姉ちゃん来襲
『フィールドボス:白狼《希少種》の討伐により以下の報酬を獲得しました』
『白狼の爪』 『白鳳石』
おぉ、なんかすごそうなのが手に入ったぞ!
まぁ、といっても具体的に何をどうすればいいかはわからないんだけどな。
見た感じ何かの素材に使うっていった感じかな。
『レベルが2からレベル20になりました』
さらにレベルアップ!
マジか、10倍になってるじゃないか。
いや当たり前といったら当たり前なんだけどさ。
何せレベルさが23の相手に挑んだんだからな。
こうなってくると勝利の決め手になった俺の切り札、「星氷結」の強さがよくわかる。
1日に一回しか使えないといっても魔力なしで突っ込んできた相手の攻撃確定で跳ね返すのは正直いって強すぎる。
さすがユニーク種族のスキルと言ったところだ。
しかもこれがまだレベル1という事実。
とはいってもこのスキルにも弱点はある。
このスキルはまだ突っ込んできた相手にしか効果がないからな。
もし遠距離からやられるダメージの攻撃を喰らったらこのスキルを普通に貫通して俺は死ぬ。
レベルが上がっていくとそういった方面にも対応できるようになるのだろうか。
『ユニーククエスト:真の星氷竜への階段が発生しました。受注しますか?』
俺がスキルについて考えているとそういったアナウンスが流れた。
突発クエスト、しかもユニーク!?
発生した理由は……まぁまず間違いなく狼くんを討伐したことだろうな。
発生する理由それしか思いつかないし。
で、クエスト名は「真の星氷竜への階段」か。
真の星氷竜……確かに今の俺しっかりとした星氷竜とは言えない。
流石にレベル20の星氷竜なんておかしいからな。
それにまだまだスキルもレベル1、2くらいだ。
真の星氷竜ということは強くなるということ、討伐クエストか?
うーん、よくわからん。
まぁいいか。
ユニークはこのゲームで超希少なクエスト。
これを受けない手はない!
『ユニーククエスト:真の星氷竜への階段が受注されました』
『ユニーククエスト:真の星氷竜への階段が進展しました。報酬として以下を獲得しました』
『憑依石【白狼】』
え、は?
なんで? なんでクエスト受注しただけで報酬手に入ってるの?
なに!?
俺何かした!?
……あっそうだ。
確かメニューから今受注しているクエストの詳細が見られたはず……
スライム10体討伐
ビッグスライム討伐
真の星氷竜への階段
あった。
えー、どれどれ……あーなるほどね。
どうやらこのクエスト、「真の星氷竜への階段」は各地のフィールドボス、その希少種を討伐することが目的らしい。
そんでその討伐リストの中に狼くんも含まれていたわけだな。
あぁよかった。
クエスト発生とは別にまた新しく狼くん狩ることにならなくて本当によかった。
あいつめんどいんだもん! マジで!
んでその報酬だが何やら面白い文字が含まれてあるね。
「憑依……ね」
これ絶対レアなやつでしょ!
憑依だよ憑依!
こういうのってさ、ネクロマンサーとかさ、そういった闇系統の職業の人がやりそうなんだよ。
それで、このユニーククエストで出てきたってことは俺もそういったことができるようになるっていうことだ。
憑依っていうのが具体的にどういった効果なのかはわからないけど面白そうではある。
そんで?
これは一体どう使うんだ?
『憑依石を使用するには特定のアイテムのクラフト/獲得が必要です』
「は?」
え、何今使えないのこれ!?
ここまで期待させといて?
それはないって……
それでそのどこかで作るか手に入れなきゃいけないアイテムの名前は……『憑依時計』
……なぜ時計?
装備とかできるのかな。
職業「神匠」がアイテムを使うことで作成できる。
廃墟都市:幽霊蔓延の森の鎧幽霊ガードゴーストから低確率で入手……
神匠、それに廃墟都市……ね。
また新しいものが出てきたな。
神匠っていうのは多分生産系職業の種類とかそういったものだろう。
だけど、廃墟都市……なんなんだそれは……。
そんなもの聞いたこともないぞ。
まぁ、まだ始まったばっかりだから誰も辿り着いてない場所なのかもしれないけど。
でもだからと言ってそこで鎧幽霊から低確率で入手するのはめんどくさいな。
こっちはフィールドボスの希少種を倒さなきゃいけないのにさらにそこに加わるのは超めんどい。
とりあえずこの憑依石は今のところ使えなさそうだな。
使えるとしてもワールドの中盤から後半くらいだろうな。
さて、そろそろ終わりにするか。
もう結構時間経ってるからな。
セーブして終わりにしよう。
「ちゃんと街に戻ってからな!」
また戻ってきたらなんかいるんだけど!? っていう状況には陥りたくないからな。
マジで。
「ふぅ、結構やったな〜!」
かれこれ今日だけで結構やったと思う。
ゲーム的にはまだまだ進んでないんだけど。
夕飯は……昼に残ったカレーでいいか。
性別が変わった影響が前まで余裕で完食できていた量を多く感じる。
外見だけでなくていたなそういったものも変わっているのかな。
やっぱり病院には絶対に行かなきゃ。
そんなこんなで翌日。
俺はカレーを食べた後そのまま部屋に戻って寝た。
昨日一日困惑する出来事しかなくてマジで疲れていたのだ。
そんな状況で風呂とか入れると思いますか?
しかも性別変わった状態で。
否、断じて否である。
そんなのは無理です。
はい、無理なんです。
というわけで風呂に入らず寝た結果、現在絶賛汗で気持ち悪い。
とはいえ、俺に風呂に入る勇気はない! ということでスマホで今の状況を調べながら姉ちゃんを待ってる状況です。
まぁ、逆になんで今まで調べてないんだよって話だけどね。
ピンポーン
「おっ、きた」
現在朝の10時、姉ちゃんは昼くらいにくると思っていたから結構驚いている。
おっと、ドアを開ける前にちゃんと姉ちゃんか確認。
うん、姉ちゃんだ。
「姉ちゃんきたか」
「!? ……あっ、あぁ。今きたところだよ」
「……姉ちゃん今俺が誰かわからなかっただろ」
俺がそう少し悲しげな声で言うと慌てて姉ちゃんは
「いやいやいや! そんなことないから!」
と弁明した。
まぁ、嘘だろう。
俺の姉ちゃんが男になっていたら今の姉ちゃんのような反応するだろうし。
「この姿を見せたのもカメラ通話だけだからね。見慣れてないからそう反応するのも仕方ないよ」
「ありがとう……そして久しぶりだなこの家」
と、姉ちゃんはいった。
それもそうか。
姉ちゃんはほぼこのうちに帰ってきてないからな。
帰ってくるのは半年くらい前だろう。
「それで今まで何してたの?」
おっと、直球に聞いてきたな。
「なるほどね……」
俺が事情を説明すると姉ちゃんはそういった。
「海樹風呂入ってないんだ」
「逆に俺が入る勇気があるとでも?」
「ないな」
「だろ?」
「そもそも服とか着替えとか持ってるの?」
「それって女ものの?」
俺がそう問いかけると姉ちゃんは頷いた。
いやいや
「持ってるわけないだろ!? 持ってたら俺は変態だわ!」
流石に持ってないって。
そんなの家にあるとしたら姉ちゃんが寮に持って行き忘れたものぐらいだって。
「とりあえず、風呂入るよ」
「……へ?」
数十分後
「…………」
俺は放心していた。
なんかね、これは現実だって再確認させられた気分だった。
色々見ました、というか目に入りました。
はい……
そんで現在は姉ちゃんに髪を乾かされている。
どうやらこういった髪のケアが大事なんだと。
正直俺にはよくわからん。
服はいつも俺が着ているパーカーだ。
特に服に興味ないだろうからそれでいいっていってくれた。
なんか性別変わるって調べたらいろんな小説が出てきてそのたびに母や姉、妹が豹変してめっちゃ服着させてくるのが多かったからそうなるのかと覚悟していたのだ。
姉ちゃんマジでナイス!
「えーとそれでとりあえずお父さんとお母さんに連絡したんだけどさ、この仕事ひと段落したら飛んでくるって」
「へぇー、親バカだからすぐにくると思ったけど流石に仕事を放ってこないか」
「いや、最初はそうしようとしてたんだけど流石にそれはやばい! っていって抑えた」
マジかよ。
あんたら会社の重役でしょ。
そんな人たちが飛んできちゃダメだって。
「まぁとりあえずそれまでは一緒に生活してって」
「え? 姉ちゃんここに住むの?」
「そう、あの人たちが海樹のこと放っておくわけないでしょ?」
確かに……
ということで家に姉ちゃんも加わることになった。
完成した瞬間に更新押してしまって全部消えた……
萎えて一日中遅れました。
申し訳ありません。