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世界に独りぼっち  作者: 福梟
3/3

独りと娯楽施設

世界に独りぼっち、本当に自分だけなのか?

恐怖と闘いながらも人探しを始めることになった。

※描写や添削の再再チェックは需要が出だしたら頑張ります。

人に読まれていないと頑張れない性分で恐縮です。


ローソンから拝借した食糧品を家の冷蔵庫に入れながらふと疑問に思う

本当に一人ぼっちなのだろうか?

例えば、1万人中9999人が消えた、1万分の1の確率で僕はこの世界にいる。

つまりは、市内に行けば同じ境遇の人が居ないだろうか?

……ゴクリッ

市内に行くのは、月1回、大きいゲームセンターで音楽ゲームをしに行くのと時々、大好きな餃子を買いに行くことが主だ。


そんな状態ではあるのだが、約1時間の運転、ちょっとぐらい遊んでもいいよね?

なんて緊張感のないことが浮かぶ。

誰かが居たらうまく共存できると良いな……。

よほどのサイコパスの人じゃなくて、意思疎通さえ出来れば友達になれそうな気がした。


第一印象が大事と本の著者は言う、しっかりとよそ行きの服を探す。

服の管理は親がしてくれているので探すのに手間取ったし、

親のありがたみを感じて涙が出た。

そして、大きいゲーセンで遊べたら遊ぼうという気持ちは萎えていった。

涙ぐんだまま、愛犬が繋がれていた場所へ行く。

そこには、雨ざらしになりそうな位置にリードに繋がれた首輪がポツンとあった。

それを手に取ると少しだけ犬の匂いがした。

ギュッと抱きしめた。 ありふれた毎日が幸せなんだなって思ったし、

堕落して生きていた自分は、本当に何をやっていたんだって思えた。

30も過ぎて、アルバイトとゲーム。勿論創作活動も頑張ってはいたが、半端で華が咲くのはいつになるのか……。

もし、元の世界に戻れたら、もっと一生懸命生きたい。 そう思えた。

僕はそっと犬の首輪を、犬小屋の中に入れた。

一人ぼっちが辛いということを今痛感している、そして、何年も一緒に生活してくれたペットたちに心から感謝をしている。勿論、面倒見てくれた親にも


まだ1日ちょっとしか経っていないのに心は疲れていた。

それでも、心も体も、その世界に適応しようと頑張っている。

少しだけ仮眠してから、車に乗り込む、いざ、市内に向かおうと思うとすごく緊張した。

見晴らしのいい道を走行中に、突如謎の生命体に拉致られないか、なんていう可能性だってまだ拭えていない。

スマホの時計を見ると、14時になろうとしていた。

誰にも出会えなかった場合、暗くなるまでには帰り着きたい。

そう決めてから、恐る恐るエンジンを入れた。


孤独・恐怖・それ以外にも感情はあった。開放感がある、悪い部分だけではない、でもやっぱり孤独というのは、大きいマイナス要素なのだなと思う。

高速を走ったことは指で数えるぐらいしかないが、気がつけば、車の速度メーターは85kmあたりを指していた。

スピードを弱めたほうが良いか、少し悩む。

だが、悩むついでに勝手に現状を把握する。

背筋がゾクッとする、ヒトっ子一人は愚か、野生動物、小鳥さえも見かけない気がする。

怖くなった、でも誰も居ないのなら殺される心配はない。

辛い時ほど美味しいものを食べて、小さな幸せを感じて、元気になる、何故かそう思えた。

帰りに、丸岡の餃子によっていこう、冷凍保存すれば結構持つよね?

「大丈夫、きっと大丈夫」

自己暗示のつもりで声に出す。

少しだけ気持ちが軽くなった気がした。

30分ほど走行、いつもより1,3倍近い速度で走っているため、思いの外都心部に着く。

残念ながら、人の気配も、動物の気配も全くない。

「……はぁ……」

小さくため息が出る。 一人だけしか居ない世界で僕は馴染めるのだろうか?

死ぬまでこのままなのだろうか? 

気持ちが完全に沈んだ時、ふと、近年飛躍的に伸びているYouTuber鴨頭嘉人さんのことを思い出した。

『落ち込んだ時この本読んだら、一発で元気になります』

そんなことを言っていた気がする。

ちょうど、近くに中古の本屋さんがある。

立ち寄ってみることにした。

暫く探していると、『あなたはとっても運が良い2』が見つかる。

本当は1もゲットしたいのだが、近くに無いとなると取り扱ってないのだろう。

値段を確認する。110円となっていた。

「安いなぁ、よか……あっ……」

言い終わる前に気づく、この世界でお金は殆ど必要ない。

パッと考えるとしたら、自販機での購入、セルフのガソリンスタンドでの給油、ゲームセンターでのプレイ、といったところだろうか?

自己啓発に役立ちそうな本を適当に詰めてから、僕は店を後にした。

漫画はまたの機会にしよう。

気持ちがなれるまでは、あんまり娯楽しようと思えない。

それから、車で15分ほど離れた場所にあるラウンドワンに着く。

いつもの財布に、1万円札と数枚の1000円冊を補充し、向かう。

ゲームセンターで遊ぼうとしている自分を馬鹿らしく思うだろうか?

そう考えるとフッと苦笑いが漏れた。

愛用の音楽ゲームに必須の軍手を忘れていることを思い出し、すぐそばにあるローソンで軍手を拝借、ついでにお茶とジュース、おにぎりを3つ拝借して店を出る。

本当は心細かった。

ゲームに集中したら無防備になるのもわかって入るが、荒治療というか、少しでも世界を受け入れなきゃいけない、そんな気がした。

ラウンドワンも普通に営業していた。自動扉が開く、当然無人だ。

2階からと1階からのゲームの音がする。 でも凄く静かだ。

異様な空間、少しだけワクワクした。 でも誰か居ないかとビクビクしていた。

今更になって思う、サイコパス人と遭遇して、

『この世界は俺のものだ!○ねっっ!!的に襲ってきたらどうしよう』

それから僕がとった行動は、可能な限りの施設の見回りだった。

音楽ゲームをしたく体が少しうずいたが、それよりも、大きいゲームセンターを一人で歩くという非日常な状態に凄くワクワクした。

ほんの一部だけ、スタッフしか入れない場所も覗いた。

陳列前の好きなキャラクターのフィギュアや可愛いぬいぐるみが沢山あったので

持ち帰りの袋を取りに行ってから、それを貰い一度車に入れに戻った。

大量ゲット!そんな気持ちはあるにはあるけど、どこか虚しい気持ちにも思えた。

だから、半分ぐらい戻そうかと思ったが、でも面倒なので拝借することにして次回から気をつけようと思った。

ふわふわのでかいぬいぐるみに顔を埋めた、少しだけぬくもりを感じた。

でも、いっきに孤独感が襲ってきた。

車に大雑把にしまい込むが、誰かお店関係者の生存者が居て、勘違いされないか心配だったが、でもこんな非常事態、多少の盗難は目をつぶるだろうし、何の損害にもならないだろう。

今更だけど、絶体絶命都市みたいに、崩壊した都心部でも、レジにお金とメモをおいておいたほうが良かっただろうか?

少しだけ傲慢にものを拝借している自分を情けなく思いつつも、なんとかなるかな?という気持ちにはなった。 今はとにかく、明るい気持ちでこの世界をちょっとでも楽しみ、そして受け入れることが自分の課題だと思う。

財布と鍵の入ったポシェットを持ち、軍手を装着し、いざ音楽ゲームコーナーを僕は目指した。


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