージできないんだよな、東京ドームが何個も詰め込まれているの。
そもそも東京ドームがどれくらいの大きさなのかもピンとこないし。
「……てそんなこと言ってる場合じゃない! とりあえず宿屋探すか」
宿屋ではセーブポイントを設定することができる。
セーブならログアウトする時もできたのだが、もし死んでしまった時にはそのセーブポイントではなく最後に泊まった宿屋でリスポーンするのだ。
もちろん宿屋に一回も行ってなかったら初めの街、サウザンライフからスタートだ。
というわけで面倒だがこう言ったことはちゃんとやっておく必要があるのだ。
スライム討伐とビッグスライムで結構金もらえたしな。
「そんで宿屋は……あった、ここにするか」
『宿屋:ウォーター』
水、そのまんまだな。
まぁいいか、宿の名前とかはどうでもいいし。
「宿にご宿泊されますか?」
「はい。お願いします」
「それではこの鍵をお渡しします」
「ありがとうございます」
インベントリの一つが鍵で埋まるのはちょっと勿体無い気がするけど……
でもこれでリスポーン地点の固定ができるし初めに金払うだけでずっと払わなくて済むからな。
これくらいはいいか。
しかも部屋まで用意されている!
そこから自分のアイテムを置いておいても問題ないからな。
一種の格納空間だ。
それに最後の方の街で死んで最初の街サウザンライフからまたくることになるよりはマシだしな。
「さぁてと、必要ないアイテムも収納したし早速クエスト受けますか!」
残念ですがやっぱりゲームには初心者狩りが付きもの。
ということでさっさとブルーウッドくんに処理してもらいましょう。