第3話 運命......の出会い
あの声は、そう、あの時の声だ。
『お前さんの人生はここまでみたいだな……』
そう。あの声だ。って、ええええええ〜〜〜。俺を殺したやつの声だよね!?
でも、なんで覚えてるんだ、記憶は消されるはず。俺は、殺された側だから
最後の記憶として残してくれたってことか。残酷な話ではあるが、それよりあいつ、殺した相手は覚えてるのか? 恨んだ相手は忘れないとか? わからんなぁ……俺に話しかけてくるなんて。
「聞こえてるんか。お前さんどうしちまったんだ。パーティー組みたいって言ったのそっちだろ?」
「は、はい。俺のこと覚えてないんですか?」
うわー、なんか緊張する。YESでもNOでもなんかいやだな。
「初対面じゃないすか。お名前なんていうんですか? っとその前にオレから紹介さしてもらうな、オレの名前は『グレン』だ。剣士やってる。そーゆーことだ! よろしくな!」
よく考えろ、あいつは俺をこの世界に送り込んだやつ本人だ。
でも、記憶はないみたいだ、俺にはパーティーメンバーがいない。グレンは俺に声をかけてきた。答えは一択だな。
「俺の名前は『ルアン』だ。初級魔導師やってる。とはいえ、まだチュートリアルも終わってない。どころか、魔法すら撃った事ないんだ。グレンさんは終わったんですか?」
「硬いな、ルアン、オレのことはグレンでいいぜ! オレもまだクリアしてないんだ、だから、お前さんのような弱そうな奴とパーティー組むなんて奴、よほど強いか、ぼっちかのどっちかしかないだろ。なぁ」
いちいち上から来る感じなんなんだよ。てか、俺のことバカにしていやがる。でも仕方ない決めたんだ。もう。
「じゃあ俺のことも呼び捨ててでいいよ。タメでもいいから遠慮なく。だって
『今日はクエスト手伝ってもらうからな』
よろしく。グレン」
「ああー、もちろんだ」
僕たちはクエスト受注のためメリアの元に向かった。
「パーティーメンバー見つかったんですね、良かったです」
メリアって可愛いよな。ほんと、美しい、純白で透き通っていた髪色、その長い髪を複雑に編んでいる。人間離れした顔、心が暖かくなる声質、でもそんなメアリにも、何かがある。
悲しそうな表情をしているから。
そう思う。救いたい、とも思う。あー、ずっと見てられる。とも思う……
「ルアン! お前さんどうしたんだ?
まだ疲れてるんじゃないのか、また意識がどっかいってやがるぞ」
ぺし
「いってー。何してんだよ、急になぐっ、て、痛くない」
「説明まだでしたね。
ターミナルでは痛みは人間界の十分の一。ダメージも同じく十分の一です。衝撃は同じですが、、」
「そうなのか。グレン、わりーな、疲れてたんじゃなくて、ちょっと大事なこと考えてた。
(俺の癒しだから大事なことだ。そう大事なこと)
でも、ビビるから次から気を付けろよ」
「分かったよ」
こいつ、荒っぽいな。ちょっと警戒しとかないとな。
「もーいいですか? 待ちくたびれましたぁーあ。 ん、んっ! クエスト名『チュートリアル』を受注しますか?」
「はい」「おう」
あくびをするメリア、可愛い……
「承りました。チュートリアルは、うちのナナ・ノンが同席させていただきます。ナナー、お仕事だよー!」
「待ってましたよ、ルアンさん。結構待ったので、待ちくたびれちゃいましたけど。まぁ、この世界はずっと夜ですので時間感覚あまりわからないんですけどね。フフっ!」
ターミナルジョークなのか? 俺にはわからん。
それより、ここずっと夜なのか。いつでも寝れるな。
楽観主義者「ルアン」の誕生であった……